タイラー・コーエン 「手遅れになる前に急いで行っておきたい国(ないしは都市)と言えば?」(2010年3月15日)

●Tyler Cowen, “Where should you wish to visit in a hurry?”(Marginal Revolution, March 15, 2010)


本ブログの読者の一人から、次のような質問を頂戴した。

キューバ旅行から戻ってきた友人の一人が語っていたのですが、中国から輸入された今風のバスが市街のあちこちを走り回っていたそうです。そのおかげで、レトロな車が街中を走るキューバ独自の車文化の魅力が損なわれつつあるとのこと。その友人がキューバを訪れようと思ったのも、キューバのレトロな車文化が大きく様変わりしてしまわないうちに、その姿を目に焼き付けておきたいから、というのが一因だったようです(米国による対キューバ禁輸措置が近々解除されるかもしれないというのも、その他の動機の一つだったようですが)。

キューバのように、文化が大きな変容を遂げている最中で、あと数年もすれば見違えるようになってしまいそうな国(ないしは都市)と言えば、どこになるでしょうか? 機会さえあれば、様変わりしてしまう前に行っておきたいという国(ないしは都市)がおありでしたら、それはどこかお教え願えますでしょうか?

私なりの「手遅れになる前に急いで行っておきたい場所」の一覧(リスト)を掲げると、以下のようになるだろう。

1. キューバ

2. バリ島、ラオス、カンボジア;いずれも、伝統文化が失われつつある地だ。

3. 野生動物保護区、鳥獣保護区

4. イエメン(もう既に手遅れ?)

5. チベットと(おそらくは)ブータン

北朝鮮も入れておこうかと考えたが、自粛しておいた。

ついでに、(私なりに思う)「旅行先として今後魅力が高まる一方の場所」の一覧(リスト)も掲げておくとしよう。

1. 中国(ゆくゆくは大気汚染も和らぐだろう。ネット規制も緩むかもしれない。そうなれば、中国国内でも、このブログを楽々読めるようになることだろう)

2. インド(ゆくゆくは大気汚染も和らぐだろうし、衛生面も改善に向かうだろう)

3. ギリシャ(そのうち、今よりも安くで行けるようになることだろう)

4. カナダ、ニュージーランド、オーストラリア;いずれも、遠い過去から受け継いだ伝統みたいなものはそんなにない国だが、数少ない伝統も失われずに後世まで受け継がれていくことだろう。この三カ国と対照的なのが、アメリカだ。1950年代(あるいは、1920年代)のアメリカは、面白い場所だった――反対に、1950年代(あるいは、1920年代)のカナダ、ニュージーランド、オーストラリアは、面白い場所とは言えなかった――が、当時の文化の多くも今や失われつつある。

みなさんの意見はどうだろうか? イラクもきっと、上の二つのリストのどちらかには入ることだろう(どっちかはわからないけれど)。

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