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アレックス・タバロック「オンライン・デートで人種間の結婚は増えたか?」

[Alex Tabarrok, “Does Online Dating Increase Racial Intermarriages?” Marginal Revolution, October 11, 2017]

今日,新たに結婚する人たちのだいたい3分の1は,オンラインで出会ったカップルだ.オンライン・デートには,おもしろい特徴がある――まるっきり見ず知らずの人とマッチングされやすいんだ.これに比べて,たとえば友人からの紹介で引き合わされたり教会で知り合ったり地元のバーで出会ったりといった他のマッチング手法だと,すでになんらかのネットワーク内でつながりのある相手とマッチングされやすい.このため,オンライン・デートが盛んになってきたことで,いろんなネットワークで人々がお互いに結びつけられる方法が大幅に変わっている見込みが大きい.Ortega と Hergovich は,単純なモデルを考案している:

本稿では,ゲール=シャプリー結婚問題を考察する.この状況設定では,エージェントたちが属す人種や地域社会がさまざまに異なっている場合がある.あらゆる人種のあらゆるエージェントたちが無作為に同じユニット・スクエアに配される.エージェントたちは,じぶんにいちばん近い人物と結婚したがるのだが,結婚できる相手はじぶんが知っている相手にかぎられる.つまり,つながりのある相手としか結婚できない.実生活と同じく,エージェントたちは同じ人種のエージェントたちと非常につながりが強い一方で,他人種とはつながりがとぼしい.

理論と無作為シミュレーションを駆使して著者2人が見出したのは,オンライン・デートによって人種間の結婚が急速に増加するということだ.こういう結果になるのは,たんに,オンラインだと人種のちがう相手とマッチングされる場合があるからだけではない.ひとたび〔人種がちがう男女の〕カップルが一組結婚すると,新郎新婦それぞれの友人たちが伝統的な手法でマッチングされて結婚する確率が高まるからでもある.弱いつながりの強さとは,それまでかけはなれていたネットワークどうしをもっとつなげるのに必要な弱いつながりはそんなむちゃくちゃ多くないという点だ.

白人・黒人・ヒスパニック系・アジア系・アメリカンインディアンや混血の人どうしの結婚を含むものとして定義される人種間結婚は,遅くとも1960年代には増え始めていたけれど,著者たちは下記のグラフを使ってこう主張している――オンライン・デートの登場と普及にともなって伸び率が増加した.2009年の Tinder 登場以後に人種間結婚が大幅に増えてる点に注目!
(これが複合的な影響によるものではない説得力ある論証を著者たちは展開している.)

オンライン・デートによって結婚相手候補の人数が増えるため,オンライン・デートのないモデルでの相手候補たちよりも選好空間で平均的に「もっと近しい」人どうしでの結婚につながる.このため,彼らのモデルでは,オンライン・デートは離婚率を下げるはずだと予想される.この仮説を裏付ける証拠もいくらかある:

Cacioppo et al. (2013) によれば,オンラインで成立した結婚だと夫婦が離婚しにくく,結婚生活への満足度も高くなりやすい.彼らが用いたのは,2005年から2012年までに結婚したアメリカ人 19,131名の標本だ.著者らによると:「オンラインで結婚相手に出会った場合,平均でみると,伝統的な(オフラインの)結婚事例に比べて,結婚生活への満足度がわずかながら高くなる一方で離婚にいたる率は低くなっている.

このモデルは,他のいろんな潜在的ネットワークにも当てはまる.

感謝: MIT Technology Review.


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