アレックス・タバロック 「お金持ちは睡眠上手?」(2006年9月12日)/タイラー・コーエン 「睡眠時間が最も長い国はどこ?」(2009年5月11日)

●Alex Tabarrok, “The Rich Sleep Efficiently”(Marginal Revolution, September 12, 2006)


アメリカン・ジャーナル・オブ・エピデミオロジー(American Journal of Epidemiology)誌に掲載されたばかりの論文によると、所得が多い人(お金持ち)ほど、睡眠の効率がいい(睡眠上手)らしい。とは言っても、お金持ちは、睡眠時間が短くても体を休める術を体得しているって言いたいわけじゃない――実のところ、お金持ちは、貧しい人よりも睡眠時間が長い――。お金持ちは、睡眠潜時(sleep latency)――入眠に要する(寝床に入ってから眠りにつくまでに要する)時間――が貧しい人よりも短い(寝つきがいい)という意味で、睡眠の効率がいいのだ。

inv_fig2University of Chicago Magazineより転載

「お前はどうなんだ?」って? お金は持ってないこともないが、睡眠に関しては貧乏人に括られるようだ [1] 訳注;寝つきが悪い、という意味。

情報を寄せてくれたロビン・ハンソン(Robin Hanson)に感謝。

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●Tyler Cowen, “Cultures of sleep, and which is the “most awake” nation?”(Marginal Revolution, May 11, 2009)


経済学ブログ界隈で、「食事にかける時間が最も長い国はどこ?」という話題が盛り上がっているようだ。そのきっかけは、余暇の過ごし方に関するOECD(経済協力開発機構)の調査(Society at a Glance 2009)にあるが、この調査では国ごとの睡眠の実態も対象になっている。この件について、ウォール・ストリート・ジャーナル紙は次のように報じている。

OECDが公表したばかりの国ごとの生活習慣に関する調査結果によると、OECD加盟国(のうち、調査対象となった18ヶ国)の中で睡眠時間が最も長い国は、フランスとのことだ。

フランス人の1日あたりの平均睡眠時間は530分。2番目に睡眠時間が長い国はアメリカで、1日あたりの平均睡眠時間は518分。それとは対照的に、睡眠時間が最も短い――「最も目が冴えている」――国は韓国で、1日あたりの平均睡眠時間は469分という結果になっている [2] 訳注;ちなみに、日本人の1日あたりの平均睡眠時間は470分で、韓国の次に睡眠時間が短い国(18ヶ国中17位)という結果になっている。

同調査によると、OECD加盟国の中で最も社交的な国はトルコらしい。ニュージーランドはスポーツが盛んな国というイメージを持たれているが、そのようなステレオタイプは間違っているようだ(同調査によると、ニュージーランド人はスポーツにそれほど時間を費やしていないとのこと)。さらには、

10代の少女のうちで複数回にわたって飲酒した経験があると答えた割合が最も高かった国は、イギリス。10代の若者のうちで複数回にわたって喫煙した経験があると答えた割合が最も高かった国は、オーストリアという結果になっている。

10代の若者の飲酒の実態については「危険行動」(“Risky Behavior”)の欄をご覧いただきたいが、アメリカの10代の少年はOECD加盟国全体の同年代の中で一番お酒と無縁なようだ。

調査結果の簡潔な要約は、こちらを参照されたい。

References

References
1 訳注;寝つきが悪い、という意味。
2 訳注;ちなみに、日本人の1日あたりの平均睡眠時間は470分で、韓国の次に睡眠時間が短い国(18ヶ国中17位)という結果になっている。
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