マーク・ソーマ 「経済用語に込められた道徳的な意味合い」(2008年9月7日)

●Mark Thoma, ““The Moral Content of Economic Terminology in the Popular Press””(Economist’s View, September 07, 2008)


メディアでは、個別の経済用語に道徳的な意味合い――善(good)、悪(bad)、神聖なるもの(divine)、邪悪なるもの(evil)――が込められて経済問題が論じられる傾向にある。Bluematter.ブログでその例がまとめられているので、紹介しておこう。

対内直接投資: 善(いいこと)
経常収支の赤字: 悪(ダメなこと)
貿易赤字:破滅的な惨状(Catastrophic)
資本収支の赤字:メディアでこの用語が使われることはないが、おそらくは悪

弱い円 [1] 訳注;弱い円=円安=名目為替レートの減価:悪
輸出:
輸入:

住宅価格の上昇:
住宅価格の下落:悪
お手頃な住宅(Affordable houses) [2] 訳注;お手頃な住宅=住宅価格が安い。住宅価格が下落傾向にあると、住宅価格は安くなって、お手頃になるはずだけれど・・・。:善
手が出ない(値が張る)住宅(Unaffordable houses) [3] 訳注;手が出ない住宅=住宅価格が高い。住宅価格が上昇傾向にあると、住宅価格は高くなって、手が届きにくくなるはずだけれど・・・。:悪

自由貿易:善でも悪でもどちらでもない(Neutral)
歯止めなき自由貿易(Unfettered free trade):悪
フェアトレード:善
アウトソーシング [4] 訳注;国内の企業が業務の一部を外部(とりわけ、海外の企業)に委託すること:邪悪な行い(Evil)
地場産品の購入:神聖な行い(Divine)

給与の上昇:善
低金利:善
インフレーション:悪

共産主義:唾棄すべきもの(Very Bad)
社会主義:悪
資本主義:

References

References
1 訳注;弱い円=円安=名目為替レートの減価
2 訳注;お手頃な住宅=住宅価格が安い。住宅価格が下落傾向にあると、住宅価格は安くなって、お手頃になるはずだけれど・・・。
3 訳注;手が出ない住宅=住宅価格が高い。住宅価格が上昇傾向にあると、住宅価格は高くなって、手が届きにくくなるはずだけれど・・・。
4 訳注;国内の企業が業務の一部を外部(とりわけ、海外の企業)に委託すること
Total
0
Shares

コメントを残す

Related Posts