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タイラー・コーエン「カリブ海諸国でそんなに魚を食べないのはどうして?」

当ブログを熱心に読んでくれてる David Lomita からの質問:

「よく疑問に思うことなんだけど,小さな島々からできてる国でカリブ海諸国で有名な料理は魚料理より肉料理の方が多いのはどうしてなんだろう.この家の女性はジャマイカ人で,彼女ご自慢の料理はジャーキーで,魚のエスカベッシュじゃない.プエルトリコにはレチョン(子豚の丸焼き)があるし,キューバ料理にはロパ・デ・ビエハがあるのに.」

ぼくもとくにデータを持ち合わせているわけじゃない(ただこの PDF の不完全な表7をご一考)けれど,似たような疑問について考えてみたことがある.いくつか考えうる要因がある:

  1. 魚が利用できて美味なのは海のすぐ近くであること が多い.輸送としかるべき冷蔵は,当たり前のように存在するとはかぎらない.どちらにせよ,そうした魚はいつでもその国の代表的料理になるとはかぎらない.また,消費される魚の多くは,おそらく健康と貯蔵に関わる理由から,ボイルされ,スパイスを加えられ,塩漬けにされることにも注意しよう.
  2. 食べ物はエネルギー資源だ.その点で見ると,魚より肉の方がすぐれていることが多い.とくに,肉・魚なしではカロリーが欠如する食生活の場合はなおさらだ.同じ理由で,そうしたカロリーにとぼしい料理は典型的な日常の食事よりも炭水化物満載になる場合がある.
  3. 牛・鶏・豚は貯蓄の媒体だ.魚はそうじゃない.食料供給の計画を立てるなら,なんらかの保険に投資するべきじゃないか.地域の銀行システムは貧しい人たちにはあまり役立たない点をお忘れなく.さらに,魚よりも鶏の方が所有しやすいのかもしれない.カリブ海の多くの地域で,漁業は生産性が低い.これは知識が貧しく水産養殖がうまく導入されていないためだ.
  4. カリブ海と一口に言っても,どの国のことを言ってるんだろう? より豊かなトリニダードとジャマイカでは,魚の小売店はそのへんによくある(このつながりは〔魚にかぎらず〕もっと一般的に有用だ).バルバドス,アメリカのバージン諸島,ケイマン諸島では,調理関係のインフラがかなり良好で,富がたっぷりある.カリブ海でいちばん人口の多い2国,ハイチとキューバの経済的条件は悲惨だ.
  5. 政府の締め付けもお忘れなく.それに,資源管理の専門知識の欠如も.「カリブ海諸島にある政府の大半は,魚肉生産の自給自足を目指している.アンティグアのように輸出禁止を試みている国もあるし,また,ジャマイカやトリニダードのように輸入を制限している国もある.どの国も,海上と沿岸の両方における漁獲後の処理や,加工と貯蔵により多くの注意を払い,また,マーケティングと流通にも注意を払っている.多くの国は,いまでは自国資源の評価査定に関心をもち,統計を収集して資源を維持するのに最善の管理方法を決定することにも関心をもっている.」

ちなみに,最近の良記事としては,カリブ海諸国,とくにジャマイカで食料輸入のコストが上がっているのを取り上げているものがある.

 

[この記事の原文:Tyler Cowen “Why don’t they eat more fish in the Caribbean?” Marginal Revolution, 2013年8月5日]


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