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ノア・スミス「脱成長論はろくでもないってみんなも気づきつつある」(2021年9月5日)

[Noah Smith, “People are realizing that degrowth is bad,” Noahpinion, September 5, 2021]

脱成長論者が提唱してる狂った構想は,地球を救う本物の対策からぼくらの気をそらしてしまう幻想だ.

「脱成長」を唱える人たちがいる――地球を救うために経済成長を停止する必要があるのだと,彼らは言う.今回は,これがすごくダメなアイディアである理由を解説する長文記事を書くつもりでいた.ところが,ぼくが書くまでもなく,すでにそういう文章を書いてる人たちやポッドキャストで語ってる人たちが他にいる.たとえば,ブランコ・ミラノビッチケルゼイ・パイパーエズラ・クラインといった人たちだ.そこで,かわりに今回は各種の脱成長論をカタログにまとめて,その要点をとらえることにしよう.
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ステファニー・ケルトン「MMTの『レンズ』が映し出す下院議員たちの誤り」(2021年8月9日)

Stephanie Kelton, “House Members’ Letter to Pelosi Mostly Barking Up the Wrong Tree”, The Lens, Aug 9, 2021

CNNの主任議会特派員マヌ・ラジューは昨日、下院議員が共同で作成している書簡の草稿を紹介した。草稿の作成には、ジョシュ・ゴットハイマー(ニュージャージー州選出)、ジャレド・ゴールデン(メーン州)、カート・シュレーダー(メーン州)、ヴィンセンテ・ゴンザレス(テキサス州)、エド・ケース(ハワイ州)、フィーレマン・ヴェラ(テキサス州)などの民主党下院議員が携わっている。 [Read more…]

アレックス・タバロック「有機農業による経済危機」(2021年9月7日)

Alex Tabarrok “Organic Disaster Marginal Revolution, September 7, 2021

スリランカの大統領は、有機農業100%を達成しようと今年に入って突如として化学肥料を禁止した。この禁止によって生産量の減少と価格の急騰が起こり、観光業の減少と新型コロナ感染拡大とも相まって経済危機が発生している。

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タイラー・コーエン「資本注入して延命させるとしたら?」(2021年8月31日)

Tyler Cowen “The capital life extension queryMarginal Revolution, August 31, 2021

アルジャン・ナラヤンのコメントより:

このブログの読者とタイラーの記事1 の別バージョンについて考えてたんだけど、あまりにも早く資本を使い果たしてしまった人や団体に(彼らがその生涯で備えた資本と)同じだけの額の資本をさらに与える力があったとしたら、誰を選ぶ?

反事実的な想定をしてみると分かりやすいと思う。イーロン・マスクは2008年にほとんどのお金を使い果たして、ダイムラーによって救済された。これがなければいくつかの面では今よりもずっと悪いことになっていただろう(リチウムイオンの生産だけでなく、全ての自動車会社が輸送の電力化問題にこれだけ切迫感をもって取り組むこともなかった)。時をさかのぼって同様に救済すべきは誰だろう?

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  1. 訳注;若くして死んだ芸術家を延命させるとしたら、誰が一番生産性の観点から適切かという趣旨の記事 []

マーク・タイラー「19世紀のイギリス貴族とアメリカ成金の同類婚」

Mark Taylor “The Downton Abbey effect: British aristocratic matches with American business heiresses in the late 19th centuryVOXEU,  September 5,  2021

19世紀後半におけるイギリスの農産物価格の下落は、貴族に加え、土地を所有する「平民」の収入もまた縮小させた。良縁の結婚によって資金を得るという伝統を続けるため、イギリス貴族は大西洋の対岸であるアメリカの、多額の持参金はあるがアメリカ基準においてすら全く名門ではない女性相続人に目を向けた。本稿では、アメリカの大実業家の娘たちをイギリス貴族との結婚に導いた社会・経済的な力について検討する。


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タイラー・コーエン「見せびらかし腐敗」(2021年9月5日)

[Tyler Cowen, “Conspicuous corruption,” Marginal Revolution, September 5, 2021]

特定の財を消費したりや経験を購入したりすることで,人々はみずからの地位を顕示することがある.これを「顕示的消費」という.顕示的消費は広く見られる営為で,ヴェブレン財という種類の財全体の市場に見られる特徴がこれで説明される.ヴェブレン財の需要は,その価格と軌を一にして上昇する.こうした地位財の価値は,人口全体での分布にある――つまり,稀少であればあるほど,その財はいっそう望ましくなる.同時に,おうおうにしてより高い地位と結びついている高所得は,非倫理的行動と関連づけて研究されている.本稿では,特定のヴェブレン財・違法な行動・財産がどう結びついて,地位シンボルとしての違法性誇示を産み出すかを示す.違法に入手された財が地位に関わる目的で消費される特定の形態の証拠を,国レベルで大規模に収集した.ギリシャでは,自らカスタムしたヴァニティ・プレート〔自動車のナンバープレートを好みの文字・数字の組み合わせにしたもの〕を当局は発行できない.この発展した中所得国で,人々は独自のプレートナンバーを入試して,これをヴァニティ・プレートの代用にしている.我々の研究では,そうしたナンバープレートがより多く見られる自動車は,エンジンがより大きいものや高級ブランドのものであることが見出された.法律を遵守したナンバープレート割り当てでは,このパターンは説明ができない.したがって,収賄などの違法な活動の結果として生じているにちがいない.ここからは,「顕示的腐敗」のパターンがうかがえる.顕示的腐敗において,人々は法を犯して手に入れたものを地位シンボルに用いる.違法行為が明白に立証し得ないかぎりにおいて,そうしたシンボルが法律違反をほのめかすのを承知のうえで,そうするのである.

Panos Louridas & Diomidis Spinellis 論文へのリンクはこちら.via 才人の Kevin Lewis

アレックス・タバロック「ヒスパニック系と白人の犯罪率が同水準になりつつある」(2021年8月29日)

[Alex Tabarrok, “Hispanic and White Criminality are Converging,” Marginal Revolution, August 29, 2021]

ヒスパニック系と白人の犯罪統計がどんな風に収束してきてるかについて,キース・ハンフリーズ〔心理学者〕が秀逸な Slow Boringいい記事を書いてる.
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アレックス・タバロック「子供たちはうまくやってる:世代別の財産」(2021年9月2日)

[Alex Tabarrok, “The Kids are Doing Alright,” Marginal Revolution, September 2, 2021]

こんなことを言っているバズりツイートを見かけたことがないかな――「ベビーブーマー世代が財産をぜんぶ我が物にしていて,ミレニアル世代は貧しい.」 あいにく,ぼくは釣られ耐性がある.おのずと解決される問題について語ろう.
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ビル・ミッチェル「MMTと『力関係』について- Part 1」(2021年5月6日)

Bill Mitchell, “MMT and Power – Part 1”, Bill Mitchell – Modern Monetary Theory, May 6, 2021

「現代貨幣理論(MMT)には、〔制度的な〕力関係(power relations1 )の理論がないので欠陥がある」という言説をよく目にする。批判者の中には、このことを、「MMTにはインフレの理論もない」という主張に結びつけて語る人もいる。

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  1. このエントリで頻繁に出てくるpowerを「権力」と訳すと「政権」の意味でも取れてしまうので、一方が他方に行使する支配的な影響として純粋に「力」と訳している。power reationsも同様に「権力関係」とするとやはり語弊があるので「力関係」に。 []

アレックス・タバロック「初歩の経済学,ドラッグ戦争,アフガニスタン」(2021年8月31日)

[Alex Tabarrok, “Econ 101, the Drug War, and Afghanistan,” Marginal Revolution,  August 31, 2021]

ヘロイン生産の経済事情と外交政策に関する自分の研究を要約したすぐれた文章を Jeffrey Clemens が書いている:
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