アレックス・タバロック「英連邦の国境開放について」

(Alex Tabarrok, “Open English Borders,” Marginal Revolution, March 3, 2015.)

経済的理由や道義的理由から,ぼくは国境を開くことを支持してる.ただ,すごく所得水準・文化・歴史がちがう国どうしの国境をすぐさま開いた場合の政治的な帰結について懸念するのはおかしなことじゃない.でも所得水準・文化・歴史が似ている国どうしで国境を開くのをおそれるのはおかしなことだ.というわけで,イギリス連邦移動の自由協会 [the Commonwealth Freedom of Movement Organisation] による請願をぼくは全面的に支持する:

イギリス・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドが共有する独自の関係と社会経済的なつながりゆえに,我々は,欧州連合の政策やオーストラリア=ニュージーランドの貫タスマン移動協定 (T.T.T.A.) と同様の移動の自由を認める合意を結ぶことからこれら各国が互いに便益を得られると信じる.

就労許可やビザ管理に関する制限なしに市民が自由に移動できるようにする合意を(したがって必然的に立法を)前記の国々の政府が確定することを,我々は提案する.

ごもっとも.

この種の合意でただひとつ問題になるのは,すごく大きな利得が生まれるのは大きく異なる国どうしで国境を開いたときだってことだ.それでも,輸送や交易のコストをさげるのにはぼくも賛成する.ただ,移動の権利は人権であって,たんなるイギリスとその旧植民地諸国の権利とはちがうってことがもっと理解されるといいなと思う.

付言:きたる3月16日は「国境開放の日」だ.当日は,国境を開くことの長所と短所について書く予定〔その記事〕.平和に議論しよう.

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