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サイモン・レン=ルイス「財政ルール: 財政のための手引き」(2020年3月9日)

[Simon Wren-Lewis, “Fiscal rules: a primer for the budget,” Mainly Macro, March 9, 2020]

財政ルールに債務の GDP 比や債務金利その他のストックの数値を含ませるべきでないのはなぜか,公共投資は財政ルールの一部となるべきでないのはなぜか――こうしたことを知りたい読者は,ぜひ続きを読んでほしい.ただ,その前にまずは2つの重要な原則を立てておかないといけない.
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サイモン・レン=ルイス「いまだに緊縮はよい考えだったと思う人なんているだろうか?」(2020年4月7日)

[Simon Wren-Lewis, “Who still thinks austerity was a good idea?” Mainly Macro, April 7. 2020]

〔こんな新聞記事を想像してみよう〕もうすぐ2020年も秋を迎える.検査/追跡・隔離の新体制がとられ,一部地域がときおり封鎖されている.これはうまくいっているようだ.経済は,第2四半期に前年比 30% の GDP 下落のあとに回復し始めている.だが,この景気回復はメディアが伝えているものとは異なる.GDP の減少と政府による支援策実施にともなう当然の帰結として,政府の財政赤字は大幅に増えた.メディアはもっぱらこの赤字について語っている.こうしたメディアの懸念に対応して,政府は今後5カ年にわたって政府支出を削減すると公表する.ただし,国民保健サービス (NHS) は「守られる」とのことだ.
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サイモン・レン=ルイス「パンデミックの経済的影響」(2020年3月2日)

[Simon Wren-Lewis, “The economic effects of a pandemic,” Mainly Macro, March 2, 2020]

10年少し前,医療の専門家たちから連絡をもらった.なんらかのインフルエンザ・パンデミックが発生した場合の経済的な影響を知りたいのだという.彼らが必要としていたのは,一般均衡での影響を見るためのマクロ経済モデルだった.1990年代に,私は小さなチームを率いて,COMPACT というモデルを構築していた.連絡をくれた専門家たちと私で論文を1本書き,のちに Health Economics に掲載された.論文では,それまでになされていた他の研究も参照している.
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サイモン・レン=ルイス「金融政策と財政政策の協調:経済状態に応じて政策割り当てを切り替えるべき理由」(2020年1月14日)

[Sinon Wren-Lewis, “Monetary and fiscal cooperation: the case for a state dependent assignment,” Mainly Macro, January 14, 2020]

去年の12月にマーク・カーニー〔イングランド銀行総裁〕はこう発言した

世界的な流動性の罠において,中央銀行のみが「なすべきことはなんでもやる」政策担当者となることはありえません.他の政策,とくに財政政策との協調から明確に得られるものはあります.

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サイモン・レン=ルイス「財政政策に関して労働党と保守党はどこがどうちがっているか」(2019年11月8日)

[Simon Wren-Lewis, “The differences between Labour and the Conservatives on fiscal policy,” Mainly Macro, November 8, 2019]

イギリス保守党は2017年〔総選挙〕の教訓に学んで,有権者に政府支出の増加を提示すべく,緊縮を放棄した.保守党としては,これで財政の分野で二大政党に大したちがいがないように思ってほしいわけだ.だが,「なるほど大差ないな」と有権者が思ったなら,それはまちがいだ.労働党の場合,追加分の支出は持続可能なのに対して,保守党の場合は持続可能でない.これには2つ理由がある.
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サイモン・レン=ルイス「EU離脱は知識としての経済学の否定」(2019年10月22日)

[Simon Wren-Lewis, “Brexit is a denial of economics as knowledge,” Mainly Macro, October 22, 2019]

とある有名な EU離脱支持者がこんなことを言った――レン=ルイスが腹を立てるだけでも,EU離脱はやる値がなきにしもあらずというものだ.EU離脱がなされそうな見通しを思うと,緊縮のときに覚えたのと同じ恐怖で私の心はいっぱいになる.この2つのつながりは,自明ではない.どちらも,基本的な経済学から見てほぼ誰もが痛手を被る政策に一国全体を巻き込む点で共通している.

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サイモン・レン=ルイス「新たなマクロ経済政策割り当て」(2019年8月28日)

[Simon Wren-Lewis, “A New Macropolicy Assignment,” Mainly Macro, August 28, 2019]

次に景気後退が生じたときにこれを抑えられるかどうかについて中央銀行家たちが正しくも悲観的になるなか,中央銀行はインフレを目標値に維持しつつその責務を政治家に渡すときがきているのかもしれない.

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サイモン・レン=ルイス「イギリスで景気後退のさなかに財政緊縮をやった事例:1981年と2010年を比べてみると」(2019年8月3日)

[Simon Wren-Lewis, “Fiscal tightening in UK recessions: 1981 and 2010 compared,” Mainly Macro, August 3, 2019]

健康で平穏な生活を守るために,Twitter でのやりとりを控えることにしている.ただ,先日,Andrew Dentance とのやりとりを例外にした.論点は,1981年の財政引き締めが2010年の緊縮とどれくらい同等と言えるのか,という点だ.明らかに,これにはあれこれと話を整理するためにちょっと文章を書くしかない.このあと掲載するいくつかのグラフで,1981年/82年(青)と2010年/11年(赤)がGDP に占める割合でみたさまざまな財政の尺度でどう比較できるか見ていこう.(厳密に言うと,それぞれのグラフが取り上げている財政の尺度が GDP に占める割合を X とすると,青い線が示しているのは1980年/1年の X をその後数年から差し引いたもので,同じく赤い線は2009年/10年の X をその後数年から差し引いたものを示す.データの出典は予算責任局 (OBR) の公共ファイナンスデータバンク〔※OBR のデータはこちらのExcelファイルを参照.〕)

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サイモン・レン=ルイス「ヘリコプターマネー・インフレ目標・量的緩和」(2012年6月14日)

[Simon Wren-Lewis, “Helicopter money, Inflation targets and Quantitative Easing,” Mainly Macro, June 14, 2012]

経済学者向け

ヘリコプターマネーについてよく質問を受ける.それに,この政策を実施しようという要請もときおりなされてきた.(最近の例はこちら.) ヘリコプターマネーについてごく基本的な水準で私がどう考えているかを述べるなら,「ヘリコプターマネーは,一時的にインフレ目標を引き上げようという要求と同じことだ」と考えている.

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サイモン・レンルイス「緊縮の教訓はこうして学ばれずじまいになった」(2019年7月23日)

[Simon Wren-Lewis, “How the lessons from austerity have not been learned,” Mainly Macro, July 23, 2019]

イギリスとユーロ圏はどちらも来たるべき景気後退に対して脆弱だが,どちらの政治家たちも中央銀行も,「あちらが景気後退に対応すべきだ」と考えている.

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