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タイラー・コーエン 「フィギュアスケートにまつわる謎 ~スカンジナビア諸国代表のフィギュア選手がオリンピックで長らくメダルを獲得していないのはなぜ?~」(2010年2月18日)

●Tyler Cowen, “Where are the good Scandinavian figure skaters?”(Marginal Revolution, February 18, 2010)


J・C・ブラッドバリー(John-Charles Bradbury)が問うている。

スカンジナビア諸国はウィンタースポーツの強国であり、ウィンタースポーツの大半の競技を得意としている。スカンジナビア諸国の気候を考えればそれも驚くにはあたらないだろう。ところがだ。ことフィギュアスケートに関してはスカンジナビア諸国代表の選手は1936年以降にオリンピックで誰一人としてメダルを獲得していないのだ。

リンクはこちら1。さて、その理由は? すぐに思い付く「これだ」という経済学的な仮説もなくはない。「寒い地域ほど室内が暖かい(室内の気温が高い)」謎に関するデイビッド・フリードマン(David Friedman)の研究を踏まえた仮説がそれだ。スウェーデンは1年の多くの期間を通じて天然の氷に恵まれている。そのため、わざわざスケートリンク場を建てる価値があるかというと(おそらくは)それほどない。ということはつまりスウェーデンでスケートができるのは1年のうちで(天然のスケートリンクが姿を現す)限られた期間だけということになる。その一方で、スウェーデンよりも暖かい国々ではスケートリンク場がなければスケートを滑れるチャンスは皆無だ。そのため、そういった国々ではスウェーデンよりも多くの数のスケートリンク場が建てられ、そのおかげで一年中スケートができる環境が用意されることになる2。ずっと昔、おそらくは1936年よりも前の時代にはまだどの国もスケートリンク場の建設には手を出していなかったのだろう。

暖かい国ではスケートリンク場を建てるよりもスキー場を建てる方が大変だ。そのため、以上のメカニズムはウィンタースポーツの中でも(暖かい国でも練習に使える施設を比較的建てやすい)特にスケートに強力に当てはまることだろう。

ただし、以上の仮説の裏付けとなるような具体的な証拠を持ち合わせているわけではない。ふと思い付いた経済学的に考え得る仮説というに過ぎない。この謎を解く他の仮説なり具体的な証拠なりを誰かお持ちじゃないだろうか? フィギュアスケートで金メダルを獲得したアメリカ代表選手はどの州出身なのだろうか? その金メダリストが生まれ育った州の気候はどんな具合なんだろうか? どのくらい天然の氷に恵まれているんだろうか?  女子フィギュアの金メダリストの父親は我が子の教育や練習(訓練)にどのくらい首を突っ込んでいるんだろうか?

  1. 訳注;リンク切れ。 []
  2. 訳注;このあたりの理屈については本サイトで訳出されている次の記事も参照されたい。 ●フランシス・ウーリー 「トロントの方がオタワよりも暖かいのに屋外でスケートを滑れる期間が長いのはなぜ?」(2018年2月27日) []

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