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タイラー・コーエン 「現状に満足する猫に嫉妬する人間?」(2017年2月8日)

●Tyler Cowen, “John Gray on Abigail Tucker’s cat book”(Marginal Revolution, February 8, 2017)


とりあえずは現状に満足するというのが猫が備える何にもまして魅力的な特徴の一つだ。猫は人間――とりわけ現代人――とは違って幸せを手にしようと夢見てわざわざ骨を折ろうとはしない。何らかの脅威にさらされない限りは今の自分、現状の生活に満足し切って一日一日をやり過ごすというのが猫の基本姿勢だ。食事や睡眠以外の時間にはあちこちを探検して回ったりひたすら遊んだりして暇を潰す。「生きる理由とは何か?」なんて自問することは決してない。猫にとっては生きていられるだけで十分なのだ。

猫を見るとムカムカする(猫が気に入らない)という人がいるようなら――そんな御仁はたくさんいるように見受けられるが――、現状に満足気な猫への嫉妬が理由の一つなのかもしれない。

以上はジョン・グレイ(John Gray)による書評の一部を引用したものだ。グレイと言えば文化や歴史の行く末に関する悲観論者として有名な人物の一人だが、書評の中では猫の大量殺処分の必要性を訴える論者への批判も加えられている。・・・と聞けばグレイが自著に『Straw Dogs』(邦訳『わらの犬――地球に君臨する人間』)なるタイトルを付けたのはなぜだろうと探りを入れたくなるかもしれない。肝心の書評はこちらだ。書評の対象となっているアビゲイル・タッカー(Abigail Tucker)の優れものの猫本は『The Lion in the Living Room: How House Cats Tamed Us and Took Over the World』(邦訳『猫はこうして地球を征服した:人の脳からインターネット、生態系まで』)だ。

ジョン・グレイがロス・ドウザット(Ross Douthat)の妻〔=アビゲイル・タッカー〕の猫本に好意的な書評を寄せるというあり得ない出来事が起きたわけだが、次に待っているあり得ない出来事は一体何だろうね?


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