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タイラー・コーエン 「精巧な3Dの複製画はアート市場の撹乱要因となるか?」(2013年8月26日)

●Tyler Cowen, “Will accurate 3-D reproductions disrupt art markets?”(Marginal Revolution, August 26, 2013)


アムステルダムからこんなニュースが届いている。

オランダのアムステルダムにあるゴッホ美術館が最先端のコピー技術である3Dプリント技術を活用して所蔵するゴッホの秀作数点の「三次元」の複製画の作成に乗り出している。同美術館の館長を務めるアクセル・リューガー(Axel Rüger)氏は語る。「次世代の複製画と言えるでしょうね。3次元の世界に足を踏み入れたわけですから。素人目にはオリジナル(原画)と見分けがつかないことでしょう。ただし、素人でも絵に詳しいようであれば注意深く目を凝らせば見分けられるでしょうね」。

「三次元」の複製画のお値段は1点2万2000ポンド1。名画が印刷されたポストカードやポスターに比べると値が張るが、ロシアのオリガルヒ(新興財閥)やアメリカの億万長者が数千万ポンド払ってでも手に入れたいと思うような作品に接することができる機会を少しでも増やしたいというのがゴッホ美術館としての願いとのこと。

これまでに3Dスキャナーでの複製に成功した(ゴッホの)作品は以下の通り。『花咲くアーモンドの木の枝』(1890年制作)、『ひまわり』(1889年制作)、『収穫』(1888年制作)、『荒れ模様の空の麦畑』(1890年制作)、『クリシー大通り』(1887年制作)。ゴッホの全作品を網羅した3D版のカタログの作成も計画されているとのことだ。

パソコンの画面越しでは「三次元」の複製画の出来栄えを判断するのは難しいが、少なくとも現段階では騙されない(オリジナルと複製画を見分けられる)自信がある。50ドル賭けてもいい。仮に騙されるようでも(オリジナルと複製画の見分けがつかないとしても)、私には(複製画を手に入れるために)2万2000ポンドもの大金を払う気はないね。記事の全文はこちら。複製画も一点だけ紹介されている。そうそう。名画の精巧な複製が技術的に可能になった場合にどんな展開が予想されるかをタバロックとの共著論文でしばらく前に分析した(pdf)ことがあったっけ。

情報を寄せてくれたのはTed Gioia。ツイッター上でお気に入りの一人だ。

  1. 訳注;2013年8月当時の為替レートは1ポンド=150円前後だったので、1ポンド=150円で計算すると2万2000ポンド=330万円ということになる。 []

タイラー・コーエン「美術書ってどれくらい売れてる?」(2004年4月15日)

Tyler Cowen, “How well do art books sell?“(Marginal Revolution, April 15, 2004) 答えはシンプルだ。美術書はあまり売れない。写真集やハウツーものを除いて、2003年[アメリカで]最も売れた美術書はロス・キング著「システィナ礼拝堂とミケランジェロ(Michelangelo and the Pope’s … [Continue reading]

ビル・ミッチェル「量的緩和 101」(2009年3月13日)

Bill Mitchell, “Quantitative easing 101“, Bill Mitchell – billy blog, March 13, 2009. 一部の読者が私に「量的緩和について説明してほしい」というコメントをくれた。彼らも視聴したことだろうが、数日前のABC 7.30 Report … [Continue reading]

ファビオ・ロハス 「一家に一点 ~名画を我が家に~」(2004年5月30日)

●Fabio Rojas, “A Masterpiece in Every Home”(Marginal Revolution, May 30, … [Continue reading]

タイラー・コーエン 「人目に晒され過ぎたせいで魅力が損なわれた芸術作品」(2004年9月12日)

●Tyler Cowen, “Artworks ruined by overexposure”(Marginal Revolution, September 12, 2004) 洞察力に満ち溢れているジェームス・トウィッチェル(James Twitchell)が「人目に晒され過ぎた(目にする機会が多すぎる)せいで魅力が損なわれた芸術作品」のリストをまとめている。 1. レオナルド・ダ・ヴィンチ作の『モナ・リザ』 2. グラント・ウッド作の『アメリカン・ゴシック』 3. … [Continue reading]

タイラー・コーエン 「ヨーロッパの芸術作品の中で過小評価されている傑作四選」(2012年5月16日)

●Tyler Cowen, “Four underrated European masterworks”(Marginal Revolution, May 16, 2012) 1. ラヴェンナ(特にサン・ヴィターレ聖堂)のモザイク 2. モンレアーレ大聖堂:(イタリアの)シチリア島にあるノルマン建築様式の教会 3. マティアス・グリューネヴァルト作のイーゼンハイム祭壇画(所蔵先はフランスのコルマールにあるウンターリンデン美術館) 4. … [Continue reading]

タイラー・コーエン 「モナ・リザのモデルは誰?」(2004年6月28日)

●Tyler Cowen, “Who was the Mona Lisa?”(Marginal Revolution, June 28, 2004) モナ・リザのモデルはフィレンチェの裕福な絹商人の妻(リザ・デル・ジョコンド)。通説はそうなっているが、本当のところは恋煩いのミラノ公妃であったイザベラ・ダラゴナこそがモナ・リザのモデルに違いない。(オーストラリアの)アデレード在住の歴史家であるマイケ・フォクト=リュールセン(Maike Vogt- … [Continue reading]

タイラー・コーエン「レオナルド・ダ・ヴィンチって過大評価されてるんじゃない?」(2017年10月18日)

Tyler Cowen, “Is Leonardo da Vinci overated?“(Marginal Revolution, October 18, … [Continue reading]

フランシス・ウーリー 「フリマの経済学 ~同じ機種で色違いの中古の電話機。値段に差があるのはなぜ?~」(2013年8月23日)

●Frances Woolley, “Flea Market Economics”(Worthwhile Canadian Initiative, August 23, … [Continue reading]

タイラー・コーエン 「電話の歴史が投げかける教訓」(2004年5月10日)/「『The Phone Book』 ~アメリカの大統領の中でホワイトハウスの執務室に電話を初めて持ち込んだのは誰?~」(2010年11月30日)

●Tyler Cowen, “Telephone history: lessons for today”(Marginal Revolution, May 10, 2004) アメリカがマスメディアやテレコム(遠距離通信)の分野で世界を牽引するリーダー国になった経緯を知りたいと思ったことはあるだろうか? その疑問に真っ向から取り組んでいる出色の一冊がポール・スター(Paul Starr)の手になる『The Creation of the … [Continue reading]