実は,一定の条件が満たされている場合には,市場における自発的な取引により,交換の利益が最大限に実現されます。政府による個別取引への介入がどのようなときになぜ必要なのかを考える前に,この教科書ではこの理想的な環境を第3章で先に説明します。
この結果は一見すると非常に不思議なことです。後でその条件を丁寧に説明しますが,いくつかの条件が満たされているときには,財・サービスの個々の売り手や買い手が,現在の価格だけを見て好き勝手に売り買いをしているだけなのに経済全体では交換の利益が最大限に実現されるのです。
しかし重要なのは,現実の経済環境がそのような理想的な状態ではないことを前提として,市場取引のメリットをどのように理解するかです。そして市場経済は多くの場合において,完全ではないが,それなりにうまく機能するというのが経済学の第6原理です。
このように自発的な市場取引により,それなりに交換の利益が実現されている場合に,下手に市場に介入すると望ましくない結果になるということについては,価格規制や参入規制を例に挙げて後で説明します。
最近のコメント