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タイラー・コーエン「著作家が賞味期限を長く延ばす方法」(2020年2月6日)

[Tyler Cowen, “How public intellectuals can extend their shelf lives,” Marginal Revolution,February 6, 2020]

知識人が質のいい著作活動を続ける期間がああも短い理由について, Scholar’s Stage が長文記事を書いている.著作家が賞味期限を延ばすコツについて,ぼくなりにいくらか書いてみよう.べつに,ぼく自身がそういうコツを全部きっちりやってってわけじゃない.ぼくのやってることじゃなくて言ってることを参考にしてもらいたい.
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タイラー・コーエン「就任時のCEOたちの年齢をプロットしてみると」(2020年1月31日)

[Tyler Cowen, “CEO ages at hire,” Marginal Revolution, January 31, 2020]

こんな意味深な傾向がある.S&P 500 企業で CEO たちが就任したときの平均年齢は,過去14年間で 14歳上がってきてる.

1980年から2001年までのあいだに CEO の平均年齢は 4歳下がり,2005年から2019年のあいだに新 CEO 就任時の平均年齢は 14歳上がってる!

つまり,CEO の平均的な生まれ年は 2005年から変わってないってことだ.すごく成功してる現代企業の CEO になるかどうかをいちばんうまく予測する要因ってなんだと思う?

ベビーブーマーかどうかだよ.

続きは Paul Millerd のこれを参照.

タイラー・コーエン 「ビジネスマンが選挙に出馬するのはなぜ?」(2007年4月5日)

●Tyler Cowen, “Why do businessmen run for public office?”(Marginal Revolution, April 5, 2007)


イタリア観光も終えて帰路の真っ只中なのだが、イタリアにいたせいか、こういう話に自然と目が向いちゃうね1

民主主義の成熟度が低い国では、ビジネスマンは、議員ないしは首長といった公職にありつくことを通じて、公共政策の立案に直接関わろうとする。その一方で、民主主義の成熟度が高い国では、ビジネスマンは、公職にありつく以外の手段2を通じて、公共政策に影響を及ぼそうとする。本稿で組み立てられたシンプルなモデルから導かれる予測によると、ビジネスマンが公職にありつくために選挙に出馬するのは、以下の二つの条件が満たされる場合に限られることになる。まず一つ目の条件は、民主主義の成熟度が低い国においてそうであるように、選挙で掲げた公約の遵守を促す制度が整っていないこと。公約を破っても大してお咎めを受けないようであれば、公共政策を自分の意に沿うように操って私的なレントを手に入れる余地が生まれることになる。私的なレントに惹かれて、ビジネスマンも(自らのビジネスに有利になるように公共政策に手を加えられる地位にありつくために)選挙に出馬するというわけである。次に二つ目の条件は、公共政策を自分の意に沿うように操ることで得られるうま味(私的なレント)が大き過ぎないこと。公職にありつくことに伴って得られる私的なレントがあまりに大き過ぎると、職業政治家の立候補が相次ぐことになり、それに伴って(勝ち目は薄いと踏んで)ビジネスマンは選挙への出馬を見合わせる格好となるのである。本稿ではロシアの地方選挙のデータに分析を加えているが、モデルの予測と整合的な実証結果が得られている。すなわち、1)「報道の自由度」も「行政の透明性」も高く、それゆえ、選挙で掲げた公約の遵守を促す制度が整っている(公約を破ると、手痛いしっぺ返しを覚悟せねばならない)地域(選挙区)に加えて、2)「報道の自由度」も「行政の透明性」も低いが、公職にありつくことに伴って得られる(天然資源の豊富さによって測られる)私的なレントが並外れて大きい地域(選挙区)では、ビジネスマンは選挙への出馬を控える傾向にあるのである。

論文のリンクはこちら。この論文はこちらのセミナーで発表されたものだが、「民主主義はいかにして暴動(市民による暴動)のコストを低く抑えているのか?」をテーマしたジェームズ・フィアロン(James Fearon)の論文も同じセミナーでお披露目されてるみたいだね。

  1. 訳注;おそらくは、ベルルスコーニあたりのことが念頭にあるのだと思われる。 []
  2. 訳注;議員や首長への陳情だったり献金だったりといったロビー活動など。 []

タイラー・コーエン 「ビジネス経験を有する政治指導者は『ただ乗り』しがち? ~国際公共財の一種たる集団安全保障を例に~」(2020年1月24日)

●Tyler Cowen, “Are political leaders with a business background any different?”(Marginal Revolution, January 24, 2020)


・・・(略)・・・ビジネス経験を有する政治指導者は、集団安全保障への協力を渋りがちとの仮説が浮かび上がってくることになるが、なぜそうなのかというと、利己的だからというのがまず一つ目の理由。〔自己効力感(セルフ・エフィカシー)が高く、それゆえ、〕(集団安全保障への協力を怠っていたとしても)いざという時は同盟国に頼れる(自国を守るために同盟国を説得して助太刀してもらうように持っていけるだけの力が自分にはある)と信じて疑わない傾向にあるからというのが二つ目の理由である。NATO(北大西洋条約機構)への加盟国のうち、アメリカを除く17カ国の1952年から2014年までの防衛費のデータを分析したところ、件の仮説と整合的な実証結果が得られた。ビジネス経験を有する政治指導者は、ビジネス経験の無い政治指導者に比べると、効用の最大化に向けて利己的に振る舞う可能性が高い。本稿で得られた分析結果はそう示唆している。

論文のリンクはこちら。論文の著者はマシュー・ファーマン(Matthew Fuhrmann)。かの情報通たるケビン・ルイス経由で知ったもの。

タイラー・コーエン 「トクヴィルの慧眼 ~民主主義国家が不得手とする二つのこととは?~」(2014年8月9日)

●Tyler Cowen, “Tocquevillean sentences to ponder”(Marginal Revolution, August 9, 2014)


民主主義国家の国民が苦手で苦手でならないことが二つある。まず一つ目は、(どこかの国を相手に)戦争を始めること。そして二つ目は、戦争を終わらせることだ。

・・・と語るのはアレクシ・ド・トクヴィル

タイラー・コーエン「40年前のトラクターがいまアツい――実用品として」(2020年1月8日)

[Tyler Cowen, “40-year-old tractors are now a hot commodity,” Marginal Revolution, January 8, 2020]

1970年代後半から1980年代にかけて生産されたトラクターが中西部でこのごろ人気商品になっている――べつに,骨董品としてではない.

コストに敏感な農家は,お得な掘り出し物を探し求めている.この時代のトラクターは,つくりがしっかりしていて機能面も問題ない.しかも,洗練されたソフトウェアで動作する最近のモデルとちがってややこしくない上に修理代も高額にならない.

「こういうトラクターに囲まれて育った人間なら,愛着を覚えるもんで,それも要因ではありますがね.でも,それだけじゃないんですよ」とピーターソンは言う.「こいつらは頑丈そのものなんすよ.1万5000時間使ってもまだ動くし,どっか壊れたらすぐ直せちまう.」

ネブラスカを本拠とするディーラーの「BigIronオークション」は,先月,3,300台の農業機器をオンラインのオークションに出して2日でさばいた.このディーラーは,2019年に「ジョンディーア 4440」モデルのトラクターを 27台販売している.

ジョンディーア社がアイオワ州ウォータールーの工場で1977年から1982年にかけて製造した同モデルは,内部部品にいっそう強固で重いものを使用してより出力の大きいエンジンを支えたトラクターで,同社の「アイロンホース」シリーズのなかでも一番人気だった.大きく安全なキャビンをもち,1960年代に登場していまや標準になった設計をさらに発展させていた.

このトラクターが,動作時間が短い完動品の状態で売りに出ると――トラクターはたいてい 1万2000時間~1万5000時間の耐久性能がある――すぐさま競り合いの戦争がはじまる.レイクシティで農業機器オークションに動作時間 2,147時間の1980年製ジョンディーア 4440 が出てくると, 43,500ドルで落札された.8月にビンガムレイクで動作時間わずか 826時間の1979年製ジョンディーア 4640 がオークションに出ると,61,000ドルで落札された

もしかしてトラクターは大停滞してるのかも.ことによると,製品として後退してる部分すらあったり? Adam Belz の記事はこちら.(via Naju Mancheril)

タイラー・コーエン「知性格差が拡大中?」(2019年12月5日)

[Tyler Cowen, “Is the inequality of intelligence increasing?” Marginal Revolution, December 5, 2019]

「重大な格差とは~」と,かつてよく言われたものだけど:
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タイラー・コーエン「大卒プレミアムが *ゼロ* に?」(2019年12月26日)

[Tyler Cowen, “Is the college wealth premium *zero*?” Marginal Revolution, December 26, 2019]

これはなんともびっくりだ:

大卒でない家族の所得に比べて,大卒の世帯主がいること以外は似ている家族が余計に稼ぐ所得を大卒の所得プレミアムという.この大卒プレミアムはいまもプラスではあるものの,近年の卒業生を見てみると下落が続いている.大卒の資産プレミアム(〔大卒でないこと以外は似ている人たちと比べたときの〕追加の資産)は,1940年以降に生まれたすべての世代で顕著に下がり続けている.1980年代生まれの非ヒスパニック系白人世帯主を見ると,大卒の資産プレミアムは歴史的な低水準にある.他の人種・民族集団をみると,統計的にゼロと区別がつかない[太字強調はコーエンによるもの].2016年消費者金融調査ではじめて利用できるようになった変数を用いて検討したところ,本人の親の教育水準を揃えた場合,大卒と院卒の所得・資産プレミアムは 8%~18% 下がるのがわかった.また,回答者の金融に関する見識を示すさまざまな計測値――これには生得的な部分もあるかもしれない――を揃えて比較したところ,大卒・院卒の学位が加える価値は 30%~60% 低下していることもわかった.これらを総合すると,大学・大学院の教育を金融投資として見た場合,近年の卒業生では失敗になっていることが我々の分析結果からうかがえる.本稿では,さまざまな説明を検討し,大卒資産プレミアムが低下しているのは,生まれた年による偶然・金融の自由化・高等教育のコスト増大に起因しているかもしれないという結論を示す.

上記は,William R. Emmons, Ana H. Kent, Lowell R. Ricketts による論文からの引用だ.著者たちはセントルイス連銀の所属で,どこかの(大学で教育を受けた)変人ではないよ.

Via 優秀なる Samir Varma

タイラー・コーエン「堅実性 vs. 長時間労働」(2019年11月25日)

[Tyler Cowen, “Conscientiousness vs. working hard,” Marginal Reovlution, November 25, 2019]

韓国は堅実性で下から2位だが,労働時間で見ると1位にある.韓国は例外ではない.国レベルでみたビッグファイブ性格特徴の報告書によると,堅実性は労働時間と関連していない.さまざまな国で,労働時間と堅実性のランクは負の相関を示している.ただし,統計的に有意ではない.

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タイラー・コーエン「男女交際に関する実におどろきのデータ」(2019年11月16日)

[Tyler Cowen, “Pretty stunning data on dating,” Marginal Revolution, November 16, 2019]

全体をとおして面白いけれど,ばつぐんに面白いのは pp.5-6 で,男性が女性をどう評価するのかと,女性が男性をどう評価するのかを比較している.そのうち,半分はこんな感じ〔交際相手マッチングサイト OKQupid のデータ〕:
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