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タイラー・コーエン「もっとも人に敬意を払う国はどこ?」

Tyler Cowen “Where are people respected the most?” (Marginal Revolution, December 31, 2013)

※訳者補足:文中にリンクを示した通り、本記事は先日紹介したノア・スミスの記事に対するコーエンの反応。これ以外ではマンキューhimaginary氏による紹介)、デヴィッド・ヘンダーソンなども記事を書いているので、興味がある方は参照のこと。


先日のノア・スミスの記事が出た後、僕らはこの問題について昼食を取りながら話し合った。ノアは高度かつ比較的平等な敬意が払われる国として日本を挙げていて[邦訳]、これは職人、工場労働者、外国政府高官、そしてについてはその通りだろう。でもこれは、良い職業からしばしば締め出されている女性の立場を考慮に入れた、より一般的な場合においても正しいだろうか。若年層の「ロスト・ジェネレーション」、つまり二次元の女の子を彼女にして現実のセックスについては諦めており、自分の家から出ようとしない男たちの立場はどうか。在日韓国・朝鮮人を始めとする日本社会における様々な少数派はどうか。例えばシチリアなんかにあるかもしれないような、大きい拡大家族からなる形態の敬意が日本には欠けていないだろうか。

こうした判断にはいくらか主観的な要素があるけれど、敬意と敬意の平等性についてこれらは日本の位置をいくらか引き下げると思う。

逆に僕はアメリカは敬意と敬意の平等性についてかなりの程度を誇る国だと考えている。業種の多様性や変化にとんだ地理は、他人から尊敬されたり自分で自信を持ったりするたくさんの経路を作り出しているし、エリートの傲慢な道徳基準を遮る壁もたくさんある。そして人々を同じに扱うことについてもかなりのもので、これは敬意それ自体と勘違いされるべきではないけど、敬意の平等性の一種だ。

最も力と影響力のある人たちには、大概の社会においてたくさんの敬意が払われることはほぼ間違いない。各国間での敬意の違いは、女性側に多く表れるかもしれない。これは敬意のランキングにおいて、スカンジナヴィア諸国とアイスランドへプラスに働くだろう。

コーエンの第三法則1 によれば、あらゆるものにはそれに関する研究があるのだけれど、最も信頼できるグーグル検索は明確な結果を返してはくれなかった。(しかしリチャード・セネットによるRespect in a World of Inequality[格差社会における敬意]はある。)本ブログの読者で、この問題の実証的な事実について知っている人はいるだろうか。各国での幸福度についての研究はみんな知っているけれど、今僕らは敬意だけについて関心を抱いている。もっとも人々に敬意が払われているところはどこか、敬意の平等性がもっともしっかりとしているところはどこなのか。

だれか敬意の計測をしてみない?

補足:ジャスティン・ウォルファーがこのリンクの他、ギャラップ世界調査データを教えてくれたが、このギャラップ調査では敬意は富とプラスの相関を持っていることが示されている。

respect

  1. 訳注;ニュートンの第三法則のもじり []

Comments

  1. 日本で犯罪を犯すのは 中国人、韓国人、北朝鮮人だ:彼らは日本名をかたって
    日本でわざと 犯罪を犯している。”愛国無罪”という名のもとに:

  2. いつも翻訳をチェックしてくれてありがとうございます。(決しておかえしにというわけではありませんが)私も気がついたところを一つ。

    “extended families” というのは、社会学で言うところの「拡大家族」のことで、「幅広い大家族」だと微妙にニュアンスが違う気がしますが。

    https://en.wikipedia.org/wiki/Extended_family

  3. あと、これは意図的なのかもしれませんが、”indifference” は普通は「無関心」という意味で、そう訳しても別に意味は通ると思うのですが(皮肉っぽい意味にはなりますけど)。

  4. あと、”artisans” を「自営業者」とするのはどうでしょうか。artisans でない自営業者はたくさんいると思いますが。。。

  5. 御指摘大変ありがとうございます。1点目と3点目のコメントに沿って一部修正させて頂きました。
    1点目と2点目についてはそれぞれ以下のような理由から意訳していたのですが、翻訳や言語については全くの門外漢ですので、もしよろしければ後学のため御意見いただければ幸いです。

    ・”extended family”:これは直前の形容詞 “large” との間にコンマがあることから二つの形容詞は対等の関係と思われ、extended familyで一まとまりの用語を使うのは躊躇われました。
    ・”indifference”ですが、この文脈上はその人の社会的な属性への無関心、つまり極端に言えば相手が大統領でも物乞いでも同じような態度で接するという趣旨であると思われたため、それが伝わりやすいよう意訳しています。

    ”artisan”については、息を吐くように間違えていました。自営業だと範囲が広すぎですし、日本について言及している文脈上、「職人」が一番適訳ですかね。

    • お返事遅れましてすいません。私も技術翻訳を長年やってるだけで、経済学に関しては素人ですから、背景知識の不足でズレた訳になってないかと、いつもビクビクしています。ですから、おかしいと思ったら遠慮なく指摘してください。

      “large, extended families” のカンマは、対等というよりも、”extended” という分詞形容詞が後に続くので、わかりやすくするために入れた感じじゃないかと思うんですが。

      ”indifference” のもともとの意味が、「区別しない」であることは、もちろんおっしゃるとおりですね(経済学の「無差別曲線」なんかはまさにそういう用法ですね)。「無関心」という意味も、そこから派生していることは間違いない。

      ただ、私が気にしてるのは、この文脈では、むしろ日常用語的な「無関心」というニュアンスが強いのではないか? ということです。「無関心」というのも一種の平等だよね、という皮肉じゃないかなと。

      単に「区別をしない」という意味だったら、indifference という言葉のチョイスがやや不自然な気がするんですよね。nondiscrimination とか fairness とか equity とかいろんな選択肢があるのに。

      あと、”we have plenty of indifference” みたいな言い方って、ちょっと皮肉っぽい感じがしませんか? もし純粋に「区別をしない」という意味で言ってるなら、アメリカって黒人差別とか、どっちかというと差別で有名な国なのに、ここまで大口を叩かない気がしちゃうんですが(^^)。

      まあ、私もネイティブほどの語感があるわけではないので、本当のところは著者自身や他のネイティブに確認した方がいいかもしれません(もしかして、 227thday さん自身がネイティブや帰国子女だったらごめんなさい)。もしなんだったら、知り合いのネイティブにちょっとメールで聞いてみますね。

      • ちょっと風邪で寝込んでいたものでご報告が遅れました。みなさんも身体にはお気をつけ下さい。

        さて、ネイティブの知り合いから回答をもらいました。やや微妙な回答ですが。以下引用。

        I agree with you that the meaning is closer to “lack of interest” but not in a negative tone as in “Americans aren’t interested in anyone else and only think of themselves” and I don;t think he was being sarcastic.

        It’s more like if I asked you, which do you like better, black tea or green tea and suppose that you were not a tea drinker, then you might be indifferent to either. You wouldn’t have a higher opinion of one over the other, so you would just treat them equally. I think that’s closer to what the author meant, or at least that would be my interpretation.

        つまり、”lack of interest” というニュアンスが強いのは確かだが、それを “sarcastic” と捉えるのは行き過ぎじゃないかな、という意見のようですね(「紅茶?」「緑茶?」「別にどっちでもいいよ」ってな感じだと。)

        これを踏まえて、自分ならどう訳すか考え直してみたんですが、「無関心」と訳すとどうしても皮肉っぽいニュアンスが出てしまうので、訳しすぎになる危険が大きいですね。

        かと言って、ネガティブなトーンを消しつつ “lack of interest” のニュアンスを強調するような訳も思いつきません。

        そう考えると、無理に “lack of interest” のニュアンスを表現することは諦めて “treat them equally” にしぼると言うのは、実は現実的に無難な選択かもしれません。

        もし 227thday さんがそこまで考えてこの訳を選択したのだとすれば、私は単に浅はかな言いがかりをつけてお騒がせしただけということになります。もしそうだったらすいません。

        • お知り合いの方にまでお問い合わせた頂いた上での非常に御丁寧な回答を下さって本当にありがとうございます。私はネイティブや帰国子女などではないので、非常に勉強になりました。
          訳のときに私が考えていたのはせいぜい、文脈上アメリカの美点を述べているところなのでネガティブな印象を与える表現は避けたいという程度です。今回の御指摘点を糧に精進を重ねていきたいと思います。
          また何かあればご意見頂けると大変ありがたいところですが、ひとまずはしっかりと御自愛なさって下さい。

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