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タイラー・コーエン「無神論者はどうしてこんなに不人気なのか?」(2021年3月1日)

[Tyler Cowen, “Why are atheists so unpopular?” Marginal Revolution, March 1, 2021]

Tomas Ståhl の新研究論文から:
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タイラー・コーエン「2番目に安いワインはボッタクリってほんと?」(2021年6月1日)

[Tyler Cowen, “Is the second-cheapest wine a rip-off?” Marginal Revolution, June 1, 2021]

Mussa & Rosen (1978) の研究で示された製品ラインの標準的経済分析からは,より高品質な製品ほど,絶対的な利幅は高くなることが含意される.一方,ワイン・リストにはこの特徴が当てはまらないと広く主張されている.レストラン経営者は2番目に安いワインを割高に設定していると信じられている.そうする理由は,知識のないディナー客が最安の選択肢を選ぶのを恥ずかしがるのを利用するためなのだと言われる.本稿では,どちらの説が正しいのかを検討する.本研究では,2番目に安いワインの利幅は,それより価格が高い4つのワインよりも顕著に小さいのが見出される.2番目に安いワインがとりわけろくでもない買い物だというのは,都市伝説だ.パーセンテージで見た利幅は,中価格帯のワインでもっとも大きくなっている.これは,行動の要素がなく垂直に差別化された製品ラインでの利潤最大化価格設定と整合する.ただし,他の要因もこの価格パターンに寄与しているかもしれない.

上記の抜粋は,David de Meza & Vikram Pathania による新論文から.via The Browser(ここはお金を払う値打ちがあるよ).

スコット・サムナー「知的体制順応についてイグレシアスが語ってること」(2021年5月27日)

[Scott Sumner, “Yglesias on intellectual conformity,” TheMoneyIllusion, May 27, 2021]

マット・イグレシアスがこんなことを書いている:
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タイラー・コーエン「Twitter の作用についてマット・イグレシアスが語ってること」(2021年5月27日)

[Tyler Cowen, “Matt Yglesias on the dynamics of Twitter,” Marginal Revolution, May 27, 2021]

ソーシャルメディアはまぎれもなく社会的(ソーシャル)だ――つまり,ソーシャルメディアでは,ウチ集団とソト集団をつくってウチ集団に順応する圧力が信じられないほど強くかかる.コットンやポンペオを尊崇していて世間にコットン=ポンペオ思想の信奉者として知られたがってでもいないかぎり,科学者どうしの内輪で少数派の見解をわざわざ声に出して語ろうなんて気はそうそう起きないものだ.科学にいそしむこともできるのに,日がな一日 Twitter で言葉の泥仕合をしてすごす理由なんてあるだろうか? Twitter をざっと眺めて,これぞ「科学者」って感じの人たちがしかじかの話題について考えてることの印象を固めたところで,ありもしない共通見解を認識してしまう.賛否が7対3で分かれる話題があったとして,その3割が声を潜めていたら,傍目には 98対2 に賛否がわかれてるように見えてしまったりする.

ぼくは科学にはあまり通じてないから,これが一般にどれほど当てはまるものなのか見識を持ち合わせてはいない.

でも,経済学の場合だったら,よく知ってる.経済学では,これは大問題だ.誰かが,キミと同意見のツイートをしたとしよう.それなら,RT したりちっちゃいハートマークの「いいね」をつけたりして歓迎しやすい.誰かのツイートに異論を挟むとなると,ケンカがはじまってしまう.逆に,ケンカをおっぱじめるよりも,いっぱい RT されたり「いいね」がつけられたりして歓迎されるツイートをする方が,ずっと心地いい.そんなわけで,経済学で Ph.D をとった人たちと話した経験からぼくが知ってることを言うと,自分の属している界隈で不人気だと思ってることを発言しないように経済学 Ph.D もちのほぼ誰もが多くの場合に避けてる.〔Twitter など人目がある場所にくらべて〕もっとくつろいだかたちで時間を割いて話をしてみないかぎり,思っている以上に異論や意見の衝突は多いんだとわからない.

これはいろんな専門領域に当てはまるんじゃないかとぼくは強く疑ってる.そのせいで,あちこちでニセの共通見解の錯覚にとじこめるバブルがたくさん生まれていて,すごく人々の誤解を誘うことになりうるんじゃないだろうか.そして,ぼくには解決案のもちあわせがない.

イグレシアスの Substack 投稿全文はこちら.ぼくはよろこんで有料購読者になった.もちろん,もっと射程の広い問いもある.つまり,こうした問題をどうすれば制限できるんだろうか? 偽名ツイッタラーや執筆者がもっと増えればいい? 自分の評判を大して気にかけない気むずかし屋の年配者がもっと増えればいい? Substack で書く人がもっと増えればいい? 他の案は?

ノア・スミス「どうしてみんなインフレをいやがるの?」(2021年5月27日)

[Noah Smith, “Why do people hate inflation?” Noahpinion, May 2021-05-27]

1970年代の賃金を考えてみよう.


〔「最重要問題」の主な傾向,1939年~2008年(ギャラップの世論調査)〕

いまインフレでパニックになるべきではないとぼくは思ってる.でも,インフレの話がだんだん世間の主流であらためて議論されはじめてるなかで,次の点は考えておいて損はない:そもそも,なんでインフレを気にするんだろう?
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アレックス・タバロック「あらゆるワクチン接種カードに宝くじをつけよう」(2021年5月24日)

[Alex Tabarrok, “Staple a Lottery Ticket to Every Vaccination Card,” Marginal Revolution, May 24, 2021]

このところしばらく,ワクチン接種カードに宝くじ券をつけるのをぼくは推してる.だから,オハイオ州がワクチン接種宝くじを導入したのを皮切りに,ニューヨーク,メリーランド,オレゴンも続いたのはいいことだと思ってる.さらに,このプログラムはうまく機能してるようだ.『ワシントンポスト』の Philip Bump がこう述べている:
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タイラー・コーエン「大集団での協力にも適するようにヒトは進化した?」(2021年5月23日)

[Tyler Cowen, “Did humans evolve to be suited for large-scale cooperation as well?” Marginal Revolution, May 23, 2021]

ボイド & リチャーソンの新しい論文から:

本稿では,移住しながら狩猟・採集で暮らしていた社会が大勢で協力して共同財を生み出していた証拠を提示する.狩猟民たちは大規模な共同体での狩猟に従事し,共有の資本設備をつくりあげていた.彼らは地域環境の改善に共同で投資していた.さらに,戦争・同盟関係・交易にも参加していた.大規模な集団行動は,生存するうえできわめて重要な役割を果たすことも多かった.公共財をもたらす際には,多人数の共同行動がなされ,個々人の貢献は小さなものにとどまった.この証拠からは,ヒト進化史の大半にわたって続いた更新世社会で大規模協力が発生し,したがって,小集団でのやりとりでのみ進化し形成された心の仕組みから完新世の食物生産社会がうまれ,そこで大規模な協力がなされるようになった見込みは薄いことが,うかがいしれる.ヒトの大規模な協力は適応として説明される必要がある.その根っこは,ヒトに独特な生物学的仕組み・文法をもつ言語・向上した認知能力・累積的な文化適応にある見込みが大きい.

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サイモン・レン=ルイス「インド変異株がイギリス国内に広まったのは,コロナウイルスと暮らす必然的な結果か?」(2021年5月17日)

[Simon Wren-Lewis, “Is the spread of the Indian variant in the UK an inevitable result of living with COVID?” Mainly Macro, May 17, 2021]

迅速に手を打つ

COVID-19 のインド変異株 (B.1.671.2) は,いまやイギリス各地にかなり定着してしまい,急速に広まってきている.北東部の感染者数は増加中で,とりわけ若年層で急激だ.この変異株についていま何がわかっていて,どう感染拡大しているか(インドから来た感染者を除外)を詳しく分析した話を読みたいなら,Christina Pagel (@chrischirp) をフォローするのがいちばんいい.たとえば,これを参照.Pagel をはじめとする専門家たちの考えでは,この変異株は大いに懸念すべきであり,今日の都市封鎖緩和は取りやめるべきだったそうだ.
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タイラー・コーエン「人口から規制が予想できる――けど,なんでだろ?」(2021年5月21日)

[Tyler Cowen, “Population predicts regulation — but why?” Marginal Revolution, May 21, 2021]

全米の州で,人口規模が2倍になると規制が 23%~33% 増える.


〔※ヨコ軸は2000年時点の人口(百万),タテ軸は2018年時点の規制総数(千)〕

この規制と人口の相関は驚くほど頑健だ――オーストラリアの州でもカナダの州でも成り立っているし,限られたデータにもとづいて言えば,さまざまな国々どうしにも成り立っているらしい(たとえば,「自由市場」の合衆国の方が,カナダよりも規制が10倍多い――そして,人口も10倍だ)

相関ははっきりしている一方で,この相関がそこまで強い理由はそんなにはっきりしない.Mulligan & Sheifer の研究では,その理由を規制の固定費に求めている:つまり,政体の規模が大きくなればなるほど,より多くの人たちにそのコストを分散できるので,規制の平均コストは安上がりになる.それで,人口の大きい国ほど規制をやりがちってわけだ.他にも説明が2つ思いつく:政体が大きいほど規制に見あるだけの外部性が生じるのかもしれないし,あるいは,規制によって生じる便益は一部に集中しつつもコストは広く分散するとしたら,人口が大きくなればなるほど規制に打撃を受ける人たちが団結して反対しにくくなるのかもしれない.

引用した James Bailey のブログ記事が参照してる研究は,James Bailey, James Broughel & Patrick McLaughlin によるもの.3人のうち,Broughel と McLaughlin は Mercatus〔ジョージメイスン大学の研究所〕の同僚だ.

Ball et al.「アメリカのインフレ率:離陸確実か?」(2021年5月7日)

[Laurence Ball, Gita Gopinath, Daniel Leigh, Prachi Mishra, Antonio Spilimbergo, “US inflation: Set for take-off?” VoxEU, May 7, 2021]

いまアメリカで進行中の財政拡大はどこまでインフレを押し上げると見込まれるだろうか? 本コラムでは,次のことを示す新たな証拠を提示する――すなわち,COVID-19 危機がはじまって以降,これまでのところ,消費者物価指数 (CPI) の基調(加重中央値)は安定して下がってきている.これは,歴史的なフィリップス曲線の関係からおおむね予測されるとおりだ.一部の論者が予測するように進行中の財政拡大によって失業率が 1.5%~3.5% に下がったら,2023年までにインフレ率の基調は約 2.5%~3% にまで上がりうる.財政拡大が一時的なものにとどまり,金融政策が引き続き断固としたものでありつづけ,明快にこれが〔世間に〕伝えられつづければ,1960年代タイプのインフレスパイラルのリスクはほぼないにひとしい.
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