タイラー・コーエン 「ノーベル経済学賞を手にしていない経済学者の中で最も偉大なのは誰?」(2010年4月13日)/「ケビン・マーフィーという切れ者」(2006年11月4日)

●Tyler Cowen, “Who are the best economists without a Nobel Prize?”(Marginal Revolution, April 13, 2010)


本ブログの熱心な読者の一人であるBob T.から、次のような質問を頂戴した。

ノーベル経済学賞を手にしていない経済学者の中で最も偉大な学者は誰だと思われますか? アルチャン(Armen Alchian)でしょうか? タロック(Gordon Tullock)でしょうか? ティブー(Charles Tiebout)でしょうか? それともバロー(Robert Barro)でしょうか?

個人的には、上の面々に加えて、アルバート・ハーシュマン(Albert Hirschman)アンソニー・ダウンズ(Anthony Downs)も候補に挙げたいところだ。他には誰がいるだろうか? ケビン・マーフィー(Kevin Murphy)はどうだろうか? 彼は、従来のノーベル賞の枠にはうまくはまらないタイプではあるが、並外れた「経済学者」(規範的な問題からは距離を置いて、実証的な問題に専心する「実証経済学者」)の一人であることは確かだ。

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●Tyler Cowen, “Profile of Kevin Murphy”(Marginal Revolution, November 4, 2006)


「ケビン・マーフィーは、アメリカで一番頭が切れる経済学者だ」と多くの人が口を揃えて評している。

「ケビンは、僕ら(経済学)の世界で断トツの切れ者なんです」と語るのは、『ヤバい経済学』の著者として知られるスティーヴン・レヴィット。・・・(略)・・・「切れ者と評判の人間と深く付き合ってると、段々利口に見えなくなってくるってことが往々にしてあるものですが、ケビンの場合はそれとは真反対なんです 。ケビンは、地球上で一番頭が切れる経済学者って評価されてるだけじゃない。調子の悪い冷蔵庫を自分で修理できちゃう腕まで持ってるんですよ」。

マーフィーがこれまでに書き上げた(学術誌に掲載された)論文の数は60本を超えている。そのいずれもが揃いも揃って共著というかたちをとっているが、上に引用した記事ではその理由についても説明されている。

情報を寄せてくれたクレイグ・ニューマーク&スティーヴン・レヴィットに感謝。

(追記)レヴィット&ダブナーの二人(「ヤバい経済学」コンビ)が「気候の経済学」をテーマにした記事をニューヨーク・タイムズ紙に寄稿している。あわせて一読されたい。

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