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タイラー・コーエン「アメリカでの総需要不足?」(2021年1月16日)

[Tyler Cowen, “Our aggregate demand shortfall?” Marginal Revolution, January 16, 2021]

Ben Casselman から:「(…)大半の経済数値とちがって,実のところ小売業の売り上げはパンデミック以前の水準を上回っている.〔2020年〕2月に比べて 2.6%増,前年に比べると 2.9%増になっている.雇用みたいなきれいな話になっていない.」
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タイラー・コーエン「泥棒して受け渡し金を要求するマカクザル」(2021年1月15日)

[Tyler Cowen, “Money-maximizing macaque thieves demand ransoms,” Marginal Revolution, January 15, 2021]

バリのウルワツ寺院では,猿たちが商売にはげんでいる.寺院をうろつく長い尾をもつマカクザルたちは悪名高い.油断している観光客たちに強盗をはたらき,厚かましくも彼らの持ち物にしがみついて,受け渡し金として食べ物が渡されるまで離そうとしないのだ.

研究者たちによれば,寺院のマカクザルたちは,カモとなる観光客の持ち物のうちどれにいちばん価値があるのか判断して,この情報を活用してみずからの利益を最大化するのだという.

目ざといマカクザルたちは,人間どもが引き換えに食べ物をよこす見込みがいちばん大きい品物を好んで標的にする.たとえば電子機器がそうした標的だ.逆に,ヘアピンや空のカメラバッグのように,とられても観光客が諦める品物は狙わない.そう語るのは,ジャン=バプティスト・ルカ博士だ.博士はカナダのレスブリッジ大学心理学部の准教授で,この研究の筆頭執筆者だ.

マカクザルたちが盗む価値の高い品物には,携帯電話・サイフ・度付き眼鏡などが挙げられる.「貴重品をハンドバッグにしまってジッパーを閉めてしっかり首からかけておくように寺院のスタッフが忠告しても,観光客のなかには上の空で聞き流している人がいるものです.そうした観光客から引ったくる専門家に,ここのマカクザルたちはなってしまっています」と博士は言う.

マカクザルたちと寺院の観光客たちのやりとりを研究者たちが273日以上かけて撮影しつづけたところ,より価値の高い品物にはもっといい見返りを――たとえばもっとたくさんの食べ物を――マカクザルが要求するのがわかった.

泥棒マカクザル・観光客・寺院スタッフのあいだでなされる交渉は,4~5分以上も続く場合がよくある.品物が返されるまでにかかった最長時間は25分で,交渉に17分が費やされた.より価値の低い品物の場合には,より少ない見返りを受け入れてマカクザルたちは物々交換のやりとりを首尾よく終わらせることが多い.

記事の全文はこちら.via David Curran.

タイラー・コーエン「娘がいる方が離婚しやすい?」(2021年1月13日)

[Tyler Cowen, “Daughter-driven divorce?” Marginal Revolution, January 13, 2021]

息子がいる夫婦よりも,娘がいる夫婦の方が離婚しやすいのだろうか? オランダの住民登録データとアメリカの調査データを用いて,本稿では次の点を示す:娘がいる夫婦の方が離婚するリスクは高くなるが,それは娘が13歳から18歳のときにかぎられる.このように年齢が限定される研究結果は,時期に関係ない息子選好・出産時における性選別という説明と食い違う.本稿では,十代の娘がいる家庭における人間関係の緊張と考慮した説明を提案する.副次標本の分析から,性別役割の考え方が娘とパートナーと異なっている見込みが大きい親たちほど子供の性別による離婚リスクが大きく異なっていることが見出される.また,十代の娘がいる家庭における人間関係の緊張を示す調査の証拠も本研究は見出している.

この抜粋は,Jan Kabátek % David C Ribar による新論文から.via 優秀なる Kevin Lewis

タイラー・コーエン「今と昔:キャピトルヒルでの銃撃事件」(2021年1月6日)

[Tyler Cowen, “That was then, this is now,” Marginal Revolution, January 6, 2021]

1954年3月1日にアメリカ国会議事堂で銃撃事件が起きた.犯行に及んだのは,プエルトリコのナショナリスト4名だった.国会議事堂下院議場の「婦人傍聴席」(訪問客用のバルコニー)から,彼らはセミオート拳銃で30発を発砲した.プエルトリコを合衆国支配から独立させる自分たちの要求に注目を集めるのが,彼らののぞみだった.

犯行に及んだナショナリストたちは,プエルトリコの旗を掲げ,第83回議会で集まっていた下院議員たちに向かって発砲をはじめた.議員たちは,移民法をめぐって議論している最中だった.5名の下院議員が負傷,そのうち1名は重傷を負ったが,全員がのちに回復している.犯人たちは逮捕され,連邦裁判所で裁判にかけられ長期刑を言い渡された.長期といっても,刑期は長く実質的に終身刑だった.1978年と1979年に,大統領ジミー・カーターにより彼らは赦免され,4名全員,すなわち Lolita Lebrón, Rafael Cancel Miranda, Andres Figueroa Cordero, Irvin Flores Rodríguez がプエルトリコに帰国した.

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タイラー・コーエン「ドクター・ファウチのシュトラウス主義(蒙昧論法)」(2020年12月24日)

Dr. Fauci, Straussian
by Tyler Cowen December 24, 2020 at 2:01 pm in Medicine Science

ドクター・ファウチは、何百万ものアメリカ人が指針が求めている人物であり、トランプ政権でアドバイザーを務めており、次期バイデン政権でも務める予定の人物だが、最近になって、集団免疫の推定値を徐々に引き上げ始めている。

パンデミックの初期だと、彼は、ほとんどの専門家と同じく60~70%の推定値を持ち出す傾向があった。一月ほど前、彼はテレビのインタビューで「70ないし、75%です」と言い始めた。そして先週、CNBCのインタビューでは「75ないし、80ないし、85%です」や「75から85%以上ですね」と言っている。

翌日の電話インタビューで、彼は、徐々に、しかして意図的にゴールポストを動かしているのを認めた。ファウチ曰く、「私がポストを動かしているのは、ある理由では新しい科学的知見に基づいているからですよ。でも別の理由もあります。それは自分の本当の考えを、国がやっと聞く準備ができたからなんです」と。

「受け入れるには困難かもしれませんが、ウィルスを封じ込めるには90%近くの集団免疫が必要になるかもしれないと私は考えています。これは、麻疹の流行を止めるのに必要な数値とほぼ同じです」とファウチは語っている。

有名な疫学学者は、ファウチが出した結論について尋ねられて、「彼が正しいと証明されるかもしれない」と述べた(略)。

ドクター・ファウチは、「私は数週間前だと、公に集団免疫の推定値を高くするのに躊躇していました。アメリカ人の多くが、ワクチンを摂取するのに躊躇しているように感じられたからです。国家として集団免疫を獲得するためには、アメリカ人はほぼ例外なくワクチンを受け入れる必要があるでしょう」と語った。

以上引用したニューヨーク・タイムズの記事の全文はここだ。いくつかの要点は以下となる:

1.たしかに、シュトラウス主義(蒙昧主義)は、これまで一般理論として説得力をもってきた。

2.ファウチは、多くの人から、「反トランプ」として偶像視されているが、リスクを伝達する人間としては無惨な存在である。これは、彼が最近、何種類かのワクチンを大して「効果が少ない」と攻撃したことからも裏付けられる。(こういったワクチンは、適正に使用すればそれでも有効に機能する可能性がある)。彼の以前のマスク〔には効果がない〕との発言は触れるまでもないが、3月半ばの船旅の安全性についての発言もそうだ。「ファウチをどう把握するのか?」これは、実際かなり良いリトマス試験紙になている。

3.FDAの一連の行為について、〔ファウチという〕内部関係者が話している。これは全て信用すべきなのだろうか?

4.僕は、集団免疫の閾値が何なのか一切分からないが、この件(あるいは他の案件)私は真実を語ろうと努力しているのだということは保証しておく。僕が提唱する蒙昧主義は、僕自身がコミュニケーションのときに「こうすべきだ」と考える規範的理論ではなく〔つまり私は裏のあるような言い方をしようと思っているわけではなく〕、「世の中は実際こうなっている」という実証的な理論であって、その正当性がまたもや立証されたというわけだ。

コーエン & クルーグマン「インタビュー, pt.6: ニューヨーク市について」(2018年10月10日)

[“Paul Krugman on Politics, Inequality, and Following Your Curiosity,” Conversations with Tyler, Oct. 10, 2018]

コーエン: あなたの見解だと,ニューヨーク市はひとつのまとまりとしてどれくらいうまく運営されてると思います?
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タイラー・コーエン「この実験でなにかしら学べそうだね?」(2020年11月22日)

[Tyler Cowen, “I guess we will learn something from this experiment,” marginal Revolution, November 22, 2020]

香港では,Covid-19検査で陽性となった人に一回きりで5,000香港ドル〔67,000円弱〕を支払う.Covid-19検査を受けるよう奨励するのがねらいだ.食物・衛生局ソフィア・チャン局長が語った.

ブルームバーグ記事全文はこちら.(via Jackson)

タイラー・コーエン「ラジオと暴動」(2020年11月21日)

[Tyler Cowen, “Radio and riots,” Marginal Revolution, November 21, 2020]

かつて,1960年代の人種暴動はアメリカでもっとも暴力的かつ破壊的な民族的暴動だったが,その後,人種暴動は減少してきている.だが,そうした暴動を説明する単一の共通要因はいまだ見出されていない.黒人向け番組を放送していたラジオ局全ての新規データセットをもちいたところ,メディアが暴動におよぼす影響はかなり大きく,統計的に有意であることがわかった.そうしたラジオ局からの受信の限界的増加につき,暴動発生の確率と暴動の激しさがそれぞれの平均水準が 7% と 15% 上昇することにつながると推定される.本稿では,この背後にある7つのメカニズムを考察し,ラジオ番組聴取の量・質・長さがいずれも決定的な要因となっていることを論じる.

上記は,Andrea Bernini最近の論文から引用した.著者はオックスフォード大学博士課程にいて,いま求職中だ.

タイラー・コーエン「豚インフルエンザワクチン割り当ての政治経済」(2020年11月21日)

[Tyler Cowen, “The political economy of Swine flu vaccine allocation,” Marginal Revolution, November 21, 2020]

これまでの研究では,官僚制度に関連した各種の結果を説明するのに「議会優位」の効果が要因として取り出されてきた.本分析では,議会優位の概念を H1N1 すなわち豚インフルエンザのワクチン投与の割り当てに敷衍する.ワクチンが配布されはじめた当初の期間に,関連する下院監督委員会に民主党系選出議員がいる州では,議員1人につきおよそ6万の追加投与を受け取っている.ただし,この政治的な有利は,ワクチンの流通がはじまって3週間後には消失している.ワクチン割り当てに関する意思決定に政治的要因が役割をはたしたのは,ごく短期的にワクチン供給が不足していたときだけだったのだ.若年層や初期対応者など,疾病管理予防センター (CDC) が特定したリスク保有集団により多くのワクチンが投与されることはなかった.それどころか,わずかながらワクチンユニット数は他より少なかった.

上記は,Matt E. Ryan による Economic Inquiry 掲載論文から.(Via Henry Thompson)

タイラー・コーエン「いたるところに市場あり:コロナのご時世の航空会社編」(2020年11月20日)

[Tyler Cowen, “Covid travel markets in everything,” Marginal Revolution, November 20, 2020]

台湾最大手キャリアの1つ,エバー航空は旅行体験企業 Mobius と提携して “Fly! Love is in the Air” というキャンペーンを展開している.同キャンペーンは,独身者向けフライトで,クリスマス・大晦日・元日に飛行する.

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