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クルーグマン「連銀を監査せよなんてひどい話だ」

Paul Krugman, “Auditing the Fed is a Terrible Idea,” Krugman & Co., November 29, 2013.


連銀を監査せよなんてひどい話だ

by ポール・クルーグマン

The New York Times Syndicate

/The New York Times Syndicate

『ワシントンポスト』の経済評論家のマイク・コンツァルが,先日いいコラムを書いてる.「連銀は監査を受けるべき」というランド・ポール上院議員の提案がダメな考えである理由について書かれたコラムだ.一読をおすすめする.ここでは,補足を書いておきたい.

要点はこれだ:民間銀行を監査するってことなら,ぼくらはどんな意味か知ってるよね――預金者のお金を無駄にしていないか,そのお金で過度のリスクをとってしまっていないか確かめるってことだ.でも,連銀は限定的な目的をのぞいて投資事業なんてしちゃいない.連銀があるのはお金を管理するためであって,もうけるためじゃない.

じゃあ,いったいなにを監査しようってんだろうね? 連銀がなにかリスクの高い資産を購入しようとしてるとしようか.たとえば,不動産担保証券かなにかだ.これっていいものだろうか,それとも,わるいものだろうか? その答えは,そういう証券がひどいことになる確率があるかどうかと,ほとんどなんの関係もありゃしない.大事なのは,ただひとつ,経済に及ぼす影響だけだ.

それに,ランド・ポールみたいな手合いがこの資産の査定を頼みそうな相手なんて,見当がつくってもんでしょ――まったくの金本位制支持者じゃないとしても,2010年に『ウォールストリートジャーナル』に,通貨の毀損とインフレについて警告する公開書簡をベン・バーナンキ宛てに書いたような右派の経済評論家どもでしょ.

コンツァル氏が言っているように,「連銀を監査せよ」なんて話はまるごと,金融引き締め政策のための言い訳だし,その言い訳はと言えば,通貨毀損をめぐる幻想に基づいている.

覚えてるかな,いま共和党の経済担当のトップをつとめてるポール・ライアンなんて,金融政策の土台を『肩をすくめるアトラス』にでてくる演説に置いてるくらいなんだからね.

© The New York Times News Service


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