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アレックス・タバロック「フェイスブック公聴会を理解する勘所:ペルツマンの規制モデル」

[Alex Tabarrok, “The Peltzman Model of Regulation and the Facebook Hearings,” Marginal Revolution, April 11, 2018]

フェイスブック公聴会について理解したければ,プライバシーやテクノロジーについて考えるよりも,政治家たちがのぞむことについて考える方が役に立つ.ペルツマンの規制モデルでは,利潤(企業ののぞみ)と低価格(地元有権者たちののぞみ)とのトレードオフをとるのに政治家たちは規制を使って,じぶんたちののぞみを最大化する.つまり,再選だ.ここでカギを握るのは,利潤と低価格のどちらでも政治家たちへのリターンは逓減する,という点だ.競争の働いている産業を考えてみよう.競争の働いている産業は,政治家にとって得るものはあまりない.そこで,彼らはその産業を規制して価格を上げたり企業利益を上げたりしたがるかもしれない.そのおかげで利潤をあげるようになった企業は,そうしてくれた相手〔政治家〕に報いるべく,選挙資金を出したり,その産業の利益の一部を政治家にとって最重要の選挙区への助成に回すだろう.価格が上がって消費者たちは腹をたてるだろうけれど,競争が働いている場合の価格からあまり上がりすぎなければ,政治家にとっての差し引き正味の利得はプラスになる.

今度は,規制のない独占を考えてみよう.利益を最大化している独占企業は,政治家にとって大してうまみはない.政治家は独占企業に規制をかけて,価格を下げたり,その独占企業に利益の一部を政治家にとって最重要の選挙区の助成に回すように仕向ける.価格が下がったことで,独占企業は腹を立てるだろうけれど,独占価格をあまりに下回りすぎないかぎりは,独占企業にとって差し引き正味の利得はプラスになる.(さらに,少しばかり価格を下げることに対して独占企業はあまり強く抗議しないだろう.そのくらいなら大きな損失を被らずにすませられるからだ――利益カーブの頂上は平坦だ.)

この背景をふまえて考えると,フェイスブック公聴会はかんたんに理解できる.フェイスブックはとても利益の上がる独占企業で,これは政治家たちにとってあまりうまみがない.消費者たちは高い価格に腹を立ててはいない(なにしろフェイスブックは無料なので).とはいえ,プライバシーその他のスキャンダルには腹を立てうる.それだけでも,規制をちらつかせるには十分だ.こうして行われる規制の結果として,フェイスブックはその利益の一部を選挙資金に提供したり政治家の重要な選挙区への助成に回したりするだろう.

助成を受けるのは誰だろうか? 主要プレイヤーたちに注視すること.迂回路はたっぷりあるうえにまだお金は流れ始めたばかりだけれど,選挙資金以外にも,とくに政界では,現職候補にくらべて挑戦者側の広告コストを高くする規則に注意すること.現職候補たちは,現職であることの優位が大好きだ.また,政府は,NSA, ICE, 地域の警察やさらには外国の警察も含めて政府機関がフェイスブックのデータにもっとアクセスできるようになる見返りに利益への規制を政府が制限する取引をしないか注視しよう.政治家たちは本心ではプライバシーをのぞんでいないことに留意すること――2016年にも下院議会はプライバシーとテクノロジーに関する公聴会を開いたのを思いだそう.あのときの公聴会では,テクノロジー企業がいかにみずからのユーザーデータをあまりに秘匿しすぎているかという点が議論された.


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