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クルーグマン「2013年ノーベル賞の感想」

Paul Krugman, “Thoughts on the 2013 Nobel”, October 17, 2013.


2013年ノーベル賞の感想

by ポール・クルーグマン

経済学をけなす古いネタにこんなのがある.「正反対のことを言う2人がノーベル賞をとれる分野は経済学しかない」.そうは言っても,そういう冗談を飛ばしてる人たちにとっても,正反対のことを言う2人が同じ賞を共同で受賞するなんて,きっと予想外だったろうね.そして,今年起きたのはまさにそういうことだった.

ただ,実のところ,今度の賞はけっこうなことだと思ってる.効率的な市場に関するユージン・ファーマの研究は,他の代替仮説を検証するためのベンチマークの設定に不可欠な仕事だった.ロバート・シラーは,他の誰よりも,効率的市場仮説が実践で失敗するいろんな場合を体系化するのにつとめてきた.ファーマ氏が最近,馬鹿なことを言ったとして,べつに問題ない.彼は今回の名誉を勝ち取ったんだし,それはシラー氏も同じだ.ラース・ピーター・ハンセン氏について言うと,彼の研究には計量経済学的な手法が関わっていて,ぼくはそっちの方に専門知識がないけれど,専門家たちがこれを偉大な業績だと考えているのは信用する.というわけで,万事よし――長年にわたって予想されてきた名誉をファーマ氏に与えつつ,それでいて自分たちをとりまく状況と完全に接点がなくなってるように思わせずにすます方法を見つけ出したノーベル賞委員会は,称賛すべきだ.

© The New York Times News Service


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