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タイラー・コーエン 「図書館の本の延滞料不払いにより逮捕」(2008年8月22日)/「図書館による延滞料の徴収に反対!」(2008年8月18日)

●Tyler Cowen, “Library fines, part II”(Marginal Revolution, August 22, 2008)


アメリカに住む女性が延滞料の不払いが原因で警察に逮捕されて手錠までかけられるに至った。何の延滞料かというと本の延滞料。件の女性は返却期限を過ぎた図書館の本(計二冊)に対する延滞料1の支払いに応じなかったのである。

その女性とはウィスコンシン州のグラフトンに住むハイジ・ダリボル(Heidi Dalibor)。図書館から再三にわたり電話と書面での(本の返却と延滞料の支払いを求める)催促があったが、いずれも無視したという。

延滞料を支払うか、さもなくば現地の裁判所に出廷せよと迫る通知も届いたがそれも無視したという。

そんな彼女もまさか警察が自宅にやって来ようとは思いもしなかったらしい。

全文はこちら2。ところで、件の女性は図書館に対して延滞料を支払った上にさらにそれにいくらか上乗せして二冊とも買い取ったらしい。

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●Tyler Cowen, “The power of competition, or should there by library fines?”(Marginal Revolution, August 18, 2008)


イギリスから届いたニュースだ。

「テレビに雑誌にインターネットに電子書籍。図書館はそんな相手と競争しなければなりません。それにもかかわらず、本の返却が少し遅れたくらいで罰金(延滞料)を科すなんていう時代遅れで馬鹿げた考えにいつまでも固執している始末です」。そう語るのは図書館コンサルタントとして働くフランシス・ヘンドリックス(Frances Hendrix)。図書館員向けのオンラインフォーラムで巻き起こった論争で気炎を上げた一人だ。「延滞料を徴収したって何もいいことなんてありません。プロフェッショナルなやり方でもないし、能率的でもありません。図書館までが一般の営利企業を真似して顧客の疎外に邁進する必要なんて無いんです」とヘンドリックス。(読書の楽しみを広めることを目的とする)慈善団体のThe Reading Agencyでプログラム・ディレクターを務めるリズ・ダバー(Liz Dubber)も与して語る。「図書館の賞味期限はもう過ぎたというのが私の考えです。その理由というのは時代遅れの図書館像をいつまでも引きずっているからです。現に図書館が置かれている客観的な状況とも追い求めるべき理想像――寛容で鋭敏で柔軟で刺激的な図書館――ともあまりにかけ離れている時代遅れの図書館像に囚われてしまっているんです」。

延滞料の徴収=図書館の利用者を「疎外」する行為。延滞料の徴収に批判的な論者の間ではそのような声もあるようだ。ところで、延滞料の徴収の代わりとなるような有効な手って何かあるんだろうか?

図書館員の一人は大昔にいくつかの修道院で実践されていた制裁を復活させたらいいと提案した。中世の修道院では本を盗んだ僧侶に呪いがかけられたのである3。旧ソ連のやり方を真似て本の返却が遅れた人物の名前を新聞に掲載したらいいという提案も上がった。そうすれば恥ずかしさのためにすぐにでも本を返却するだろうというのだ。ちなみに来週のことだが、ニュージーランド北島にあるパーマストンノースで本の返却が遅れた利用者と図書館員との間で延滞料の支払い免除をかけたゲーム対決が行われる予定になっている。本の返却が遅れた利用者が音楽ゲームの「ギター・ヒーロー」で見事勝利を収めれば延滞料の支払いが免除されるのだ。

延滞料の徴収を一切やめるというのではなく延滞料に差をつけたらいいというのが私の提案だ。新作で人気のある本とか頻繁に貸し出される参考書とかの返却が遅れた場合にはそれ以外の本に比べて高めの延滞料の支払いを求めればいい。

  1. 訳注;アメリカ(だけに限らないが)では図書館で借りた本を返却期限が過ぎても返さないと罰金として延滞料が科される場合がある。 []
  2. 訳注;リンク切れ。代わりに例えばこちらを参照。 []
  3. 訳注;おそらくブックカースのことを指しているものと思われる。 []

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