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アレックス・タバロック 「車検は安全性を高めない」

[Alex Tabarrok, “Vehicle Safety Inspections Don’t Increase Safety,” Marginal Revolution, March 22, 2018]

2003年に書いたポスト「政治家と修理工が共謀してぼくからふんだくってる」で、年1回の自動車検査は安全性を高めずただ時間とお金を無駄遣いしながら不必要な修理をつくりだしていることを示す研究を引用した(別の研究もある)。その後ずっと、こうした無駄政策についてなにかとぶちまき続けている。

でも、今日はちょっといいニュースがある。自動車の品質が向上しつづけていることで、アメリカの一部の州でこうした「安全」検査を本当に打ち切るところがでてきている。たとえば、コロンビア特別区(2009年)、ニュージャージー(2010年)、ミシシッピ(2015年)が車検をやめている。とはいえ、車検の撤廃をめぐって、いまなお多くの州で熱い論戦が交わされている。

「もし[車検の撤廃が]可決されると、夜もおちおち寝ていられなくなりますよ」とテキサス州の上院議員 Eddie Lucero は言う。「どうして[撤廃案を]可決して自分やほかのテキサス人を危険な目に合わせようなんて気を起こしたんです?」 同様に、ユタ州の下院議員 Jim Dunnigan はこう主張する――彼の地元住民は「ブレーキが壊れ、マフラーが外れ、タイヤがどこかにいくまで、運転しつづけるでしょうよ。」潜在的な安全面の懸念事項に自動車の所有者が確実に対処するようにする唯一の方法は車検なのだと彼は言う。こうした主張は、大半の自動車サービスステーションが支持している。総じて彼らは車検の実施で利益を得ており、車検制度の撤廃は「確実に事故を増やす結果になる」と主張している。

これは、Hoagland & Woolley の新論文からの引用だ。この研究では、車検制度を撤廃したニュージャージーを使って、撤廃が事故増加につながるかどうかを検証している。アメリカ全土から集められた死亡事故率の精密なデータと合成統制法 (synthetic control methodology) を使って、Hoagland & Woolley はこういう結論を導いている:

(…)〔車検の〕義務を取り除いても、1人あたり交通事故死も、とくに自動車による1人あたり交通事故死も、自動車による交通事故頻度も、有意に増加しない結果となった。したがって、自動車安全性検査は政府予算の効率的な使い方とは言えず、交通事故における自動車の故障が果たす役割になんら有意な減少効果をもたらすようには見えない。

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そろそろ、年1回の車検をやめて、車検制度をまるまる無くしてしまうなり、メリーランドのように自動車譲渡時にのみ安全性検査を課す制度に移行するなりしていい頃合いだ。譲渡時の検査も、ぼくには必要だと思えない。譲渡時こそ、義務があろうとなかろうと買い手が検査を実施する場面にほかならないからだ。ともあれ、少なくともその制度でも車検回数は大幅に減るだろう。

Hat tip: Kevin Lewis.


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