●Frances Woolley, “The concrete impacts of taxes”(Worthwhile Canadian Initiative, January 03, 2012)
1695年から1851年までの期間にわたり、イギリスでは「窓」に対して税金が課されていた(pdf)。
窓税を賦課するのは比較的容易だった。一人ひとりの納税額を算出するのに、住まいにどれだけの数の窓があるかを数えるだけでよかったからである。窓税は「累進的」な性質を備えた税でもあった。というのも、所得が多い人ほど、住まいのサイズが大きい傾向にあったからである。住まいのサイズが大きいと、それに伴って、窓の数も多くなる。つまりは、窓税の支払額も多くなるわけだ。おまけに、窓税が課されたのは、窓の数が10個以上ある住まいだけに限られていた(その後、7つ以上に法改正された)。窓の数が9つ以下(法改正後は、6つ以下)であれば、窓税の支払いを免除されたのである。
(窓税が課されるために)窓の「値段」が高くなると、どうなるか? 窓に対する需要は減る。そう予想されるが、実際にもそうなった。市井の人々は、住まいにある窓をレンガで塞いだのである。イギリスを歩いて回ると、窓がレンガで塞がれている古い家を今でもあちこちで目にすることができる。 [Read more…]