タイラー・コーエン「大規模書店はどれくらい重要?」

[Tyler Cowen, “How important are book superstores anyway?” Marginal Revolution, June 22, 2016]

Photo by Geographer; From wikimedia Commons; CC BY 2.5
[Photo by Geographer; From wikimedia Commons; CC BY 2.5]

かつてのやり方:

バーンズ & ノーブルのような大規模書店を前にして,リスク回避的な出版社は有名人の書き手とヒット確実な本に一縷の望みを託した.

新しいやり方

バーンズ & ノーブルなき世界で,リスク回避的な出版社は有名人の書き手とヒット確実な本に一縷の望みを託す.

前者はぼくの記憶で,後者は引用だ.著者の Alex Shephard によるこの主張はおもしろい:

マルコム・グラッドウェルやジェイムズ・パターソンといった名の売れた著者たちは,おそらく問題ない.また,ロマンスや SF やマンガや商業的な小説ジャンルに特化している書き手たちも大丈夫だろう.彼らはすでにAmazonの低価格になびいている.だが,ピュリッツァー賞や全米ブックアワードの候補になるようないわゆる「本格的」な文学的小説をだしている出版社にとって,バーンズ & ノーブルは必要不可欠だ.バーンズ & ノーブルが出す最初の発注がなくなり,店頭の本棚で提供される目に入りやすさがなくなれば,アンソニー・ドーアの All the Light We Cannot See や エミリー・セントジョン・マンデルの『ステーション・イレブン』 のような比較的に無名な本が大ヒットにのぼりつめるのは難しくなる.

大規模書店がないと,売られる本は少なくなるけど売れた本が読まれる確率は高まるってことはないかな?

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