ダイアン・コイル 「公共政策について学ぶ:推薦図書リスト」(2016年9月16日)

●Diane Coyle, “Public policy reading”(The Enlightened Economist, September 16, 2016)


ツイッター上で、フレデリコ・モレ(Frederico Mollet)から、次のようなやりがいのある挑戦状が届いた。「大学院の修士課程で公共政策について学ぼうと意気込む新入生が、大局を掴む上で役に立つお薦めの書籍を挙げよ」。以下に、私なりのお薦めを掲げるとしよう。合計で10冊 [1] 原注;・・・のつもりだったが、あれもこれもと考えているうちに、少々オーバーしてしまった。。読みやすさ重視。経済学の観点から公共政策に切り込んでいる書籍、経済政策の(理論的な)根拠に探りを入れている書籍を、中心に選んでいる。毎度のことだが、何か意見があるようならお知らせ願いたい。歓迎する。特に、著者が女性の書籍で、何かお薦めがあればお教え願いたいところだ。以下に掲げた書籍の著者は、男性ばかりなものでね。

上から三冊は、「私のお気に入り」の座に長年君臨し続けている代物。誰もが是非とも一読すべきだと思う。

*『Seeing Like A State』(「国家による一元化」) by ジェームズ・スコット(James Scott)

*『Reinventing the Bazaar』(邦訳『市場を創る-バザールからネット取引まで』) by ジョン・マクミラン(John McMillan)

*『Micromotives and Macrobehavior』(邦訳『ミクロ動機とマクロ行動』) by トーマス・シェリング(Thomas Schelling)

*『Who Gets What and Why』(邦訳『Who Gets What(フー・ゲッツ・ホワット)-マッチメイキングとマーケットデザインの経済学』) by アルビン・ロス(Alvin Roth)

*『What Money Can’t Buy: The Moral Limits of Markets』(邦訳『それをお金で買いますか』) by マイケル・サンデル(Michael Sandel)

*『Economics Rules』(邦訳『エコノミクス・ルール-憂鬱な科学の功罪』) by ダニ・ロドリック(Dani Rodrik)

*『Madmen, Intellectuals, and Academic Scribblers: The Economic Engine of Political Change』(「狂人、知識人、三文文士:政治変化の背後に潜む経済的な原動力」) by エドワード・ロペス(Edward Lopez)&ウェイン・レイトン(Wayne Leighton)

*『Poor Economics』(邦訳『貧乏人の経済学-もういちど貧困問題を根っこから考える』) by エスター・デュフロ(Esther Duflo)&アビジット・バナジー(Abhijit Banerjee)

*『The Idea of Justice』(邦訳『正義のアイデア』) by アマルティア・セン(Amartya Sen)

*『Other People’s Money』(邦訳『金融に未来はあるか-ウォール街、シティが認めたくなかった意外な真実』) by ジョン・ケイ(John Kay)

*『Economic fables』(邦訳『ルービンシュタイン ゲーム理論の力』) by アリエル・ルービンシュタイン(Ariel Rubinstein)

*『The Blunders of Our Governments』(「われらが政府によるヘマの数々」) by アンソニー・キング(Anthony King)&アイバー・クルー(Ivor Crewe)(イギリスの例しか取り上げられていないが、非常に愉快な一冊であることは間違いない)



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