スコット・サムナー「失業率に関するクルーグマンの解説」

ポール・クルーグマンが,失業問題がもっぱら需要側の問題であって構造問題じゃあない理由を説明するすごくいいポストを書いてる.いちばん急速に失業率が上がった地域では,回復局面でいちばん素早い失業率の下落が起きている.失業率がいちばん急速に上がった職業では回復局面でいちばん素早い失業率の下落が起きている.(クルーグマンは,Edward Lazear の研究も参照してる)

ぼくの見解では,失業率が 10% から 7.4% に下がったのは,ほぼ100パーセント,循環的な景気回復だ.これに続く 2% の下落は,もっと興味深いものになるだろう.かりに,失業率が 6.2% まで下がって,そこで止まったとしよう.そこで議会は,まさにそうやって失業率が下がったのを理由に,失業保険手当の最大受給期間を73週間から26週間に戻す決定を下す〔=財政政策の縮小〕.(あるいは,もしかすると,自動的にそうなるのかもしれない.) そしてその後,失業率がさらに 5.4% に下がったとしよう.ここで質問:

  1. この追加の 0.8% 失業率下落は,需要刺激によるものだろうか,それとも構造改革によるものだろうか?
  2. また,緊縮にも関わらず今年の雇用が安定成長を見せたのは,金融による相殺ゆえに財政乗数がゼロだという事実によるものだろうか,それとも,財政乗数はプラスだけど〔財政縮小でマイナスの効果がでるけれど〕その効果が金融のさらなる緩和で相殺されたからだろうか?
  3. そして,針の上で天使は何人踊れるだろうか?

 

[この記事の原文:Scott Sumner, “Krugman on unemployment,” The Money Illusion, 2013年8月3日]

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