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タイラー・コーエン「幸福と政府の質」(2020年4月8日)

[Tyler Cowen, “Happiness and the quality of government,” Marginal Revolution, April 8, 2020]

John F. Helliwell, Haifang Huang, and Shun Wang の論文から抜粋:
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サイモン・レン=ルイス「財政ルール: 財政のための手引き」(2020年3月9日)

[Simon Wren-Lewis, “Fiscal rules: a primer for the budget,” Mainly Macro, March 9, 2020]

財政ルールに債務の GDP 比や債務金利その他のストックの数値を含ませるべきでないのはなぜか,公共投資は財政ルールの一部となるべきでないのはなぜか――こうしたことを知りたい読者は,ぜひ続きを読んでほしい.ただ,その前にまずは2つの重要な原則を立てておかないといけない.
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ビル・ミッチェル「日本式Q&A – Part 4」(2019年11月11日)

Q&A Japan style part4
Posted by Bill Mitchell on Monday, November 11, 2019

このエントリは最近の私の日本旅行で提起された4部構成のQ&Aシリーズのラストである。このエントリでは、たった1つだけの質問に答えている。解答は、政府(の金融部門)と中央銀行の関係の核心に触れることで、〔中央銀行〕準備預金の複雑な会計処理を説明している。よって、学習のためには幾ばくかの前提知識が必要となっている。現代貨幣理論(MMT)に関する今回の一連の質問は、最近の私の日本旅行中に提起されていることを思い出して欲しい。日本におけるMMTに関する公での議論は(他国と比較すれば)相対的に進んだものとなっている。日本では、広範な政治領域にまたがって政治運動家達が、緊縮財政に反対を表明する有力な手段として、MMTを議論し宣伝している。MMTの基礎原理は、日本では他国と同じように十全に理解されているので、議論はより詳細な質問(特に政策への適用)に移行している。よって今回の来日の一端として、こうした論点に関するガイダンスを提供することを求められた。私は発表でこれらの論題を取り扱っている。しかしながら、誰もがMMTの理解を深められるよう、いくつかの分析を文面で提供することが生産的だと考えた。 [Read more…]

サイモン・レン=ルイス「いまだに緊縮はよい考えだったと思う人なんているだろうか?」(2020年4月7日)

[Simon Wren-Lewis, “Who still thinks austerity was a good idea?” Mainly Macro, April 7. 2020]

〔こんな新聞記事を想像してみよう〕もうすぐ2020年も秋を迎える.検査/追跡・隔離の新体制がとられ,一部地域がときおり封鎖されている.これはうまくいっているようだ.経済は,第2四半期に前年比 30% の GDP 下落のあとに回復し始めている.だが,この景気回復はメディアが伝えているものとは異なる.GDP の減少と政府による支援策実施にともなう当然の帰結として,政府の財政赤字は大幅に増えた.メディアはもっぱらこの赤字について語っている.こうしたメディアの懸念に対応して,政府は今後5カ年にわたって政府支出を削減すると公表する.ただし,国民保健サービス (NHS) は「守られる」とのことだ.
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タイラー・コーエン「隔離生活で地位追求はどう変わる?」(2020年4月6日)

[Tyler Cowen, “How does isolation change status-seeking?” Marginal Revolution April 6, 2020]

――というのが,『ブルームバーグ』の新コラムの話題だ.抜粋しよう:
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ピーター・ターチン「イタリアは峠を超えた:公衆衛生政策はCOVID-19を止めるのにどのくらい効果的か? その2」(2020年4月1日)

Italy Turns the Corner
Posted by Peter Turchin on April 01, 2020

〔訳注:本エントリはコロナ危機を分析しているピーター・ターチンによる一連のエントリの第2回目のエントリである。分析の基礎なっているモデルは第1回目のエントリ「公衆衛生政策はCOVID-19を止めるのにどのくらい効果的か」で説明されている。最初のエントリを読んでない読者は、このエントリを読む前に第1回から順番で読むことを推奨する。〕

先週、私はイタリアにおけるCOVID-19の流行を分析したが、非常に気が滅入るような結果が出た。政府があらゆる政策を行ったにもかかわらず、その政策が変化をもたらしている兆候が見られなかったからだ。感染症の流行はまだ指数関数的に拡大しており、感染症がもたらした総死亡者数に悲惨な影響を及ぼしていた。

様々な国におけるCOVID-19の動態を追跡している私のアプローチは、専門的な公表文献で解説しており、専門的でないものとしてはブログの前回のエントリ「公衆衛生政策はCOVID-19を止めるのにどのくらい効果的か」で解説を行っている。

イタリアは、より最近のデータ(3月31日まで)で分析を再度行うことで、非常に楽観的な結果が得られる。今やイタリアは峠を超えたハッキリとした兆候が見られる。結果は以下のとおりである。

変化の最も目立つ兆候は、新規感染者の減少だ。あまり目立たないが、他のグラフの曲線も下降を開始している。この動態の変化は、主に病気の伝染率の低下によってもたらされている。

流行の開始時(2月初旬)では、感染率(beta)はほぼ0.4であり、これは感染者数が日々ほぼ40%増えていたことを意味している(しかしながら、この爆発的な上昇率は一般の人々や政策当事者には見えていなった。下記参照)。感染率(beta)の低下は非常に緩慢でゆっくりしたものだった(グラフの変曲点は3月13日だ)。これは、国民の行動を変えるたために、イタリア政府は勧告を行ったが、行動が変わるまで時間がかかったことが示唆されている。このことは、逸話的にも知られている。3月21日になっても、中国紅十字会の孫碩鵬副会長は「ここミラノでは(中略)、公共交通機関は運行を続け、人々は動き回り、ホテルではディナーやパーティーが続き、マスクもしていない。皆、なにを考えているのか理解できない」と話したと報じられている。さらに面白いのが(このような困難な時期にはユーモアが必要だ)、イタリアでは小さな都市の市長たちが、ロックダウンに逆らう市民に怒り狂っている動画が、最新のYoutubeでバズっている。疑いようもなく状況が深刻になったことは(今日の時点で13,000人の死者が出ている)やっとのことでイタリア人を自覚に至らせている。感染率は低下してきているーーゆっくりとだ、それでもイタリアは正しい方向に向かっている。

2番目のグラフ(右側)に注目してほしい。我々皆が知っていることが、定量的に示されている:初期検出率(認知された感染者の確率)は低位から始まり、その後上昇している。これが意味しているのは、報告された数値を単に使用するだけでは、流行の動態を正確に追跡できない、ということだ。検出率の上昇(最初に、流行の渦中にあると人々が幅広く認識したことが原因となり、引き続いて無症状の人を対象にした大規模な検査が行われた結果)で、新規患者数が増加することになり、感染率が人為的に上昇する。実際に何が起こっているのかを観察するためには、この検出率の変化を除去する必要がある。私のモデルはこの除去作業を行っている。

追加のデータが入り次第、分析結果の報告を続ける予定だ。実は、ニューヨークのデータを扱いたかったのだが、ジョンズ・ホプキンス大のチーム(データを纏めて更新してくれている彼らには大いに感謝している)がアメリカのデータの報告方法を変更したので、昨日は扱うことができなかった。

ピーター・ターチン「公衆衛生政策はCOVID-19を止めるのにどのくらい効果的か」(2020年3月23日)

[Peter Turchin, “How Effective Are Public Health Measures in Stopping Covid-19?“, Cliodynamica, March 23, 2020]

読者の多くが知っているように、私はウィーンにあるComplexity Science Hub (CSH)で研究グループのリーダーの地位を引き受けることになった(同時に引き続きコネチカット大学の教授でもあるので、今私はコネチカットにいる)。

1週間前、オーストリア政府はCSHにCOVID-19の流行に対応するより良い政策を策定する助けになるような研究を行うように依頼した。それに、私は政府が実際に科学者に手助けを求める(そして、そのような手助けをすぐに行うことができる研究機関をもっている)ことはとても素晴らしいことに思える。いずれにせよ、CSHは一旦他の研究をやめて、全ての研究能力を我々の社会が直面するコロナ危機に対処することに用いることにした。

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ドレシェル&カレムリ=オズカン「雇用を守るため中小企業にマイナス税を支給せよ」

Thomas Drechsel, Sebnem Kalemli-Ozcan “Standard macro and credit policies cannot deal with global pandemic: A proposal for a negative SME taxVOXEU, March 24, 2020

新型コロナウイルス・パンデミックでは,経済を支援する強力な政策介入が必要だ。本稿では,中小企業に対する給与総額に基づくマイナスの定額税の費用とコストについての推定を示す。従業員500名未満の全ての企業の給与総額を3か月に渡ってまかなう政策により,アメリカの6,100万が恩恵を受けることができ,その費用はGDPの3%である。

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タイラー・コーエン「世界はストレス下の心理測定を実施中」(2020年3月27日)

[Tyler Cowen, “The world is running a disturbing psychometric test,” Marginal Revolution, March 27, 2020]

小さなお子さんがいる人たちは(それほど小さくないお子さんがいる人たちも)除外して,人々を観察してみよう.今回のパンデミックで生産性が加速してるだろうか,それとも,生産性がガタガタになってるだろうか.そこを見れば,その人がストレスにどう対処できるかを計る物差しになる.それに,苦しい状況ですばやく適応して仕事を進める必要がある大きなプロジェクトやスタートアップをやろうというとき,その人が信頼できるかどうかをはかる物差しにもなる.
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アレックス・タバロック「忘れられた1957年パンデミックと景気後退」(2020年3月24日)

[Alex Tabarrok, “The Forgotten 1957 Pandemic and Recession,” Marginal Revolution, March 24, 2020]

1957年のアジアインフルエンザ・パンデミックでは,アメリカ国内で7万人~10万人の死者が出た(57年インフルエンザは COVID-19 ほど感染率も死亡率も高くなかった).1957年の第4四半期に,経済成長率(年率換算)は -4% になり,翌58年の第1四半期には -10% まで落ちた.これは,第二次世界大戦後では最大の成長率低下で,のちの金融危機のときよりも大きい.だが,1958年の第3~第4四半期に成長率は大きくもどして 10% 近くにまで上がった.通年でみると,GDP の低下は 1% 未満となっている―――悪い景気後退にはちがいなく,第二次世界大戦後では3番目に深刻ではあったけれど,前例がないような景気後退ではなかった.
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