[Manuel Funke, Moritz Schularick, Christoph Trebesch, “The cost of populism: Evidence from history,” VoxEU, February 16, 2021]
【概要】過去20年間でのポピュリズムの台頭を受けて,その原動力に関する研究が大いに行われてきた.だが,ポピュリズムの経済的・政治的な帰結については,それほどよく知られていない.本コラムでは,1900年までさかのぼるポピュリズムに関する包括的・国家横断的なデータベースを用いて,歴史的・長期的な視座を提示する.本稿では次の点を示す:(1) ポピュリズムには長い歴史があり,〔同じ国で〕連続して存続し続ける性質をもつ――ひとたびポピュリストに統治されると,その国では将来に別のポピュリストが権力を握る見込みがずっと大きくなる; (2) ポピュリスト体制は消費と産出が長期的に顕著に低下して経済的に高くつく; (2) ポピュリズムは政治に混乱をもたらし,不安定と制度の腐敗を促進する.本稿の分析からは,ポピュリズムが今後も存続することが示唆される.
[Read more…]