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ジャネット・イエレン 「中央銀行のコミュニケーション戦略における革命と進化」(2012年11月13日)

●Janet L. Yellen, “Revolution and Evolution in Central Bank Communications”(Speech at the Haas School of Business, University of California, Berkeley, Berkeley, California, November 13, 2012)


ご紹介いただきありがとうございます。こちらのハース・ビジネススクールは私がキャリアの多くの時間を過ごした故郷だと胸を張って呼べる場所ですが、その故郷にこうして再び戻ってくることができて嬉しく思います。講演の手筈を整えてくださいましたディーン・ライオンズ(Dean Lyons)氏にも感謝したいと思います1

本日の講演のテーマを一言でまとめると、中央銀行のコミュニケーション戦略における近時の革命と今なお続くその進化ということになります。皆さんもご存知のように、現在私たちはコミュニケーションの分野を舞台とした革命的な進歩の時代の真っ只中に生きています。本日の講演でこの場にいる皆さんの興味を引く発言が少しでも飛び出すようなら、私がこの壇上を後にするよりも前にその発言はネット上に投稿され、あるいはtwitter(ツイッター)でつぶやかれ、あるいはブログで論評の対象になるかもしれません。そういった現実を踏まえると、Fedもまたコミュニケーションのあり方をめぐってこれまで以上に工夫を凝らそうと努力していると聞いても何の驚きも感じられないかもしれません。

しかしながら、中央銀行のコミュニケーション戦略における革命はテクノロジーの進歩によって引き起こされたわけではありません。その原動力は金融政策の効果をできるだけ高めるための手法をめぐる理解の進歩(知識の深まり)に求められます。明確なコミュニケーションはそれ自体として金融政策の効果と信頼性の向上に貢献する貴重なツールだということがこれまでに積み重ねられた数多くの研究と長年の経験を通じて明らかになってきているのです。それだけではありません。このたびの金融危機の勃発に伴って私たちは数多くの難題を背負い込むことになりましたが、そのような状況に追い込まれた結果として明確なコミュニケーションの重要性がこれまでになく高まることになったという事情もあります。本日の講演ではまずはじめに「中央銀行の透明性」をめぐるこれまでの議論の軌跡を振り返り、その論調に生じた革命的な変化について論じることにします。そしてそれに次いで金融危機によって引き起こされた異例の事態にFedがどう対応したかを取り上げることにします。Fedのこれまでの対応を振り返りながら、コミュニケーション戦略の分野で極めて重要な前進が見られた事実を明らかにしたいと思います。コミュニケーション戦略の分野でこれまでに勝ち取られた大きな成果が現状の厳しい状況が過ぎ去った後もなお手放されることなくずっと先の未来まで受け継がれていってほしいというのが私の願いですが、前回(2012年9月)のFOMCの決定もその願いに沿うものだと言えます。以下でその内容について簡単に触れておくことにしましょう。 [Read more…]

  1. 原注1;今回の講演を準備するにあたり、FRBのスタッフであるJon FaustとThomas Laubach、そしてJohn Maggsより貴重なサポートを頂戴しました。 []

ジャネット・イエレン 「金融政策におけるコミュニケーションの役割」(2013年4月4日)

●Janet L. Yellen, “Communication in Monetary Policy”(Speech at the Society of American Business Editors and Writers 50th Anniversary Conference, Washington, D.C., April 04, 2013)


本日はお招きいただきありがとうございます。現在Fedは景気回復を後押しするために数々の取り組みを続けている最中ですが、本日はその取り組みの中心に位置しており、この場にうってつけのものだとも言える話題についてお話させていただきます。本日の講演のテーマを一言でまとめると「金融政策におけるコミュニケーションの役割」ということになりますが、金融政策においてコミュニケーションがいかに重要な役割を担っているかについて詳しく論じさせていただきたいと思っています。金融政策においてコミュニケーションが果たす役割はここにきてますます高まってきているのですが、その辺の事情についてもお話させていただくつもりです1

本日お集まりの皆さんの中にはFedの取材を担当されている方もいらっしゃることでしょう。Fedによる金融政策はFOMC(連邦公開市場委員会)での議論を通じて決められているわけですが、その辺の事情についてもよくご存知かと思います。FOMCの会合が終了するとその直後にどのような決定に至ったかを伝える声明が発表される決まりになっていますが、声明の中にどのような表現を盛り込んだらよいかと毎度の如く細心の注意が払われていることもよくよくご承知のことでしょう。会合終了後には声明が発表されるだけではなく、バーナンキ議長が記者会見を開いて質疑に応じることにもなっています。さらには、FOMCでの議論の内容を詳しく伝える議事要旨もしばらくしてから公表されています。しかしながら、FOMCが発するメッセージが国民のもとに届けられるまでには本日お集まりの皆さんのご活躍も大きな役割を果たしています。FOMCでの決定内容をニュースで報じたり、声明の内容に分析を加えたり、金融政策の役割や目標について解説したりといった皆さんの日々のご活動に大いに支えられているのです。まずはそのことに感謝したいと思います。

しかしながら、こうして皆さんの前でお話しさせていただくことに感謝の気持ちを抱く理由はそれだけにとどまりません。皆さんは記者あるいは編集者という仕事柄もあって、コミュニケーションに関しては出し手としても受け手としても並大抵ではない経験をお持ちでいらっしゃることでしょう。これまでにもお仕事を通じて政府機関が自らの政策について語ったり、民間企業が自社製品について説明する機会に立ち会われた経験がおありだと思いますが、FOMCによるコミュニケーションもそういった他の例と大差ないのではないかと思われるかもしれません。いや、そうではない。金融政策においてはコミュニケーションは他のケースとは違って特別な役割を担っているのだということをこれから示していきたいと考えているのですが、そのような機会を設けていただいて感謝したいとそう思っているのです。

どう違うのかをわかりやすく示すために比較となる例を挙げておくといいかもしれません。金融政策の話は一旦脇に置いて、運輸政策に目を転じることにしましょう。例えば、交通渋滞を緩和するために道路の拡張工事を行うことが取り決められたとしましょう。プロジェクトの立ち上げを知らせるためにテレビカメラの入った記者会見を大々的に開くという方法もあり得ますし、ごく少数の報道機関に向けてプレスリリースを発表するという方法もあり得ます。そもそも知らせないという方法もあるでしょう。いずれの方法がとられるにしろ、プロジェクトの内容に違いが生まれるわけではありません。ドライバーが(利便性の向上というかたちで)恩恵を受けることがあるとすればそれは工事が完了して道路が拡張された後のことです。工事が完了するずっと前の段階からプロジェクトの存在を知らされたところでドライバーは得をするわけでも損をするわけでもないでしょう。

金融政策に関しては話が違うというのが本日の講演の軸となる事実です。金融政策の効果は政策の先行き――数ヶ月先あるいは数年先の未来にどのような政策が行われそうか――について国民がどのようなメッセージを受け取るかによって決定的に左右されるのです2[Read more…]

  1. 原注1;今回の講演を準備するにあたり、FRBのスタッフであるJon Faust、Thomas Laubach、そしてJohn Maggsより貴重なサポートを頂戴しました。 []
  2. 原注2;政府が行う政策(公共政策)の大概について言えることですが、つい先ほど例に挙げた道路拡張プロジェクトも人々の予想に影響を及ぼす可能性はあります。例えば、(予想への影響を介して)居住地の選択やその近隣への事業展開に影響を及ぼすことになるかもしれません。しかしながら、そのような結果(効果)は道路拡張プロジェクトの直接的な狙いとして掲げられているもの(政策目標)ではないという点は重要です――政策目標は交通渋滞の緩和です――。詳しくはこれから先のところで説明していくことになりますが、その他の公共政策とは違って金融政策においては将来に対する予想にどう影響を及ぼすかが主たる関心事となります。 []

ジャネット・イエレン 「金融政策における『多数の目標』と『多数の手段』」(2013年4月16日)

●Janet L. Yellen, “Panel Discussion on “Monetary Policy: Many Targets, Many Instruments. Where Do We Stand?””(Speech at the “Rethinking Macro Policy II,” a conference sponsored by the International Monetary Fund, Washington, D.C., April 16, 2013)


これからこの場にお集まりの皆様の間で大変活発な議論が繰り広げられることでしょうが、そのような場に参加させていただく機会を用意して下さいましたIMF(国際通貨基金)の関係者の皆様に感謝いたします1

金融政策の「多数の手段」や「多数の目標(ターゲット)」をテーマとする今回のような討論会が催されようとはほんの5~6年ほど前までには考えられなかったことでしょう。このたびの金融危機が勃発する前までの状況を振り返ると、金融政策は政策短期金利という「単一の手段」に大きく寄りかかって運営されていました。また、「目標」ということで言うと、金融危機に見舞われるまではどの中央銀行もたった一つの目標しか掲げていなかったとまではいきませんが、多くの中央銀行は「インフレ目標(インフレーション・ターゲッティング)」と呼ばれる政策枠組みを採用していました。その名前からも薄々窺い知れるでしょうが、「インフレ目標」のもとでは何にもましてインフレ目標の達成(目標として設定されたインフレ率の達成)に高い優先順位が付けられていました。この点、Fedは長年にわたってちょっとしたはぐれ者だったと言えます。というのは、Fedには「物価の安定」と「雇用の最大化」という二重の責務(デュアル・マンデート)の達成が法的に求められているからです。しかしながら、今回こうして金融危機に見舞われることがなければ、専門家が集まる討論会で話題にされるのはせいぜい(金融政策の)「単一の手段と二つの目標」どまりだったことでしょう。このたびの金融危機は世界中の中央銀行に大変重い課題を突きつけ、金融政策の手段や目標に関する見方を一変させることになったのです。 [Read more…]

  1. 原注1;これから述べさせていただく意見はあくまでも私の個人的な見解を反映したものであり、FRBでともに働くその他の同僚たちの見解を反映するものでは必ずしもないことを断っておきます。 []

ジャネット・イエレン 「ポリシー・ミックスの未来の姿を素描する」(2014年11月7日)

●Janet L. Yellen, “Remarks at the Panel Discussion on “Shaping the Future of the Macroeconomic Policy Mix””(Speech at the “Central Banking: The Way Forward?”, International Symposium of the Banque de France, Paris, France, November 07, 2014)


これからこの会場を舞台として活発な議論が交わされることと思われますが、そのような場に参加させていただく機会を用意して下さいましたフランス銀行の関係者の皆様にまずは感謝したいと思います。

このたび世界経済を襲った金融危機はあまりに唐突なものであり、その影響は大変深刻なものでした。そのような火急の事態を前にして各国の政策当局者たちは創造力を発揮して矢継ぎ早に決断を下す必要に迫られました。景気の急下降を食いとどめ、経済に再び活を入れるために、(金融政策ならびに財政政策をそのうちに含む)マクロ経済政策の道具箱の中から幅広い範囲にわたるあれやこれやのツールが引っ張り出されることになったのです。現在のところ経済は回復傾向を見せてはいますが、その足取りは遅々として覚束ない有様です。そのような現状を踏まえると、今後もしばらくの間はマクロ経済政策を通じて景気の下支えを続けていく必要があるでしょう。

今般の世界的な金融危機を前にして金融政策および財政政策の面で一体どのような対応がなされたのでしょうか? 本日の講演ではその軌跡を簡単に振り返ってみたいと思います。話はアメリカだけではなくその他の先進国にも及ぶことになるでしょう。それというのも、今般の金融危機の影響はいずれの国でも似通ったものであり、それに対する政策面での対応も先進各国の間で似通ったかたちをとることになったからです。金融危機の最中に先進各国で採用されたマクロ経済政策の軌跡を振り返った後にそこからいくつかの教訓を引き出し、金融政策と財政政策をどう組み合わせたらよいかという問題(いわゆるポリシー・ミックスの問題)との絡みで今後の課題についても私なりの考えを述べさせていただくことにします。 [Read more…]

ジャネット・イエレン 「『追い風』なき景気回復、労働市場の現状、『雇用の最大化』に向けたFedの取り組み」(2013年2月11日)

●Janet L. Yellen, “A Painfully Slow Recovery for America’s Workers: Causes, Implications, and the Federal Reserve’s Response”(Speech at the “A Trans-Atlantic Agenda for Shared Prosperity” conference sponsored by the AFL-CIO, Friedrich Ebert Stiftung, and the IMK Macroeconomic Policy Institute, Washington, D.C., February 11, 2013)


本日は皆さんの前でお話しする機会を設けていただき感謝いたします。本日の講演では景気回復の後押しを意図したFedの取り組みの数々についてお話させていただくつもりです。その取り組みでは景気回復の後押しだけではなく、とある目標の達成も目指されています。その「とある目標」というのは労働運動が追い求める方向性と軌を一にするものでもあります。「雇用の最大化」がそれです1

公共政策の目標として捉えた場合に「雇用の最大化」にはどのような位置づけが与えられているでしょうか? アメリカ合衆国憲法を覗いても大統領令を調べても「雇用の最大化」という言葉は出てきません。労働省のミッション(使命)に目を向けてもやはり「雇用の最大化」という言葉は見つかりません。「雇用の最大化」の達成が連邦政府のあらゆる機関に課せられた一般目標として位置づけられることになったのは1946年に制定された雇用法においてですが、「雇用の最大化」を達成する義務を負っている公的機関は今のところFedだけです。Fedが「雇用の最大化」の達成を義務付けられたのは1977年の連邦準備改革法によってですが、同法では「物価の安定」の達成も同時に義務付けられることになりました。「雇用の最大化」と「物価の安定」の2つをひっくるめてFedに課せられた二重の責務(デュアル・マンデート)と呼ぶ慣わしになっています2

非常に多くの国民が職を得られずにいる現状についてはご承知の通りですが、そのような現状を前にしながら「雇用の最大化」などという野心的で大それた目標にスポットを当てるというのは何とも奇異な振る舞いのように見えるかもしれません。しかし、「雇用の最大化」にあえて言及するのには理由があります。「雇用の最大化」という目標と多くの労働者が直面している非常に厳しい足元の現実との間には大きな溝が横たわっているわけですが、その溝の深さに注意を促すことで景気回復の後押しに向けたFedの取り組みがどれだけ緊急を要する課題であるかを浮かび上がらせたいという思いがあるのです。過去5年の間に非常に多くの国民が職を失うことになりました。私自身を含めてFedで働く面々はその事実をしかと受け止めた上で景気の回復と雇用の創出を後押しするために断固たる措置に乗り出してきたわけですが、今後もその手を緩めることはないでしょう。 [Read more…]

  1. 原注1;本日の講演で述べられる意見はあくまでも私個人の見解であり、FRBでともに働くその他の同僚の見解を反映したものでは必ずしもありません。この点、ご留意ください。なお、本日の講演を準備するにあたり、FRBのスタッフの面々――John Maggs、Karen Pence、Jeremy Rudd、William Wascher――から貴重なサポートを頂戴しました。同じくFRBのスタッフであるSejla KaralicとChristopher Nekardaには図の作成を手伝っていただきました。 []
  2. 原注2;連邦準備法の第2A条(1977年改正)ではFedに対して「雇用の最大化、物価の安定、および適度な長期金利の実現に向けて効果的な取り組み」を進めることが求められています。 []

ジャネット・イエレン 「雇用情勢の改善に向けたFedの取り組みについて」(2014年3月31日)

●Janet L. Yellen, “What the Federal Reserve Is Doing to Promote a Stronger Job Market”(Speech at the 2014 National Interagency Community Reinvestment Conference, Chicago, Illinois, March 31, 2014)


アメリカ経済が金融危機と大不況(グレート・リセッション)の影響から立ち直る手助けをするために現在Fedは数々の取り組みを続けている最中ですが、本日はその取り組みの内容についてお話させていただくつもりです。このたびの金融危機とそれに引き続く大不況(グレート・リセッション)は本日お集まりの皆さんが支援の手を差し伸べておられるシカゴ各地のコミュニティとそこで暮らす住民に対してとりわけ厳しい影響を及ぼすことになりました。

Fedがこれまでに進めてきた取り組みでは金融システムの安定性を高めることもその狙いの一つに含まれています。具体的には、新たなルールの導入を通じて、顧客(消費者)保護に向けた体制を強化し、円滑な資金調達を可能にする環境の整備が図られています。資金調達が容易になればコミュニティの発展が金融面から支えられることにもなるでしょう。また、Fedはコミュニティの発展を後押しするために幅広い相手と緊密な連携や情報交換を行ってもいます。その中でもれっきとした成果を挙げていると思われる先進的な取り組み(イニシアチブ)の例を講演の終盤でいくつか紹介させていただくつもりです。会議が終わってからの話になりますが、シカゴ南部にあるリチャード・J・デイリー・カレッジを訪問して社会人学生向けに開講されている製造技術プログラムの様子を見学させていただく予定になっています。このプログラムでは学生たちが製造業の分野で報酬の高い職を得るために必要なスキルの習得に励んでいると伺っています。

本日お集まりの皆さんはコミュニティの発展を支えるために日々尽力されているわけですが、Fedとしても皆さんのそのような努力を支持する心持ちでいます。というのも、コミュニティがさらなる発展を遂げる上では皆さんのお力が欠かせないからです。住民たちが住宅を購入したり、地元の中小企業が事業を拡張する上で必要な資金がスムーズに入手できるようになっているのは皆さんのご尽力のおかげでもあります。コミュニティの安全が保たれ、住民たちが健康で経済的に安定した生活を過ごすことが可能となっているのは皆さんが各種プログラムの後援を通じてお力添えなさっているおかげでもあります。まだまだ厳しい経済状況が続いている中で多くの住民が職を得たいと望んでいるわけですが、皆さんはそのような望みを叶える手助けもしています。皆さんのお力添えの中でもこの手助けはとりわけ重要なものの一つだと言えるでしょう。極めて重要であることは疑いありませんが、しかしながら次の二つの要因が伴わない限りは皆さんのそのような手助けも実を結ぶことはないのではないかと思われます。

皆さんが支援の手を差し伸べている相手、つまりは職探しに励んでいる人々ということになりますが、一つ目の要因というのはそのような職探しに励む一人ひとりが備えている勇気と根気です。これまでの6年間は多くのアメリカ国民にとって厳しい試練の時となったわけですが、中には人生や家庭が崩壊の危機に瀕するほどの困難を味わったという人もいました。これまで長年にわたって携わってきた職を突然失い、新たな職をなかなか見つけられないでいる。職探しをしている間に数ヶ月、時には数年の月日が流れ、その間に貯金が底をつき、場合によってはマイホームを手放さざるを得なくなる。経済的な困窮が原因となって夫婦関係をはじめとした人間関係がギスギスし、場合によっては配偶者や親しい相手との関係が破綻を迎える。こういった体験がいかに過酷なものであるかは他人から言われるまでもなく多くの方々が身をもってよくよくご存知のことでしょう。しかしながら、今回の景気後退のあおりをまともに受けて深い痛手を負うことになった人々の多くは決してあきらめずにチャレンジを続ける意志の強さを見せています。もう少し先のところになりますが、そのような勇敢な意志を備えた男女の代表として3名の人物を紹介させていただくことになるでしょう。その3名というのはこの偉大な都市であるシカゴの住民であり、本日お集まりの皆さんの隣人です。皆さんはコミュニティの発展を支えるために日々尽力されているわけですが、この3名も皆さんのお力添えから恩恵を被っています。つい先日彼ら一人ひとりから個人的な体験談(パーソナルストーリー)を伺う機会があったのですが、もう少し先のところで皆さんにもその内容を紹介したいと考えています。

次に二つ目の要因に話題を転じたいと思います。「何を当たり前のことを」と思われるかもしれませんが、職探しに励んでいる人々が新たな職を見つける後押しをする上で欠かせない二つ目の要因というのは・・・、そう、職です。新たなスキルを身につけるためにどれだけ多くの訓練を積んだところでそもそも職(求人)の数が不足しているようであれば徒労に終わってしまうことでしょう。Fedはコミュニティの発展を後押しするために数々の役割を果たしており、そのうちのいくつかについては既に言及したわけですが、その中でも最も重要な役割については触れずにいました。それは何かと言うと、金融政策を通じて景気回復の後押しを図ることにあります。このたびの金融危機が発生してから今日までの間にFedは景気の回復と雇用の創出を後押しするために数々の異例の措置に乗り出してきたわけですが、今後もしばらくの間は景気の回復と雇用の創出を後押しするための取り組みを続ける必要があるというのが私の考えです。そう考える理由については追々説明させていただきます。 [Read more…]