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アントン・ハウズ「国家の作り方:中世イギリスに王として転生したあなたは、近代国家を作ることができるだろうか?」(2020年8月28日)

How to build a state
Words by Anton Howes, Works in progress, 28th August 2020

歴史を通じて、国家は、権力の維持に苦闘している。資金を調達したり、市民を統治するためには、民間の護衛官1 や〔民間人の〕用心棒に頼らざるをえなかったのだ。国家は、どのようにして今日の形態に移行したのだろう?

人は、政府が今日のような官僚制度をずっと昔から備えていたと簡単に想定してしまう。17世紀における〔特定利権者への〕独占権の広範な付与や、強大な権力を備えた領土保有貴族のような政治制度は、今より腐敗していた単なる時代遅れの異物のように見えているだろう。19世紀半ばになるまで、政府が医療や教育にほとんど関与していなかった事実は、人々の脳裏からは欠落してるか、我々の先祖達が(戦争に飢えた騎士階級や責任を負うべき貴族に)搾取されていた帰結に過ぎないと思われているだろう。

しかしながら、現代生活のあらゆる側面に公務員が関与している、今日の官僚国家は、比較的最近の発明である。官僚制度がなかった世界では、今と比較すれば国家は行使能力(state capacity)を欠いていたので、当時の君主が持っていた、今とは異なる政策手段を知るのが難しくなっている。

もしあなたが、西暦1500年のイギリスに国王として転生し、王座に就いたとしよう。 [Read more…]

  1. 訳注:主に近代国家以前に、国家によって限定的に権力を与えられた準官吏や民間人のこと []

マット・クランシー「都市はもはやイノベーションのインキュベーター(孵卵器)ではない」(2020年10月7日)

Cities aren’t the innovation incubators they used to be
Words by Matt Clancy, Works in progress, 7th October 2020

リモートワークは、長い間懐疑的に考えられてきており、パンデミックが終わってからもリモートワークが続くであろうことに、多くの人が疑問視している。しかしながら、ローカルワーク〔人と日常的に触れ合う労働形態〕の諸便益が既に減少していっているとしたらどうだろう?

今年に入って、多数主要テック企業、自社の業務の一部を永続的にリモートワークに移行すると発表した。COVID-19が業務に深刻な支障を与えたことの結果である。これに対して、コメンテーター評論家らは、技術労働者を全米に分散させてしまえば、アメリカの技術産業の支柱の一つを弱体化させる恐れがあると警告した。こういった議論は「知識労働者は互いに近くにいると、アイデアや知識の循環が近接促進されるため、イノベーションが加速される」との論拠に基づいている [Read more…]

マーク・コヤマ「伝染病と国家:『健康』と『自由』のトレードオフは回避できるのだろうか?」(2020年8月28日)

Epidemic disease and the state
Words by Mark Koyama, Works in progress, 28th August 2020

西洋民主主義国家は、COVID-19への対応で躓いているようだ。「健康」と「自由」の間には関係性が存在するが、これを解きほぐすことは可能なのだろうか?

アメリカ合衆国は2つのショックで動揺している。新規の伝染病が野放しで拡散していること。ジョージ・フロイドの殺害を受けて始まった抗議活動が制御不能になっていることだ。似たような抗議活動は、人種差別的な警察活動や警官の暴力といった問題ではアメリカと全く異なっているイギリスのような他の西洋国家にも波及している。国家と社会の関係性における危機を、パンデミックは増強することなっている。

これは、部分的であれ国家の有効性の危機だ。ある社会はCOVID-19への対応に苦戦し、また別のある社会は秀でているように見える。なぜだろう? [Read more…]