マーク・ソーマ 「『経済調査は再現可能? 基本的にノーだ。』」 (2015年10月6日)

Mark Thoma, ‘Is Economics Research Replicable? Usually Not.’, (Economist’s View, October 05, 2015)


Andrew ChangとPhillip Liの論文から:

『経済調査は再現可能なものなのか? 13の学術誌で発表された60本の論文に因れば、”基本的にノー” だ』 、著者C. ChangとPhillip Li、Finance and Economics Discussion Series 2015-083。ワシントン: 連邦準備制度理事会 [訳注1]: 概要 我々は、13の定評ある経済学誌で発表された67本の論文を論文著者が提供している追試用ファイルを利用し再現する事を試みた。尚、当該ファイルはデータ及びコードの双方を含むものである。我々がサンプルとした学術誌は、追試用データ及びコードのファイル提出を求めている幾つかのものと、この種のファイルの提出を求めていないその他のものとに分かれる。機密データを利用している6本の論文を除いて、我々はこの種のファイルの提供を雑誌掲載の条件として求めている35本の論文のうち29本 (83%) についてのデータ及びコードを入手できた。これに対し、追試用のデータ及びコードファイルの提出が必須とされてない論文については、26本のうち11本 (42%) に留まっている。我々が論文著者と連絡を取る事無く成功裏に再現できた重要定量的研究結果は、67論文のうち22本 (33%) である。機密データを利用している論文6本、及び我々が所持していないソフトウェアを利用している論文2本を除外すると、我々が論文著者と連絡を取る事で再現できたのは、論文59本のうち29本 (49%) である。我々が再現する事の出来た論文は、論文著者の助力が在った場合でさえ、サンプル全体の半分に満たなかった為、我々は経済調査は基本的に再現不可能なものであると主張するに至った。最後に、経済調査の再現可能性を向上させるべき事を推奨し、本論を結びたい。


 

訳注1. 元論文に引用する際の論文名表記についての註があり、本記事のこの部分もそれを踏まえた上での表記となっている様なので、元論文の註にしたがった表記を次に挙げて置く:
Chang, Andrew C., and Phillip Li (2015). “Is Economics Research Replicable? Sixty Published Papers from Thirteen Journals Say ”Usually Not”,” Finance and Economics Discussion Series 2015-083. Washington: Board of Governors of the Federal Reserve System,
http://dx.doi.org/10.17016/FEDS.2015.083.
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