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タイラー・コーエン 「シカに見るナショナリズムと現状維持バイアス」/「哺乳動物が最適な経路を見出すまでにはどのくらいの時間がかかる?」

●Tyler Cowen, “Deer nationalism and status quo bias”(Marginal Revolution, April 26, 2014)


冷戦時代に東と西を分け隔てていた鉄のカーテンが取り払われてから既に25年が経つが、誰もその事実をシカには伝えていないようだ。

チェコ共和国と旧西ドイツの国境付近に生息するアカシカ(red deer)の足取りを追跡したところ、冷戦が終結してから四半世紀が経過した現在においてもなおシカたちは両国を分かつ国境線を踏み越えずにいることがわかったのだ。

その調査では計300頭のアカシカの足取りが追跡されたが、調査を実施した研究者たちが語るところでは、シカたちは頑なに古い国境線を守っているようだとのことだ。

研究者の一人はBBCに対して次のように答えている。「シカたちは特定のイデオロギーに固執しているわけではありません。これまでの習慣に固執しているという意味で非常に保守的なのです。」

冷戦時代、シカたちはチェコ共和国と旧西ドイツの国境を自由に行き来することができなかった。というのも、両国の国境地帯には電気柵が張り巡らされていたからである。

詳細はこちらを参照のこと。このエピソードを教えてくれたYanaに感謝。
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●Tyler Cowen, “How long does it take mammals to learn the optimal commute?”(Marginal Revolution, August 24, 2013)


Philip Wallachに大変魅力的な記事の存在を教えてもらった。熊がどのようにして跨道橋を利用するに至るかが主なテーマとなっているが、以下にその一部を引用しておこう。

しかしながら、長年にわたり多くの人々の間で――批判者は言うに及ばず、路線計画の立案担当者や環境保護論者の間でも――次のような不満の声が上がっていた。熊のために税金を使って跨道橋(高速道路の上をまたぐ道路)を作る? それって本当に必要? そもそも熊が跨道橋を利用するだろうか? この疑問の声に答えるために研究者の一団が跨道橋の利用実態について念入りな調査を行った。その調査の結果はというと、・・・肯定的なものだった。動物たちが高速道路に侵入するのを防ぐために全長70kmのフェンスが道路沿いに張り巡らされているが、跨道橋が建設されるまでは動物たちはそのフェンスに遮られて高速道路の向かい側に渡れずにいた。跨道橋が建設されて以降はどうなったか? まるで合理的な人間の歩行者のように多くの動物たちがその跨道橋を利用して高速道路の向かい側に渡るようになったのである。しかしながら、動物たちが環境の変化に適応するまでにはしばらく時間がかかるようだ。跨道橋を利用して高速道路の向かい側に渡るようになるまでにシカに関しては4~5年程度、大型の肉食動物に関しては5~7年程度の時間を要するということだ。

全文はこちらである。


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