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タイラー・コーエン「人工子宮って政治的に左っぽい?右っぽい?」(2022年1月20日)

[Tyler Cowen, “Are artificial wombs a left-wing or right-wing proposal?” Marginal Revolution, January 20, 2022]

〔※訳者の補足: イーロン・マスクが人口減少について発言したツイートを発端に,「人工子宮が実現したら子供をつくりやすくなる」「男女の負担の差がなくなる」etc. のネタがひとしきり盛り上がっていた流れでの文章です〕

一方では,人工子宮は出生主義寄りだから,右っぽい.

他方で,人工子宮は(うわべだけは?)フェミニストっぽい.つまり女性の負担を軽減するわけだからね.その点で,左っぽい.
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アレックス・タバロック「体験じゃなくモノを買え!」(2022年1月15日)

[Alex Tabarrok, “Buy Things Not Experiences!” Marginal Revolution, January 15, 2022]

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モノじゃなく体験を買うべきだって考えがよく言われるようになったけれど,根拠をよく考えてこれに反論してるいい文章を Harold Lee が書いてる:
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アレックス・タバロック「マリファナはGDPを押し上げるか」(2022年1月5日)

Alex Tabarrok “Does Pot Contribute to GDP?” Marginal Revolution, January 5, 2022

タイラーと私が教科書の中で説明しているように、GDPは1国において1年間で生産された全ての最終財とサービスの市場価値の総和だ。そういうと簡単に聞こえてしまうが、常にそうであるように白黒の間に位置する事例があり、その中には違法な財をGDPの計算に入れるか否かといったものも含まれる。定義にしたがえば、違法な財はGDPの計算に入れるべきだ。しかし実際においてはそうされていないことが多い。理由のひとつは、違法な財を計算に入れることがそうした財を承認するシグナルを送ってしまう(あるいは計算に入れないことで不承認のシグナルを送る)と考える人がいるというものだが、それ以外にも違法な財の市場価値を計算することが難しいという理由もある。経済分析局(BEA)が麻薬の売人と売春婦に対して彼らの財とサービスの価格を調査すると思うかね?

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アレックス・タバロック「大学は学生をキャンパスに戻す責任がある」(2022年1月6日)

Alex Tabarrok “On the Responsibility of Universities to their Students Marginal Revolution, January 6, 2022

エミリー・オスターがThe Atlanticに次のように書いている

たくさんの大学が少なくとも1月の一定期間についてリモート学習への切り替えを発表している。その中にはUCLA、コロンビア、デューク、イエール、スタンフォード、ミシガン州立のほか、さらに多くの大学が名を連ねる。

オミクロン株の急速な伝播への対応であるこうした動きは、実質的にすべてのアメリカの大学が対面学習を中止し、春休みのために学生を家に帰し、彼らに対して戻ってこないよう告げた2020年3月の再来のようだ。あの時点では学生をキャンパスから遠ざけることは筋の通った話だった。しかし、今回の決定は誤りで、周回遅れの警戒レベルを反映したものだ。さらに、これは自らの学生の利益を守ることに大学が失敗したことを表すものでもある。

同意だね。私はオンライン教育の大ファンではあるけれど、相当な資金を投じて何年もかけて構築したオンライン教室(MRU1 のクラスのように)と、Zoomでの授業を教師に放り投げるのとでは大きく違う。大学は楽しくあるべきだ。他の人たちと会うのは教育の一部だ。オンラインは素晴らしいが何につけてもというわけではない。

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  1. 訳注;Marginal Revolution Universityの略で、Marginal Revolution運営者のアレックス・タバロックとタイラーコーエンが運営している経済学のオンライン講義 []

タイラー・コーエン「今日の事実:日本編」(2022年1月11日)

[Tyler Cowen, “Japan facts of the day,” Marginal Revolution, January 11, 2022]

同調査によれば,海外で働いたり学んだりしたい人々,日本で外国人と働きたい人々,外国語を学びたい人々の数は昨年に比べて減少した.とりわけ顕著な点を挙げれば,「仕事で英語を使いたい」人々の割合は2020年のピークから 10.6ポイント下がって,38パーセントとなった.

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ビル・ミッチェル「MMTと『力関係』について- Part 2」(2021年6月10日)

Bill Mitchell, MMT and Power – Part 2”, Bill Mitchell – Modern Monetary Theory, June 10, 2021

〔Part1はこちら。〕

本エントリは、「現代貨幣理論(MMT)と力(power)」というテーマで展開しているシリーズのPart 2である。「MMTは、〔制度的または社会的な〕力関係(power relations)を説明していないから不完全な理論である」という主張をよく目にする。

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タイラー・コーエン「どうして会議ってあんなダメなんだろう?」(2022年1月3日)

[Tyler Cowen, “Why are meetings so bad?” Marginal Revolution, January 3, 2022]

Andrew Alexander が疑問を書いてる

どうして会議ってあんなダメなんだろう? 会議について言われる批判は,だいたい決まっている(e.g. 目的があやふや,時間の浪費,リーダー格によるプレゼンや司会進行のおそまつな技術).そういう批判の大半は,おおよそ正確だ.会議がロクでもない理由がそこまでおなじみのものになっていて,しかもダメである理由も正確にわかってるんだったら,どうして会議がいまだにダメなんだろう?

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ステファニー・ケルトン「MMT≠QE:量的緩和も『お金を刷れ』もMMTではない」(2021年8月26日)

Stephanie Kelton, “MMT≠QE”, The LensAug 26, 2021

MMTは、政府のために中央銀行に「お金を刷らせる」という話ではないし、一度もそんな話はしていない。

もうすぐ授業を始めないといけないが、昨日話題になっていたメディアの切り抜き動画について、さっとコメントしておきたいと思う。

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ノア・スミス「2022年に向けてのテクノ楽観主義」

[Noah Smith, “Techno-optimism for 2022,” Noahpinion, December 8, 2021]

いまわくわくしてなきゃおかしい技術の展開

去年,このブログをはじめたとき,これはテクノ楽観主義のブログだよって明言しておいたんだけど,このところその看板からちょっとばかり遠ざかってしまった気がしてる.べつにテクノロジーについて前ほど楽観的でなくなったわけじゃない.ただ,経済政策だとか社会不安だとか中国経済だとかコロナウイルスだとかの話題についついうっかり注意をそらされてただけだ.でも,ここであらためて,初心に立ち返ってみたい.
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タイラー・コーエン「Airbnbでの民族差別」(2021年12月31日)

[Tyler Cowen, “Ethnic discrimination on Airbnb,” Marginal Revolution, December 31, 2021]

本研究では,Airbnb から得られたデータを使用して,民族的少数派ホストに対する差別の根底にあるメカニズムをつきとめる.同じ居住地域内で,民族的少数派集団のホストたちは同等の宿泊物件よりも請求金額が 3.2 パーセント少ない.〔利用者による宿泊先の〕レイティングにより宿泊客たちは物件の質についてますます豊かな情報をえられるようになっているため,統計的差別の寄与分を計測できる.これは Altonji & Pierret (2001) の先行研究にもとづく.本研究では,民族による価格差がすべて統計的差別で説明されうることを示す:すなわち,かりに観測不可能なものがすべて明らかにされれば,民族による価格差は消失するだろう.また,当初の民族別の価格差のうち 4分の3(2.5ポイント)はホストたちの集団としての平均的な質に関してユーザーが抱いている不正確な信念に帰せられうる.

上記は Morgane Laouénan & Roland Rathelot による新しい論文 (AEA) からの抜粋.