タイラー・コーエン 「天候なんてそんなに気にするな」(2016年12月4日)

●Tyler Cowen, “Why you should worry less about the weather, especially when you travel”(Marginal Revolution, December 4, 2016)/【訳者による付記】本サイトで訳出されているタイラー・コーエン 「耐久消費財としての『記憶』」(2014年4月7日)とあわせて参照されたい。


いや、気候変動みたいなスケールのでかい話をしたいわけじゃない。旅先での体験とかいう個人レベルの身近な話だ。旅先で天気が悪いと、その最中は居心地も悪くて、気分も乗らない可能性がある。しかし、旅先で稀に見る悪天候に襲われたとしたら、その旅の「記憶」は強められて、後々まで長続きする傾向にある(「あの時のことはよく覚えているよ。インドのゴアを訪れたんだけど、モンスーンが予想よりも早くやってきてね」云々)。「今現在(その時々)の効用」(旅行の最中に得られる満足)をできるだけ高めることに意識が向き過ぎて、「重みのある記憶」を培う(育む)ことが疎(おろそ)かにされてしまう。旅先での天候を気にし過ぎるというのは、そのことの表れなわけだ。

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