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ブランコ・ミラノヴィッチ「『資本主義だけ残った』:ブルガリア語版出版記念インタビュー」(2020年12月26日)

On “Capitalism, Alone”: A conversation
Saturday, December 26, 2020
Posted by Branko Milanovic

この記事は、ブルガリア語版『Capitalism, Alone』〔邦題『資本主義だけ残った――世界を制するシステムの未来』西川美樹訳、みすず書房、2021年〕の出版に際して、セガ新聞に寄せたインタビュー記事だ。ブルガリア語での記事はこちら

1. ユーゴスラビアで育ち、ベオグラード大学で博士号を取得したことは、あなたの世界観やあなたの研究にどのような影響を与えてきたと思いますか。

私に影響を与えたのは、主にユーゴスラビアの非同盟外交政策だったと思います。イデオロギー的な動機から学校で教えられたことの中にも、非同盟、つまり反帝国主義や反覇権主義(これはソ連のこと)に重点を置いたものがありました。このおかげで、私たちは世界の非ヨーロッパ圏にも心を開き、関心を持つことができたのです。全員に同じ影響があったわけではないでしょうが、私は10代の頃ですら、とても政治的でとても「第三世界主義(Tiermondiste)1 」的でした。私が知る限り、セルビアや旧ユーゴスラビアの他の地域の学校では、今では同じような考え方が見られず、残念に思うことがあります。現在は、欧州連合(EU)という形のヨーロッパ中心主義が支配的で、ヨーロッパ以外への関心が抑圧されています。 [Read more…]

  1. 訳註:米ソに与しない国々の団結を推進する考え方 []

アレックス・タバロック「臓器移植もインセンティブ付けしよう」(2021年6月15日)

Alex Tabarrok “Incentives for Organ DonationMarginal Revolution, June 15, 2021

ワクチン接種と引き換えに宝くじを配るというのはかなりうまくいっているよう1 。インセンティブを利用できるものとしてほかに何があるだろうか。臓器提供のためのインセンティブを試すべきという腎臓外科医のアーサー・メタスの論考をアル・ロスが送ってくれた。

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  1. 訳注;ワクチン接種と宝くじに関するMarginal Revolutionの過去記事の和訳はこちら(optical_frog氏訳) []

タイラー・コーエン 「一番安全なのは何食を出してるレストラン?」(2020年3月14日)/スコット・サムナー 「レストランでテラス席を選ぶ理由」(2020年8月25日)

●Tyler Cowen, “Which are the safest restaurants to eat in?”(Marginal Revolution, March 14, 2020)


科学的な調査結果の裏づけがあるわけじゃなくて、あくまでも個人的な印象に過ぎないと断っておくが、身の安全(健康への影響)を重視するなら、母国がコロナウイルスでトラウマになるような経験を味わっていて、加熱処理が施されている料理を提供しているレストランに行くのがいいんじゃないかと思う。母国が辛酸をなめていることもあって、リスク(コロナの感染リスク)に相当真剣に向き合っているだろうからね。その一方で、コロナ対策がなおざりな国から輸入されていて、加熱処理されていないサラダを出しているレストランは避けといたほうがいい。

言い換えると、中華料理が一番安全だろうと思われるのだ。さらには、中国から(アメリカへ)の入国が制限されていることもその根拠の一つに加わるだろう。というのも、母国(中国)でコロナに感染したコックやウェイターが店内にいる可能性は(入国が制限されていることもあって)極めて小さいからね。翻って、イタリアからの入国は今のところは制限されていないし、空港で細かいチェックがされてるわけでもない。

さらに付け加えておくと、中華レストランは(『密』じゃない)郊外にあることが多いし、一つのテーブルに詰め込まれる客の数も少なめだ。

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●Scott Sumner, “Why I dine outside”(TheMoneyIllusion, August 25, 2020)


レストランで食事をする時は、これまでとは違って、屋外(テラス席)で食べるようにしている。どうしてかって? 韓国で起きた出来事がその理由を説明する助けになってくれるだろう。

新型コロナウイルスに感染した女性がソウル近郊にあるスターバックスの店舗を訪れてから数日後に、その場に居合わせた他の顧客27人が新型コロナ検査で陽性であることが判明した。しかし、マスクを着用していた従業員4名は感染を免れた。

韓国の北部にある坡州(パジュ)市で起きた今回の集団感染は、新型コロナウイルスが狭い屋内空間でいかに急速に拡散し得るかを示す新たな事例であると同時に、感染を最小限に抑えるためのヒントを提示してもいる。マスク着用の効果については世界中の保健当局の間でも未だに論争が続いているが、店内にはエアコンが取り付けられていたにもかかわらず27人が集団感染してしまったわけであり、マスクの着用を義務付けることが新型コロナウイルスの拡散を抑える一助になる可能性を指し示していると言える。

レストランだったり商店だったりに入店する時は、マスクは勿論着けている。でも、マスクを着けたままでは食事できない。だから(マスクを外しても比較的安全な)屋外で食べる、というわけだ。

(追記)韓国では、コロナの感染率はかなり低い。そのことを踏まえると、27人はそれぞれ別の場所で別の時刻に感染したわけじゃなく、同じ場所で同じ時刻に感染した――つまりは、件のスターバックスの店舗で感染した――可能性が高い。ところで、マスクを着用していた従業員4名は今のところはまだ誰もコロナに感染していないようだ。

タイラー・コーエン 「危機の最中に読むべき本は?」(2020年4月1日)

●Tyler Cowen, “What should you read during the crisis?”(Marginal Revolution, April 1, 2020)


アグネス・カラード(Agnes Callard)がニューヨーク・タイムズ紙で次のように述べている

他の多くの人たちと同じように、私もここのところ「終末もの」の本だとか映画だとかに引き寄せられつつあることに気付く。それに加えて、「終末もの」のフィクションから距離をとって接するのがコロナ禍前よりもずっと難しくなっていることにも気付く。

何かやましいことがあれば、そのことについて後ろめたく思いたい。何かおっかない出来事に遭遇したら、恐がりたいって思う。つまり何が言いたいかというと、何か悪い事が起きたら、苦しみたいと思うのだ。思うだけじゃなく、実際にも苦しみを味わおうとするし、苦しみの種をあえて探し出そうとさえしてしまうのだ。

『第七の祈り』『処女の泉』(いずれもイングマール・ベルイマンが監督した映画)を見返したばかりということもあって、カラードの主張にもある程度は同意するが、完全同意ってわけじゃない。以下に、私なりの考えをいくつか述べさせてもらうとしよう。 [Read more…]

タイラー・コーエン 「ロバート・ブラウニング、イングマール・ベルイマン、コロナ禍における娯楽」(2020年3月16日)

●Tyler Cowen, “Robert Browning and Ingmar Bergman in a Bloomberg column”(Marginal Revolution, March 16, 2020)


バーに通ったり、コンサートに出かけたり、はたまたマラソンを走りに出かけたりする聞かん坊たちがいることを思うと、コロナ禍において自宅でも楽しめる娯楽をどうやって提供するかという問題を何とかして解く必要がある・・・ってなことをブルームバーグに寄せた拙稿で論じたばかりだ。

第二次世界大戦時のエンタメ業界の状況を振り返ると、教えられるところが多い。当時、米政府はハリウッドが陽気な映画を制作するのを強力に後押ししたし、役者を徴兵しようともしなかった。メジャーリーグ(プロ野球)は当時の国民的な娯楽だったが、戦争中も従来通りにレギュラーシーズンだけでなくワールドシリーズ(優勝決定戦)も開催された。テッド・ウィリアムズをはじめとして一流選手の中には兵役につくことになった面々もいたが、空いた穴を埋めるかのように代わりがちゃんと出てきた。当時の米政府は、戦争というドラマだけでは国民の欲求(ドラマを求める欲求)を満たしきれないってことがわかっていたのだ。

コロナ禍の中では、エッセンシャルワーカー以外のみんなに自宅待機をどうにかして続けてもらうことが課題となる。しかし、自宅にいるのがあまりに退屈だと、外出できないイライラが募ってきて、やがては町に繰り出す人が続出する可能性がある。自宅でじっと我慢しておくべきなのに、大勢で集まってワイワイやり出す可能性がある。新型コロナウイルスの被害を最小限に抑えるためにも、国民の心身を健康に保つためにも、気晴らしになる娯楽をどうやって提供するかという問題を解くことは極めて大事なのだ。

最悪極まりないシナリオは、コロナウイルスそれ自体――コロナの感染状況だったり、国のお偉方なり有名人なり隣人なりのコロナへの反応だったり――が一番の娯楽となることだ。 コロナ禍という名の「現在進行形のホラーショー」を鑑賞しているうちに正気を失い、政治に対してますますシニカル(冷笑的)になっていく観客たち・・・。最悪、そうなってしまう可能性があるのだ。

不満やら恐怖やらに苛(さいな)まれる事態を避けるために、私なりにささやかな提案がある。従来からあるエンタメにちょっとだけ手を加えて、コロナウイルスを寄せ付けないエンタメに作り変えればいいのだ。

Twitterで見かけた意見だが、どこかのケーブルテレビ局が数ヶ月限定でネット配信を無料で見れるようにしてみるっていうのはどうだろう? そう言えば、メトロポリタン・オペラが無料でネット配信を始める予定らしいね。

続きをもう少しだけ引用しておこう。

あるいは、NBA(米プロバスケットボール)のファイナル(優勝決定戦)もどきをやってみるっていうのはどうだろう? ちゃんと実力のあるチームを選んで、選手全員にPCR検査を実施する。そして、辺鄙(へんぴ)なところにある大学の体育館に選手たちを隔離する。試合時間は従来よりも短くして、テレビカメラマンを一人だけ中に入れて、試合の模様をテレビで放映するのだ。公けのイベントがどれもこれも中止されていることもあって、視聴率もおそらくは史上最高値を記録するだろうし、この上ないドラマを味わえるだろう。決して忘れられないファイナルになるだろうし、観ている側の気持ちの高ぶりもあってプレイの質もそりゃもう格別に見えることだろう。

ワシントン・ポスト紙の記者であるベン・ゴリバー(Ben Golliver)がNBA向けのコロナ対策を提案しているので、あわせて参照されたい。

タイトル詐欺で申し訳ないが、ブラウニングベルイマンの話はここでは引用していない。気になるようなら、冒頭で貼ったリンク先に飛んでもらって、全文に目を通してもらえたらと思う(ただし、ベルイマンの話題はイースターエッグみたいにどこかしらにひっそり潜ませてあるので要注意)。そう言えば、チェスの候補者トーナメントは予定通り開催されるみたいだね。何週間かは全試合ネットで無料で見れるから、www.chessbomb.comをチェックしてみるといい。確か火曜日から始まるんじゃなかったっけ。

「外に出ちゃいけません!」って説教するだけじゃうまくいかないだろう。家に閉じ篭(こも)っていても楽しめるようにする必要があるのだ。

タイラー・コーエン 「『コンフォート・フード』の人気が再燃?」(2020年4月26日)/「『コンフォート・ミュージック』への回帰?」(2020年4月28日)

●Tyler Cowen, “Comfort foods make a comeback”(Marginal Revolution, April 26, 2020)


大手の食品メーカーが手掛ける「コンフォート・フード」(comfort foods)1人気が再燃しているコロナ禍の中で、消費者が馴染みやすさと利便性を追い求めているのがその一因と見られている。

大手の食品メーカーの加工食品よりも、新鮮な食材や特産品、あるいは、小売店が独自に販売する安価なブランド。消費者の近年の好みの傾向はそうなっていたが、大手の食品メーカーの幹部が語るところによると、ロックダウン(都市封鎖)の発令により自宅で食事をする機会が増えたのに伴って、冷凍ピザ、パスタソース、マカロニ&チーズの売り上げが伸びているという。

世界最大の食品メーカーであるネスレが金曜日に発表したレポートもここのところのトレンドを裏付けている。ディジョルノ・ピザ、ストファーズの冷凍食品、ホットポケット・サンドイッチの売れ行きが好調で、既存事業の第1四半期の売上高が伸びに伸びているというのだ。ネスレの子会社ブランドであるトール・ハウスやカーネーションのベーカリー製品(クッキーなど)の売れ行きも好調だという。

調査会社大手のニールセンがまとめたレポートによると、(2020年)4月11日までの1週間の間に、米全土でのスープの売上高は37%増、肉の缶詰の売上高は60%増、冷凍ピザの売上高は51%増をそれぞれ記録しているという。

「消費者が不安を感じたり恐怖にさらされると、大手メーカーが勢いを取り戻すというのはこれまでに何度も繰り返されてきたパターンです」と語るのは、ユニリーバのCEOを務めるアラン・ヨーペ氏。大手メーカーの巻き返しは今後数年は続くのではないかとも付け加える。

全文はこちらだが、どのくらい一般的な現象なんだろうね? 食品以外の分野でも似たような傾向が見られるんだろうかね? 例えば、本(小説)の話になるが、分厚い古典の売り上げが伸びてるっていうデータがある。個人的に肌で感じたレベルの話でいうと、車を運転している時に――といっても、車を運転する機会もめっきり減ってるわけだが(だって、どこにお出かけすればいいっていうんだ?)――、衛星ラジオのビートルズチャンネルにあわせると、「ヘイ・ジュード」とか「イン・マイ・ライフ」とかが前よりも頻繁に流れてくるような気がする。わざわざ車を20分かそこら走らせて、6分超も尺がある(ジョージ・ハリソンが作詞・作曲した)「イッツ・オール・トゥ・マッチ」を聞きたいって思う人がいるだろうかね?

食べ物の件で言うと、個人的には、持ち運びが楽で、保存するのが簡単な食品を買う傾向が強まってる。あと、冷凍に向いてるやつ。持ち運びが楽で、保存するのが簡単で、冷凍に向いてるっていう条件を満たす食品というと、肉とか豆とかってことになる。その一方で、生の果物とかパンとかは条件から外れることになる。最も条件に合うのは、冷凍コーンだ。あと、ピクルスも。野菜で言うと、比較的長持ちするやつを選ぶようにしている。カリフラワーとかスカッシュとか。ホウレンソウは傷みやすいんで、ごめんなさいだ。コンフォート・フードそれ自体を贔屓にしているわけじゃないが、できるだけ少ない食材で出来る料理を作りたいんで(食材をたくさん使う料理はたぶん作れないだろうからね。私の腕ではね)、そうなると結果的にコンフォート・フードを買い求めるってことになる。 [Read more…]

  1. 訳注;自宅で簡単に調理できて、「家庭の味」を思い起こさせてくれる食品。心に安らぎを与えてくれる食品。 []

ブランコ・ミラノヴィッチ「『資本主義だけ残った』:フランス語版出版に際して、マリアンヌ紙によるインタビュー」(2020年9月11日)

My interview for “Marianne” as “C,A” is published in French
Friday, September 11, 2020
Posted by Branko Milanovic

1.エレファント・カーブが有名ですが、あなたのこれまでの研究によって、一般の人はグローバル化に伴う不平等の進化を見ることができるようになりました。「資本主義」を扱っている新刊『資本主義だけ残った――世界を制するシステムの未来』〔西川美樹訳、みすず書房、2021年〕は、過去の研究の延長線上にあるのでしょうか?

部分的にはそうですね。今回の本でも、間違いなく不平等について扱っています。(私は人生の大半を不平等の研究に費やしてきましたから)。ただ、エレファントカーブの根底にあった、グローバルな不平等は扱っていません。代わりに、米国ようなリベラル資本主義や、中国のような政治的資本主義といった、制度の観点に立っての「国内の不平等」と「上流階級の再生産」に関心を絞っています。

むろん、こういった国内不平等は、新著でも「グローバルな不平等」(第2章)の観点から扱っています。ただ、国内不平等は〔グローバル化によるものではなく国内の〕政治的な背景によって強く左右されると思いますね。私は、所得・富の不平等は、政治・経済制度の組織化の有り様から生じるだけではないと考えています。特に子どもたちに政治・経済制度での優位性を相続させる能力や、経済的支配への影響力を通して、〔不平等は逆に〕その政治的制度を維持する働きも持つと思うのです。リベラル資本主義でこの影響力が強く明示化されているのを私たちは見ることができます。経済的権力を行使してメディア権力を獲得し、次にそれを使って政治的権力を獲得するというよく見られる現象ですね。なぜ、ジェフ・ベゾスは『ワシントン・ポスト』のオーナーで、ドナルド・トランプはアメリカ大統領なのでしょう? ということです。

以上の理由から、この本の最後で、リベラル資本主義に対して提言を行う際に、3つだけの単純な政策提言に絞り込みました。「子供への遺産相続の制限(相続税の強化)」、「私立学校の役割の制限(公立学校をもっと良く、魅力的にする)」、「メディアや政治への金銭的影響の制限」です。 [Read more…]

マイルズ・キンボール 「あれに感謝、これに感謝」(2020年11月26日)/「『感謝』にまつわる名言」(2019年11月28日)

●Miles Kimball, “Gratitude in a Pandemic”(Confessions of a Supply-Side Liberal, November 26, 2020)


Link to the 7 Summit Pathways post “20 Gratitude Questions”

目下のパンデミックは、多くの物事に対する視座(見方)を新たにする機会を提供している。パンデミックのせいで色んな制約が課されて、不満を抱くこともあるかもしれない。しかし、これまでは(平時においては)当たり前だと思っていたけど、パンデミックのおかげでそのありがたみに気付けたってケースもあるかもしれない。

仕事があって働けているなら、仕事があることのありがたみにこれまで以上に気付けたなら、感謝だ。それなりに快適な住環境で暮らせているなら、感謝だ。同居人がそれなりに感じのいい人柄なようなら、感謝だ。これまでよりも「距離」への抵抗がなくなって、そのおかげで遠くで生活する古い友人と再び繋がることができたようなら、それにも感謝だ。

感謝に値することは他にもたくさんある。もしかしたら、たった今列挙したどれにも恵まれてないっていう人もいるかもしれない。でも、そういう人でも感謝に値する何かをきっと見つけられるはずだ。最悪のケースに陥ることだって十分にあり得るのに、今のところ多くの人はどうにかそうならずに済んでいる。それだって感謝に値することなのだ。

感謝の心は、人生におけるありがたいあれもこれもすべてに対する感情を高ぶらせてくれる。素晴らしい気分にさせてくれる。あれにもこれにも感謝していると、周りの人間から「感じのいい奴」って思ってもらえるようにもなる。感謝に万歳三唱だ!

ところで、このブログを読んでくれてどうもありがとう。私の語ることに耳を傾けてくれる人がいるっていうのは、本当に嬉しいことだ。誰かが目を向けてくれているからこそ、何かを書こうっていう気にもなれるのだ。

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●Miles Kimball, “Alfred North Whitehead, Epictetus, Melody Beattie and Amy Poehler on Gratitude”(Confessions of a Supply-Side Liberal, November 28, 2019)


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「感謝」にまつわる50の名言の中から、個人的なお気に入りを引用しておこう。

  • 「他人の助けなしに成功を手にした人などいない。賢くて信用できる人物なら、他人の助けに感謝を捧げるものだ。」――アルフレッド・ノース・ホワイトヘッド
  • 「自分にないものを思って嘆くのではなく、自分にあるものを思って喜ぶ。そうするのが賢い人なり。」――エピクテトス
  • 「感謝の心は、人生をこの上なく豊かにする鍵を開けてくれる。 充分以上のものを授けてくれる。感謝の心は、否定を受容に変え、混沌を秩序に変え、乱雑を明澄に変える。ごはんをごちそうに、家を温かい家庭に、赤の他人を友人に変えてくれる。」――メロディ・ビーティ
  • 「自分の人生を振り返ると、感謝を感じずにはいられない。過去にタイムスリップする(昔のことを思い出してそれに感謝する)には、我が身に起こったことを細かいところまで見逃さずに覚えておかなきゃいけない。まるであの時にいるかのようにできなきゃ、あの時にタイムスリップすることはできない。タイムスリップしたい『あの時』を持つには、『今』から目を離しちゃいけない。」――エイミー・ポーラー

タイラー・コーエン 「ウィズコロナ時代の恋愛のかたち」(2020年8月25日)

●Tyler Cowen, “The new marginal revolution”(Marginal Revolution, August 25, 2020)


サラ――フィラデルフィア在住の31歳女性――も、キスには大きなリスクが伴うことはわかっている。だからこそ、「誰かとキスするんなら、一気に何段もすっ飛ばしてそのまま一夜を共にしちゃった方がいいんじゃないかしらね」とのこと。

全文はこちら。こんな記事にそのうちお目にかかるんじゃないかって気になっていたものだ。他にも興味深い箇所を引用しておこう。

ウィズコロナ時代には、初デートまで行き着く前に(コロナ絡みの)尋問がネット経由で繰り返される。そのおかげで、まだ直接会わないうちから、二人の間では親密さがいや増すことになる。フォアマンは次のように語る。「初めてのデートでキスしたら・・・、キスできるのはそれまでにいくつもの尋問を受けてきたからですけど、もう4回目のデートを迎えたようなもんです。たとえ彼女になってもらえなくても、どちらとも羽を伸ばしたくて仕方ないんです。何ヶ月も耐えてきたんですからね」。

もう一丁、興味深い・・・というよりは、議論を呼びそうな箇所を引用しておこう。

過去数ヶ月は注意深く過ごしてきたというマーチン。しかし、今では、安心そうと感じた相手とは一夜限りの関係を持っているという。

コロナ禍でのゆきずりの恋の安全性(危険性?)について信頼できるデータを手に入れられそうな見込みは・・・無さそうだ。

タイラー・コーエン 「ヒトは無意識のうちに自分の匂いを頻繁に嗅いでいる?」(2020年4月24日)

●Tyler Cowen, “Are humans constantly but subconsciously smelling themselves?”(Marginal Revolution, April 24, 2020)


以下に引用するのは、オフェル・パール(Ofer Perl)率いる研究チームの論文のアブストラクト(長~いアブストラクト)の冒頭部分だ。自分の顔を手で触らずにいるのがなかなか難しい理由を説明する一助になるかもしれない。

人間をはじめとして霊長類に属する生物は、かなりの頻度で自分の顔を触ることが知られているが、その機能についてもその由来についても未だもって不明なままである。本稿では、人間が自分の顔を触るのは自分の手の匂いを嗅ぐためではないかとの仮説を提示する。まずはじめに、人間がかなりの頻度で自分の顔を触っている事実を確認するために先行研究を展望する。次いで、人間が自分の顔を触るのは自分の手の匂いを嗅ぐためであることを示唆する実験結果を詳しく取り上げる。その実験結果によると、被験者が手で自分の顔を触るのに伴って鼻の呼気量が大きく増えるだけでなく、被験者に気付かれないように香水やステロイド化合物を振りかけると、それに伴って手で顔を触る頻度が増えたり減ったりする(香水を振りかけた場合は増え、ステロイド化合物を振りかけた場合は減る)ことが確認されている。自分の顔を触って自分の手の匂いを嗅ぐのは大体において無意識の行為である可能性が高いが、人間は(自分の顔を触る以外の方法で)意識的にも自分の匂いをかなりの頻度で嗅いでいるようである。

「滅多に問われない疑問集」にまた一つ追加だ。情報を寄せてくれたミシェル・ドーソンに感謝。