タイラー・コーエン「都市の分布、今昔」

[Tyler Cowen, “The distribution of cities, then and now,” Marginal Revolution, February 12, 2018]

今日の先進国では、こうして都市は歴史的に重要だった農業地域に散在している。この結果、こうした国々の内部では、リソースの地理的な分布の平等度合いが比較的に高くなっている。これと対照的に、今日の発展途上国では、都市はもっと沿岸部に集中している。沿岸部は、農業適正に比べて輸出条件がもっと優れている。


上記は、Quarterly Journal of Economics 2018年1月号に掲載された Henderson, Squires, Storeygard, & Weil の論文からの引用。彼らの研究は、人工衛星で計測した光データにもとづいている。全体として、この規則性は途上国におけるリベラリズムと民主制の見通しにマイナスになるとぼくは見ている。都市への集中はレントシーキングや〔政治家・官僚による〕泥棒政治をあまりにたくさん促してしまうことがある。また、ここには、我らが建国の父たち(の一部)のまぎれもなく見事な知恵も映し出されている。彼らには自由と非中央集権的な農地改革論のつながりが見えていた。ここからは、中国の「一帯一路」路線について一定の悲観論が示唆される。アメリカで〔沿岸部より内陸の〕後背地が発達したのと同様のパターンを今日の途上国経済が繰り返そうと試みるのは必ずしも可能でも望ましくもないのかもしれない。この点で、都市経済学とヘンリー・ジョージがいっそう重要になる。

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