タイラー・コーエン 「『我らが同僚』ゴードン・タロック」(2005年1月26日)/ アレックス・タバロック 「タロック流の問い」(2015年2月5日)

●Tyler Cowen, “Our colleague Gordon Tullock”(Marginal Revolution, January 26, 2005)


ゴードン・タロック(Gordon Tullock)の『The Organization of Inquiry』の新版がLiberty Fundh社から刊行された。

タロックが本書で焦点を当てているのは、科学者から成る社会組織だ。本書では、科学という営みについて――とりわけ、社会システムとしての科学が抱える問題について――重要な問いが提起されている。科学者たちは、ピラミッド型の組織の一員として組み込まれているわけでもないのに、協力し合って(協調して)研究に励んでいるかのように見える。いかにしてそんなことが可能になっているのか? 科学の成果(の大部分)が一般社会の信認を得るに値するのはなぜか? 本書でタロックは、そのような問いを投げかけている。

学術誌に論文を投稿してから掲載されるまで長く待たされてイライラさせられた経験をお持ちの御仁もいるかもしれないが、タロックは1980年頃の段階 [1] 訳注;原文では、「1980年頃の段階」という文言にリンクが貼られているが、リンク切れ。以下の引用文は、リンク先の文章。でうまい解決策を見つけていたようだ。

ゴードン・タロックは、Public Choice誌に論文を投稿すると、自分でその論文を審査し(自ら査読者を務め) [2] 訳注;タロックは、長らくPublic Choice誌の編集委員を務めていた。、48時間以内にメールボックスに受理の諾否に関する返事を送るというのがよくあるパターンだったらしい。

ブラッド・デロングによるタロックの評価はこちら。今回出版された『The Organization of Inquiry』はタロック全集の中の一冊だが、後続巻の予定についてはこちらを参照されたい。

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●Alex Tabarrok, “Tullock’s Questions?”(Marginal Revolution, February 5, 2015)


ゴードン・タロックは、「質問魔」で有名だった。奇妙な問いに、気まずい問い。その場で即席で思い付かれた問いに、著述の中で投げかけられる問い。例えば、「アメリカがブラジルを侵略しないのはなぜなんだろうね?」なんて問いがふと発せられたりする。「かつては、他国を侵略したり、植民地を獲得したりするのは珍しくも何ともなかった。でも、今は違う。それはなぜか?」というのが問いの真意だ。いい問いだ。

ところで、タロックが投げかけた問いを集めたいと思っているところだ。タロックに面と向かって投げかけられた問いでもいいし、タロックが本の中で投げかけている問いでもいい。何かご存知なら、是非とも教えてもらいたいと思う。「ありがとう」と前もって感謝しておくとしよう。

References

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1 訳注;原文では、「1980年頃の段階」という文言にリンクが貼られているが、リンク切れ。以下の引用文は、リンク先の文章。
2 訳注;タロックは、長らくPublic Choice誌の編集委員を務めていた。
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