ケヴィン・グライアー 「戦後ドイツのアーティスト ~ポルケ、リヒター、キーファー、ボイス~」(2007年5月27日)

●Kevin Grier, “German Postwar Artists”(Marginal Revolution, May 27, 2007)


ニューヨーク・タイムズ紙の日曜版にジグマー・ポルケ(Sigmar Polke)に関する長文の記事が掲載されている。近々(2007年6月10日から)開催予定のヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展のために目玉となる新作を用意しているらしい。以下の画像はそのうちの一つだが、何とも魅力的な作品だ。風変わりな素材を使って描かれているとのことだ。

ポルケはゲルハルト・リヒター(Gerhard Richter)と比較されることが多い。個人的にはポルケ・・・ではなくリヒターに軍配を上げたいところ。現役の画家の中で一番偉大なのはリヒターというのがかねてからの持論なのだ。

戦後ドイツのアーティストの中だと、アンゼルム・キーファー(Anselm Kiefer)だとかヨーゼフ・ボイス(Joseph Beuys)だとかもザ・アーティストと呼ぶにふさわしい存在だ。戦争の後遺症(第二次世界大戦がその後のドイツに残した傷跡)に思いを馳せるアーティストという共通点を持つ二人。キーファーの作品は哀愁が漂っていて崩壊の予感に満ちている。陰鬱で物悲しい雰囲気に包まれている。それに対してボイスは人体の脆さや破茶滅茶さに眼目を置いているように見受けられる。

ワシントンD.C.に住む人間が羨ましくてならないことがある。それは何かというと、少し出歩けば(ナショナル・ギャラリー・オブ・アートだとかハーシュホーン美術館だとかに足を運べば)キーファー(例えば、こちらこちら)やリヒターの作品(こちらこちらを参照)を無料で鑑賞できるということだ。

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