タイラー・コーエン「知性を正直に示すシグナルとしてのたわごと製造能力」(2021年7月3日)

[Tyler Cowen, “Bullshit Ability as an Honest Signal of Intelligence,” Marginal Revolution, July 3, 2021]

Martin Harry Turpin et al. の研究から:

さまざまな社会制度を効率よく渡り歩くのは,ヒトという種にとってきわめて重要だ.非常に社会的な種に生じる特有の困難に対処するために形成された認知システムが,ヒトには備わっているらしい.もっともらしいたわごと(ブルシット)を語るのは,真偽を気にかけずに他人を納得させたり他人にいいところを見せたりしようとする意図が特徴的なコミュニケーションだ.そうしたたわごとは,ヒトの社会のいたるところに見られる.満足のいく正確そうに思えるたわごとを自分の知性を正直に示すシグナルとして産出する実験協力者の能力を,2件の研究 (N = 1,017) で我々は評価した.本研究では,次のことを見出した.まず,たわごと能力は,個人の知性と相関している.また,より満足のいくたわごとを産出できる個人は,それを間接的に観察した人々に知性がより高いと判断される.こうした結果は,社会制度を渡り歩くべく知性が調整されているという証拠をさらに加えるものだと我々は解釈する.満足のいくたわごとを産出する能力は,効率よく他人に好印象を残す戦略としても,知性を正直に示すシグナルとしても,その当人が自分の社会をうまく切り抜けていく助けになるのかもしれない.

全文はこちら.Kevin Lewis のことを「直球勝負の人」と呼んでも許されるだろうか?

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