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アレックス・タバロック「悪いニュースを出すなら金曜に:製薬会社もね」(2019年11月1日)

[Alex Tabarrok, “Release Bad News on a Friday,” Marginal Revolution, November 1, 2019]

「悪いニュースを公表するなら金曜に」――政治家ならずっと昔から知っていたことだ.そして,どうやら製薬会社も同じようにするらしい.

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タイラー・コーエン「結婚する誘因の減少と労働力からの男性の撤退」(2019年10月31日)

[Tyler Cowen, “Declining marriage incentives and male withdrawal from the labor force,” Marginal Revolution, October 31, 2019]

1965年以降,これほど多くの若い男性が労働力から撤退しているのはなぜだろうか? 本稿では,男性が就業して婚姻パートナーとしての価値を高めるのに時間を投資するモデルを提示する.この時間投資に対する婚姻市場での見返りが低下すると,あまり望ましくなくなった婚姻市場に対応して,若い男性の就業も低下する.この予測をデータと照らし合わせることで,婚姻における性別役割の特化がもつ価値を低下させる2回の介入のあと,就業をもとめる若い男性が減ることを本稿は示す.その2回の介入は,次のとおり:i) 一方的な離婚制度の採用と,ii) 需要に応じた女性の就業機会の改善.次に,本稿では構造的な推定を用いて,労働市場に生じたショックが雇用に及ぼす影響を,そのショックに対する婚姻市場における内生的な調節が決定することを示す.こうした発見により,若い男性の労働市場参加の低下に婚姻市場の変化が重要な要因としてはたらいていることが確認される.

上記は,ミシガン大学で雇用市場の研究で博士号をとろうとしている Ariel J. Binder雇用市場論文から.

サイモン・レン=ルイス「EU離脱は知識としての経済学の否定」(2019年10月22日)

[Simon Wren-Lewis, “Brexit is a denial of economics as knowledge,” Mainly Macro, October 22, 2019]

とある有名な EU離脱支持者がこんなことを言った――レン=ルイスが腹を立てるだけでも,EU離脱はやる値がなきにしもあらずというものだ.EU離脱がなされそうな見通しを思うと,緊縮のときに覚えたのと同じ恐怖で私の心はいっぱいになる.この2つのつながりは,自明ではない.どちらも,基本的な経済学から見てほぼ誰もが痛手を被る政策に一国全体を巻き込む点で共通している.

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タイラー・コーエン「都市の歩きやすさは経済的な階層移動を促進する?」(2019年10月6日)

[Tyler Cowen, “Does walkability boost economic mobility?” Marginal Revolution, October 6, 2019]

貧しい家庭出身の子供たちが,大人になってから経済的な階層のはしごを上に登っていく機会がどれくらいあるのか――これを「世代をまたいだ経済的な上方への移動しやすさ」という (intergenerational upward economic mobility).この移動しやすさは,公正な社会に欠かせない特徴だ.アメリカでは,上方への移動しやすさが地域によって大きく異なっている.本研究は,上方への移動しやすさが都市によって容易であったり困難であったりする理由を検討した.我々の研究は,住民の上方への社会的な移動しやすさの鍵となっている要因が都市の「歩きやすさ」(walkability) にあるとつきとめた.「歩きやすさ」とは,自動車を使わずにどれくらいかんたんに用事をすませられるかということだ.まず,我々は1980年から1982年のあいだに生まれたアメリカ人およそ1000万人の租税データを利用して,歩きやすさと上方への階層移動とに関係があることをつきとめた.この関係は,経済要因と心理要因の両方に関係していることもわかった.366万人以上を対象としたアメリカコミュニティ調査 (American Community Survey) のデータを用いて検討したところ,歩きやすい都市の住民の方が自動車を所有しているかどうかによって雇用や賃金にちがいが現れにくく,上方への階層移動への障害を1つ顕著に減らしていることが明らかになった.これに加えて,2つの研究を実施した.このうち1つは〔データ収集前に仮説や分析計画を〕あらかじめ第三者に登録した研究だ(アメリカ人 1,827名,韓国人 1,466名).これらの研究から,より歩きやすい地域に暮らす人々の方が,地域コミュニティに所属している感覚が強いことがわかった.このコミュニティへの所属感覚は,個人の社会階層の変化と結びついている.

Oishi, S., Koo, M., & Buttrick, N. R. による論文はこちら.via Anecdotal.

スコット・サムナー「中国・アメリカ・日本の購買力平価について少し考える」(2019年9月23日)

[Scott Sumner, “Some thoughts on PPP in China, the US, and Japan,” Money Illusion, September 23, 2019]

中国についてぼくが考え違いをしていたことに,為替レートがある.2010年前半に,ぼくはこう予想していた――「バラッサ・サミュエルソン効果〔散髪みたいな非貿易財よりも自動車みたいな貿易財の生産性が高い国は物価が高くなる効果〕により,ドルに対する人民元の実質為替レートは強く価値が上がるだろう.」 そうはならなかった.さらに,中国を訪れた後でも,その理由はいまひとつわからずにいる.それでもいちおう,中国に行ってみて気づいたことについて,いくつか書いてみよう.

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アレックス・タバロック「モンティ・ホール問題の直観的にわかりやすいバージョン」(2019年9月19日)

[Alex Tabarrok, “The Intuitive Monty Hall Problem,” Marginal Revolution, September 19, 2019]

いろんなパズルは,ある角度から眺めたときには解きにくいのに視座を変えてみたらかんたんになることがよくある.Q&Aサイトの StackExchange に,モンティ・ホール問題と本質は同じで正解を切り替えるかどうかの正しい選択が一目瞭然なものはなにか,という質問があがっている.ジョシュア・B・ミラーが,見事な回答を寄せている.おさらいしておくと,もともとのモンティ・ホール問題では,3つ並んだドアのうち1つにすてきな賞品が待っていて,回答者がどれか1つを選ぶと,司会者のモンティ・ホールが残り2つのうち1つを開けてハズレなのを見せる(開けるのは必ずハズレの方だ).これを見たあとで,ドアの選択を切り替えるか,それとも最初に選んだままにしておくか? たいていの人は,切り替えるべき理由を見出さない.あのポール・エルデシュですら,切り替えない派だった.さらに,切り替えると答える人も,たいていは,直観的にわかりにくいベイズの確率計算をやってその結論にたどり着く.

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タイラー・コーエン「紛争の発生頻度は世界でどう変わってきたか」(2019年9月19日)

[Tyler Cowen “Frequency of conflict initiation worldwide,” Marginal Revolution, September 19, 2019]

上の画像は,Bear F. Braumoeller が書いた興味深い新刊『現代における戦争の永続』(Only the Dead: The Persistence of War in the Modern Age) から.

この本は,世界がだんだん平和になってきているっていうピンカーの説を批判するのに大部分を割いている(ピンカーはヨーロッパ限定の,より楽観的なデータだけを示している).本文から抜粋しよう:

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アレックス・タバロック「アクティブ・ラーニングは機能するけれど学生のお気には召さない」(2019年9月9日)

[Alex Tabarrok, “Active Learning Works But Students Don’t Like It,” Marginal Revolution, September 9, 2019]

一貫して同じ学生と教員を対象にして注意深く実施された実験により,アクティブ・ラーニング〔能動的学習〕の授業の方が学生たちはより多く学ぶものの,このスタイルの授業を学生は嫌い,学ぶものがそれほど多くないと考えていることが明らかになった.べつにものすごく意外な結果ではない――アクティブ・ラーニングは難しくて,学生はまるで自分がバカなような思いをしてしまうものだ.それよりも,イスにふんぞり返ってご立派な講師が巧みな講義でなにもかも単純なように思わせてくれるのを楽しんでいる方がずっとラクだ.

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ニック・ロウ「中銀に弾切れなし:農地の価格政策としての金融政策」(2019年8月23日)

[Nick Rowe, “On not “running out of ammo”: Monetary Policy as Farmland Price Policy,” Worthwhile Canadian Initiative, August 23, 2019]

〔それまで金本位制をとっていた〕とある国の中央銀行が農地の価格を決めて固定した場合を想像してみよう.中央銀行は,「これから1ヘクタールあたり1万ドルで無制限に農地を売買します」と宣言する.すると,「1ドル」は何オンスかの金(ゴールド)を意味しなくなる.1ドルが意味するのは,「1平方メートルの農地」を意味する.

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ダイアン・コイル「昔々,あるところに:物語と感染の経済学」(2019年8月29日)

[Diane Coyle, “Once upon a time,” The Englightened Economist, August 29, 2019.]

これほどいろんなところで物語への関心がぽこぽこ湧き出しているのはとても興味深い.王立協会は,人工知能における物語,ひいては科学における物語に,着目している.『投機バブル:根拠なき熱狂』の著者として(そしてノーベル賞受賞者として)名高いロバート・シラーが新しく出した本の題名は,『物語りの経済学:お話はいかにして伝播し大きな経済的事象を駆動するのか』という.この本のもとになっているのは,2年ほど前にシラーがやった講義だ.冒頭をこう書き出している:「本書は,経済変化の新理論の初手を提示し,定番の経済的要因リストに新しい重要要素を導入する:その要素とは,口コミや報道メディアやソーシャルメディアをつうじて人から人へと伝播して人気を博する感染力のあるお話だ.」

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