タイラー・コーエン「人口から規制が予想できる――けど,なんでだろ?」(2021年5月21日)

[Tyler Cowen, “Population predicts regulation — but why?” Marginal Revolution, May 21, 2021]

全米の州で,人口規模が2倍になると規制が 23%~33% 増える.


〔※ヨコ軸は2000年時点の人口(百万),タテ軸は2018年時点の規制総数(千)〕

この規制と人口の相関は驚くほど頑健だ――オーストラリアの州でもカナダの州でも成り立っているし,限られたデータにもとづいて言えば,さまざまな国々どうしにも成り立っているらしい(たとえば,「自由市場」の合衆国の方が,カナダよりも規制が10倍多い――そして,人口も10倍だ)

相関ははっきりしている一方で,この相関がそこまで強い理由はそんなにはっきりしない.Mulligan & Sheifer の研究では,その理由を規制の固定費に求めている:つまり,政体の規模が大きくなればなるほど,より多くの人たちにそのコストを分散できるので,規制の平均コストは安上がりになる.それで,人口の大きい国ほど規制をやりがちってわけだ.他にも説明が2つ思いつく:政体が大きいほど規制に見あるだけの外部性が生じるのかもしれないし,あるいは,規制によって生じる便益は一部に集中しつつもコストは広く分散するとしたら,人口が大きくなればなるほど規制に打撃を受ける人たちが団結して反対しにくくなるのかもしれない.

引用した James Bailey のブログ記事が参照してる研究は,James Bailey, James Broughel & Patrick McLaughlin によるもの.3人のうち,Broughel と McLaughlin は Mercatus〔ジョージメイスン大学の研究所〕の同僚だ.

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