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テイヴス&ヴェジーナ「人民の敵による長期的発展」(2021年9月23日)

Gerhard Toews, Pierre-Louis Vézina “Enemies of the peopleVOXEU, September 23, 2021

「人民の敵」とは、教育を受けたエリートであるというだけの理由でソビエト体制の脅威になるとみなされた数百万人の芸術家、エンジニア、管理職、教授たちだった。数百万人の非政治犯とともに、彼らはグラーグ、すなわちソヴィエト全土にわたる労働収容所制度へと強制的に移住させられた。本稿では、この暗い移住エピソードによる長期的な影響を検討する。これにより、人民の敵が収容者中に占める割合が高かった収容所ほど、今日においてその周辺地域が繁栄していることを企業の賃金水準や利潤、人口当たりの夜間光量から捕捉した。

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マーク・タイラー「19世紀のイギリス貴族とアメリカ成金の同類婚」

Mark Taylor “The Downton Abbey effect: British aristocratic matches with American business heiresses in the late 19th centuryVOXEU,  September 5,  2021

19世紀後半におけるイギリスの農産物価格の下落は、貴族に加え、土地を所有する「平民」の収入もまた縮小させた。良縁の結婚によって資金を得るという伝統を続けるため、イギリス貴族は大西洋の対岸であるアメリカの、多額の持参金はあるがアメリカ基準においてすら全く名門ではない女性相続人に目を向けた。本稿では、アメリカの大実業家の娘たちをイギリス貴族との結婚に導いた社会・経済的な力について検討する。


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アセモグル他「偽情報:戦略的シェア、類友、内生的エコーチャンバー」(2021年6月30日)

Daron Acemoğlu, Asuman Ozdaglar, James Siderius “Misinformation: Strategic sharing, homophily, and endogenous echo chambersVOXEU, 30 June 2021

偽情報(misinformation)はソーシャルメディアプラットフォームで急速に広がる。本稿では、オンラインにおけるコンテンツシェアのモデルを用い、コンテンツへのエンゲージメントを最大化したいと考えるソーシャルメディアプラットフォームは極端な記事を最も極端な利用者たちに広めることを示す。「フィルターバブル」は極端な考えを持つ人たち以外にそうしたコンテンツが広がることを妨げ、偽情報がぐるぐると流れるエコーチャンバーを作り出す。検閲とそれによるエンゲージメントの喪失の脅威によってプラットフォームが自らファクトチェックを行うよう圧力をかけることができる一方、彼らのアルゴリズムに対する規制もフィルターバブルによる効果を軽減することができる。

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ホアン・コスタ=フォント「ワクチン接種の社会的価値とインセンティブ」(2021年6月29日)

Joan Costa-Font “Social value and incentives for vaccine uptakeVOXEU, 29 June 2021

新型コロナワクチンは、個人の感染防御効果を越える大きな正の波及効果をもたらし、そのためその価値は費用を大きく上回る。しかし、こうした便益は十分な人数が2回接種を受けた場合にのみ実現するものであり、したがって政策決定者はワクチン接種忌避を緩和するための適切なインセンティブを確保する必要がある。本稿では、考えられる様々なインセンティブを検討したうえで、ワクチンを受けることによる社会からの敬意についてのナラティブを生み出すことが、広範なワクチン接種を確保するうえでの最も効果的な方法となりうると主張する。

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オーター他「家庭環境の悪さは女子より男子に響く」(2021年6月11日)

David Autor, David Figlio, Krzysztof Karbownik, Jeffrey Roth, Melanie Wasserman “Low-performing boys are particularly affected by family environmentVOXEU, 11 June 2021

初等学校においては、たとえば女子の方が男子よりも読解の成績が良い傾向にあったり、停学になるような問題行動を起こす可能性が低いなど、わずかなジェンダー格差が表れる。本稿では、アメリカのフロリダ州のデータを用い、こうしたわずかな格差がその後の学業成果においては、中等教育の修了や高等教育への進学・卒業といった大きなジェンダー格差へとなぜ変わるのかを検討する。幼少期の家族環境が男子に及ぼす影響は異なり、特に学校成績や出席率で下位に分布する男子ほどそれが顕著であることが分かった。

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ブランチャード & Pisani-Ferry 「もしコロナが続けば:その潜在的な経済への影響を探る」 (2021年3月12日)

訳者(サボりがち):原文が出てからもう2ヶ月以上経ってしまい、少なくなくともアメリカではワクチン接種が進んでもう少しでポスト・コロナ時代到来!というような感じにはなってきており、この翻訳のポストが遅すぎるだろと訳者自身感じるところではあるのですが、世界的にはまだまだそういう状況ではないですし(残念ながら日本も含めて)、アメリカだって安心しきってたらどうなるか分かりません。そもそもコロナ以外の疫病の流行もあり得るわけですし。なのでまだまだ(残念ながら)意味のある投稿と信じポストします。

 

我々著者は、Michael Kisterにはその優れたリサーチアシスタンスについて、Nicolas WoloszkoにはOECDデータに関するガイダンスについて、Laurence Boone、Philippe Martin、Guntram Wolff、およびPIIEの同僚には初期ドラフトへのコメントと批判について感謝する。

 

2020年初頭にCOVID-19の危機が広がった時、その影響を予測しようとした多くの経済学者達は、一度のショックの後にはいずれ、元々の状態に近いものが戻ってくると予想していた。その後、ワクチンの製造にかかる時間や経済的な打撃の程度については見解が分かれるようにはなったものの、この数カ月前までは、公衆衛生関係者以外でパンデミックが大規模に持続する可能性を真剣に考える人はほとんどいなかった。

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Ball et al.「アメリカのインフレ率:離陸確実か?」(2021年5月7日)

[Laurence Ball, Gita Gopinath, Daniel Leigh, Prachi Mishra, Antonio Spilimbergo, “US inflation: Set for take-off?” VoxEU, May 7, 2021]

いまアメリカで進行中の財政拡大はどこまでインフレを押し上げると見込まれるだろうか? 本コラムでは,次のことを示す新たな証拠を提示する――すなわち,COVID-19 危機がはじまって以降,これまでのところ,消費者物価指数 (CPI) の基調(加重中央値)は安定して下がってきている.これは,歴史的なフィリップス曲線の関係からおおむね予測されるとおりだ.一部の論者が予測するように進行中の財政拡大によって失業率が 1.5%~3.5% に下がったら,2023年までにインフレ率の基調は約 2.5%~3% にまで上がりうる.財政拡大が一時的なものにとどまり,金融政策が引き続き断固としたものでありつづけ,明快にこれが〔世間に〕伝えられつづければ,1960年代タイプのインフレスパイラルのリスクはほぼないにひとしい.
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ポール・クルーグマン「マンデルとマンデル」(2021年4月12日)

概要:ノーベル賞受賞者のロバート・マンデルが2021年4月4日に亡くなった。このコラムではポール・クルーグマンが、現代の国際マクロ経済学においてもまだその基礎であり続けているマンデルの初期の画期的モデルから、学者の間で物議をより醸したが影響はより小さかった後期の見解まで、経済思想と政策に関するマンデルの貢献の変遷を説明する。またクルーグマンは、ケインジアンの分析を開放経済に持ち込み、そして通貨圏を作る際の困難なトレードオフに光を当てたマンデルが、サプライサイド経済学とユーロの両方の生みの親とみなされるようになったことについても一つの説明を提供してくれている。

(訳者:原題は The Mundell Difference。何かにかけて初期と後期のマンデルの違いに触れたタイトルだと思いますが、その何かが何なのか分からないので上記のタイトルにしました。)

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Björkegren, Lindahl, Palme & Simeonova なぜ教育のある親の子供達は健康なのか:環境要素と遺伝要素 (2021年3月11日)

VoxEUのコラムの翻訳です。

裕福な家庭の子供達は貧しい子供達よりも健康的である事がおおいことはよく知られている。しかしそういった健康状態の原因が遺伝的なものか環境的なものなのかを区別するのは依然として困難だ。我々はスウェーデンの子供達についての大規模なデータを用いて、遺伝上の親に育てられた子供達と養子となったものたちを比較し、両親の教育水準と子供達の長期的な健康状態との間のつながりは、認知・非認知スキルの形成から健康に関連する生活習慣といった媒介要因によるものである事、そして主たる要因は子供達の人的資本への投資である事を発見した。

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Aghion et al. 「経済成長を確実にするべくゼロCovid-19を目指す」(2021年3月31日)

[Philippe Aghion, Patrick Artus, Miquel Oliu-Barton, Bary Pradelski, “Aiming for zero Covid-19 to ensure economic growth,” VoxEU, March 31, 2021]

【要旨】 パンデミックが1年以上も続くなかで,健康と経済のトレードオフはないことがはっきりしてきた.パンデミックの管理に成功をおさめるかどうかは,コロナウイルスのない安全地帯をめざしこれを守るかどうかに左右されてきた.本コラムでは,迅速な駆逐戦略を選択することで世界の数カ国はウイルスを制御下においたことを論じる.そうした国々は,死者数と不確実性を最低限におさえることでこれに成功し,いまやすでに経済の再建をすすめている.これと対照的に,大半の欧州諸国はストップ・アンド・ゴーの論理にしたがった.だが,ストップ・アンド・ゴーの方がより〔人々の自由への〕制限が強く,より危険で,経済への打撃がより大きかった.
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