経済学101は主に皆様の寄付によって賄われています。温かい支援をお待ちしています

タイラー・コーエン 「あなたの国だけにしかない仕事とは?」

●Tyler Cowen, “What is a job that exists only in your country? (place-specific labor markets in everything)”(Marginal Revolution, April 16, 2014)


まずは「あらゆるものに市場が存在する:テヘランバージョン」1から始めることにしよう。

この仕事はテヘランにしかないと思います。車の後ろ側にピッタリとくっついて歩くだけでお金がもらえるんです。いくらかお金を支払って誰かに車のすぐ後ろを歩いてもらえば車両の進入が制限されている区域に立ち入っても監視カメラにナンバープレートを読み取られずに済むというわけです。

残念ながらその様子を捉えた写真をうまく貼り付けることができないのだが、今回はQuoraサイトで交わされている大変魅力的な議論(テーマは「あなたの国だけにしかない仕事は何?」)の中からいくつかピックアップすることにしよう。

ベトナムでの川渡しの仕事(プラスチック製のバッグの中に人を入れて川の対岸まで運搬する仕事)は印象的だが、インドでは次のような「裁定取引」(arbitrage)の仕事があるという。

インド鉄道では障害者を対象として運賃が50~75%割引される制度があります。また、障害者の付き添いをする人――ただし一人だけ――も同じだけの割引を受けることができます。

障害者の中にはこの割引制度を利用して生活の糧を得ている人がいます。彼らの仕事は見知らぬ人を付き添いに選んで都市と都市の間(見知らぬ人の目的地が行き先になります)を鉄道で移動するだけです。目的地に到着するとその見知らぬ人は障害者に対して正規の運賃の最大75%を支払います。結果的に見知らぬ人は運賃が浮くことになりますし、障害者は儲けを手にすることができるわけです。

次の仕事も初耳だ。

中国には次のような仕事があります。交通渋滞に巻き込まれた際のことです。いくらかお金を払えば2人乗りのバイクがあなたの車のところまでやって来てくれます。そしてそのうちの一人が車の運転を引き継ぎ、残りの一人がバイクにあなたを乗せてどこでも好きな所へと連れて行ってくれるのです。

マークス&スペンサー社でのペットフードの味見をする仕事(“pet food taster”)やオーストラリアの(ビキニを着た)メーター・メイド2についても今回初めて知った。リストを眺めるとインドでの仕事の紹介が目立つが、メキシコも負けてはいない。

メキシコには酔っ払いの体に電流を流す仕事――あくまでも同意を得た上での話です――があります(電流を流してくれたら喜んでお金を支払う酔っ払いがいるのです)。この仕事についている人たちは夜遊びに没頭する連中がたむろしているバーのあたりをうろちょろしています。彼らの仕事道具である金属製の箱からは2本の棒が出ているのですが、それをカチカチと鳴らして「電流いかがですか? 電流いかがですか?」と叫びながら歩き回るわけです。その仕事道具というのはバッテリーで動く金属製の箱です。電圧レギュレータが備え付けられているのでお客の求めに応じて電流を強くすることもできます。メキシコ人の間では体に電流を流すと気分が高ぶると広く信じられているのです。

1回のお値段は2~4ドル程度ということだ。唯一無二の仕事はおそらく次で間違いないだろう。

アメリカ合衆国:月面歩行(ただいま休止中)

今回の話題3に気付いたのはtwitterで誰かがつぶやいているのを目にしたのがきっかけだったと記憶しているのだが、申し訳ないことにそれが誰だったのか思い出せないでいる。

  1. 訳注;Marginal Revolutionブログの恒例のネタの一つに“markets in everything”(あらゆるものに市場が存在する)シリーズというのがある。「まさかこんなものにまで!」と思えるようなモノでも実際に市場で取引がなされている事実を世界各国から集めてきてそれを紹介するのだが、今回は「え? そんな仕事まであるの?」というネタがテーマとなっている。 []
  2. 訳注;路上のパーキングメーターを見て回って時間切れの車があるとそのメーターにコインを入れるお仕事 []
  3. 訳注;ちなみに、日本に関しては相撲の力士やエレベーターガール、押し屋(通勤ラッシュ時に人を電車の中に押し込む仕事)などが紹介されている []

Comments

  1. こんにちは。「currently on hiatus」は現在休止中という意味かと思います。

    • コメントありがとうございます。currentlyをcorrectlyに見間違えていました。ご指摘通りに訂正させていただきます。

コメントを残す