アレックス・タバロック 「空港警備は何を物語る?」(2013年6月5日)

●Alex Tabarrok, “Airport Security Signals”(Marginal Revolution, June 5, 2013)


ラルス・クリステンセンが、空港警備にまつわる理論〔拙訳はこちら〕を開陳している。

・・・(略)・・・空港の保安検査場で無愛想な役人みたいな職員に出くわしたとしたら、その国で開業するには(規制が多いために)手間がかかる可能性が極めて高い。空港警備のあり様は、その国の政府規制の多寡を測る物差しになるように思われるのだ。アメリカの空港で米運輸保安庁(TSA)の職員に出くわすたびに、アメリカの長期的な成長見通しに大いに悲観的になってしまうのもそのためだ(ウクライナにしても同様)。公共部門の規模が大きいにもかかわらず、スカンジナビア諸国の経済は「順調な歩み」を続けるに違いないと私が考えるのも、この理論が後ろ盾となっている。

そんなわけで、ワルシャワ・ショパン空港で、愛想もよくて仕事の手際もいい保安職員に出迎えられた時は、嬉しい驚きを覚えたものだ。私の理論が正しいとすれば、ワルシャワ・ショパン空港の空港警備の変貌ぶりは、ポーランド経済が「成熟期」を迎えて、政府規制も緩められつつある(規制緩和が進んでいる)証拠でもある、ということになろう。朗報だ。ポーランド経済の長期的な成長見通しを上方修正しようかな。そう考えているところだ。

「自分ひとりだけで、おばあちゃんの家まで行ける?」 つい最近のことだが、我が子(息子)にそう尋ねてみたことがある。「おばあちゃんの家」は、カナダのビクトリア市(ブリティッシュ・コロンビア州の州都)にある。飛行機も難なく乗れるし、カナダへの入国も造作ない、との返答。「でもね」と付け加える息子。「アメリカに戻ってくる時に、空港の保安検査場で会わなきゃいけないおじさん達が怖いんだ」。ちなみに、我が息子はアメリカ人だ。

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