アレックス・タバロック 「金のなる信号機?」(2013年5月14日)

●Alex Tabarrok, “Red Lights for Profit”(Marginal Revolution, May 14, 2013)


フロリダ州、タンパベイ:フロリダ州の信号機に変更が加えられた。ちょっとした変更ではあるが、重要な変更である。黄信号の点滅時間が短縮されたのである。その結果として、交通違反(信号無視;赤信号での進行)に伴う罰金の支払いが大幅に増えることになったという。

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2011年にフロリダ州交通局(FDOT)が黄信号の点滅時間に関するルールを密かに変更していたことが、10 News取材班の調査によって明らかとなった。黄信号の点滅時間については連邦政府が勧告しているが、黄信号の点滅時間を連邦政府の勧告よりも短くする決定を密かに下していたのである。ルールの変更後間もなくして、フロリダ州交通局と周辺の自治体に勤めるエンジニアたちがタッグを組んで、主要な交差点にある黄信号――特に、赤信号監視カメラ(交通違反監視カメラ)が搭載されている信号機の黄信号――の点滅時間を短くする作業に取り掛かったという。

・・・(略)・・・赤信号監視カメラは、昨年1年だけで1億ドル以上の収入(交通違反の罰金)を生み出し、・・・(略)・・・そのうちの52.5%はフロリダ州政府の税収となり、残り(の47.5%)は郡と市とカメラ運営会社との間で分け合われたという。・・・(略)・・・「赤信号監視カメラは、市とカメラ運営会社、そして州政府が共同で運営している営利事業だと言っていいでしょう」。そう語るのは、非営利団体である全米ドライバー協会の専務理事を務めるジェームズ・ワォーカー氏。「フロリダ州交通局による今回のルール変更は、黄信号の点滅時間を極端に短くすることで、交通違反切符の数をもっと増やしてやろうとの魂胆から意図してなされたに違いないと信じています」とも語る。

官僚による税収最大化行動を理論的な観点から分析している研究として、ブレナン&ブキャナンの『The Power to Tax』(邦訳 『公共選択の租税理論-課税権の制限』)に言及しておかねばなるまい。官僚による税収最大化行動の別の実例としては、ブルース・ベンソン(Bruce L. Benson)らによる論文(“Police bureaucracies, their incentives, and the war on drugs”)を参照されたい。

情報を寄せてくれたRadley Balkoに感謝。

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