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ブラッド・デロング 「星条旗の色ってこないでしたっけ? ~星条旗の塗り絵でポカをやらかしたトランプ大統領~」(2018年8月26日)

●Brad DeLong, “How Much Is Left of Donald Trump’s Brain? The Level of Cognitive Decline Here is Close to Being Absolute…”(Grasping Reality with at Least Three Hands, August 26, 2018)


(星条旗の色を塗り間違える大統領。

こちらからは以上です。)

続けてロブ・ベスキッツァ(Rob Beschizza)の記事より。

President Trump colors U.S. flag wrongly in classroom photo op”(「塗り絵の授業で星条旗の色を間違って塗るトランプ大統領。その様子を写真に収められる」);トランプ大統領は星条旗の前でしばらく跪く時間を持つべきなのかもしれない。そうすれば星条旗がどんな見た目かわかるだろうから。以下に「トランパメリカ」国旗を再現したのでご堪能あれ。

ブラッド・デロング 「花の運び人」(2005年5月28日)

●Brad DeLong, “The Flower Carrier”(Grasping Reality with at Least Three Hands, May 28, 2005)


サンフランシスコ近代美術館(SFMOMA)にてディエゴ・リベラ(Diego Rivera)作の “The Flower Carrier”(『花の運び人』)を鑑賞。

ガイド役の職員(学芸員)曰く、「この作品を理解するためには共産主義者――あるいは少なくとも経済学者――のようなものの見方をする必要があります」とのこと。

仰せの通りだ。次の点をおさえておくべし。

  1. 花の運び人にとって一体何が重荷なのかというと、背中に担いでいる花がぎっしり詰まった大きなカゴ・・・ではない。現代資本主義体制下で非熟練労働者として生きること。そのことが骨が砕けんばかりの重荷となってずっしりとのしかかっているのだ。
  2. 花=心地よい贅沢の象徴という意味合いが込められているが、花の運び人は花には一切目もくれない。花には何の使用価値もなく交換価値しか備わっていない1。花の運び人にとっては花はそういう存在なのだ。

『花の運び人』はサンフランシスコ近代美術館に展示されている作品の中でも一番のお気に入りかもしれない。

いや、ウィリアム・ケントリッジ(William Kentridge)作の “Tide Table”(『潮見表』)も捨てがたい。すごくいい。すごくいいんだよ。

artblog: サンフランシスコ近代美術館の二階・・・(略)・・・に向かうために螺旋階段を上る。二階にたどり着くと永久コレクションの中にケントリッジ作の(アニメーション作品である)『潮見表』(2003年制作)を発見。・・・(略)・・・本作品では(ケントリッジの他の作品でも度々登場する)ソーホー・エクスタイン(Soho Eckstein)という名の白人の実業家――ケントリッジの分身――の暮らしと南アフリカに住む黒人の暮らしが交錯する。砂浜(ビーチ)で休暇を過ごすソーホー。すると突如として場面が転換。そこは病室だ。収容されているのはエイズで絶命寸前の大勢の患者。波が寄せては返す。満潮と干潮。満ち足りた人生と干からびた人生。・・・(略)・・・

  1. 訳注;眺めたり飾ったりして楽しむ対象ではなく生計の資を稼ぐための手段でしかない、という意味。 []

ブラッドフォード・デロング「グローバル化に関して読むべき5冊 by ラリー・サマーズ」

Bladford Delong”Larry Summers:TheFive Best Books on GlobalizationGrasping Reality with at Least Three Hands, September 17, 2018


ラリー・サマーズが挙げている「グローバル化に関する最も優れた5冊」は次のとおり1

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  1. 訳注:以下では原文のGoogleへのリンクをamazon.co.jpのものへと差し替えた。 []
  2. 訳注:ほかに「ケインズ全集 第2巻」収録の早川忠訳と救仁郷繁訳「講和の経済的帰結」があるがどちらも絶版。 []

ブラッドフォード・デロング「大衆政治と『ポピュリズム』:『長い20世紀の経済史』抜粋」(6/6)

[Bradford DeLong, “Mass politics and “populism”: An Outtake from “Slouching Towards Utopia: An Econonmic History of the Long Twentieth Century,” Grasping Reality with at Least Three Hands, August 09, 2018]

5.2.6: ルイ・ナポレオンとグローバー・クリーブランド: これは驚きではないはずだ。富と名誉と血縁で閉じられた貴族制がなくなると――〔社会階層の〕上昇移動が可能になると――全面的に人を平等にする社会主義は北大西洋でそれほど魅力的な思想ではなくなっている。最初にこれが見られたのは、1848年のフランスでのことだ。当時、都市の職人たちに完全な雇用を提供するために課税されることをフランス人の圧倒的大多数が望んでいなかったのをアレクシ・ド・トクヴィルは発見している。失業者に機会を提供することよりも自分たちの財産の方を大事にして、トクヴィルと同じく社会主義に反対する側にいたのだ:
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ブラッドフォード・デロング「大衆政治と『ポピュリズム』:『長い20世紀の経済史』抜粋」(5/6)

[Bradford DeLong, “Mass politics and “populism”: An Outtake from “Slouching Towards Utopia: An Econonmic History of the Long Twentieth Century,” Grasping Reality with at Least Three Hands, August 09, 2018]

5.2.5: ジョン・ピーター・オルトゲルドの経歴: オルトゲルドはドイツに生まれた。1848年、生後3ヶ月だったオルトゲルドを連れて両親はオハイオ州に移り住む。南北戦争では北軍に参加。バージニア州タイドウォーターのモンロー要塞でマラリアにかかり、生涯にわたって苦しむことになる。戦後、オルトゲルドは高校を卒業して鉄道作業員や学校教師などをして転々と渡り歩きつつ、どこかで法律を学ぶ。1872年、ミズーリ州サバンナで市法務官 (city attorney)、1874年には郡検事となる。1875年、オルトゲルドは『罰せられるべき我らの機械とその犠牲者』(Our Penal Machinery and its Victims) の著者としてイリノイに姿をあらわす。1884年のオルトゲルドはふるわない民主党議員候補だった――そして、民主党大統領候補グローバー・クリーブランドの強力な支持者でもあった。
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ブラッドフォード・デロング「大衆政治と『ポピュリズム』:『長い20世紀の経済史』抜粋」(4/6)

[Bradford DeLong, “Mass politics and “populism”: An Outtake from “Slouching Towards Utopia: An Econonmic History of the Long Twentieth Century,” Grasping Reality with at Least Three Hands, August 09, 2018]

5.2.4: シカゴランド(シカゴ都市部): では、最前線で政治と経済はどう相互作用したのだろうか?――第一次世界大戦以前の世界でどこよりも急速に成長し工業化を進めていた場所で、政治と経済はどう相互作用したのだろう? その場所、現代でいえば上海にあたる場所とは、シカゴだ。
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ブラッドフォード・デロング「大衆政治と『ポピュリズム』:『長い20世紀の経済史』抜粋」(3/6)

[Bradford DeLong, “Mass politics and “populism”: An Outtake from “Slouching Towards Utopia: An Econonmic History of the Long Twentieth Century,” Grasping Reality with at Least Three Hands, August 09, 2018]

5.2.3: 人民党と進歩主義運動: 中産階級の多く、とくに農民たちは、金持ち・東部人・銀行家のせいで19世紀後半のアメリカがおかしくなっていると非難した。1890年代の人民党(ポピュリスト; the Populists)は、東部の銀行家たち・金本位制・独占企業が悪いと言った。彼らはなにをやったか。貨幣供給(マネーサプライ)を増やし金利を下げ企業物価を上げるために、16対1の比価で銀貨を自由に発行することを追求した。反トラスト法で独占企業を打破しようと模索した。鉄道その他に料金規制を導入して、大半が田園部にある本物のアメリカ人 (real Americans) の屋台骨が都市の鉄道貴族・製造業の独占企業・銀行家といった相手に搾取されないようにしようと模索した。
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ブラッドフォード・デロング「大衆政治と『ポピュリズム』:『長い20世紀の経済史』抜粋」(2/6)

[Bradford DeLong, “Mass politics and “populism”: An Outtake from “Slouching Towards Utopia: An Econonmic History of the Long Twentieth Century,” Grasping Reality with at Least Three Hands, August 09, 2018]

5.2.2: 製造業者たちの貴族政治: 移民と金満家の国は、自作農の国とは大きく異なる(これもやはり、自国生まれの白人成人男性の話だ:「移住してきたアメリカ人はお互いに力を合わせて小屋を建て、お互いの権利主張を尊重していたのです」といったたぐいの〔開拓時代のステレオタイプ的な〕物語では、大事なことを無視している。財産法では、メキシコ人やアメリカ先住民の権利主張は尊重する必要なしとしている点を無視しているのだ。もしも当時彼らがマリアーノ・グアタルーペ・ヴァレーオ〔スペイン領カリフォルニア生まれの軍人、アメリカ上院議員〕の相続人だったなら、ちょうど今日のイギリスでジェラルド・グローヴナー第6代ウェストミンスター公爵が占めている地位に相当するものをいまのカリフォルニアで占めていたことだろう。) 建国の父祖たちが思い描いた空想の世界では、草創期のアメリカ合衆国は自作農の国だった。そして、現実でも大部分はそうだった。
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ブラッドフォード・デロング「大衆政治と『ポピュリズム』:『長い20世紀の経済史』抜粋」(1/6)

[Bradford DeLong, “Mass politics and “populism”: An Outtake from “Slouching Towards Utopia: An Econonmic History of the Long Twentieth Century,” Grasping Reality with at Least Three Hands, August 09, 2018]

人々が――当初は男性のみ,しかも圧倒的多数が白人で,いまにいたるまで成人のみが――選挙権を手にしたとき,彼らはなにをしようとしたんだろう?
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ブラッドフォード・デロング「「マルサスの束縛」と「消極的自由」:『長い20世紀の経済史』抜粋」

[Bradford DeLong, “Imprisonment by Malthus and ‘Negative Liberty,'” Grasping Reality with at Least Three Hands, June 18, 2018]

長い20世紀がはじまった頃,イギリス随一の経済学者にして随一の道徳哲学者,そしてインド政庁の官僚としてかつて大英帝国随一の帝国主義者・支配者でもあったジョン・ステュワート・ミルは,とある本の最終稿の仕上げにとりかかっていた.経済学を学ぼうと思った人が頼りにすることになる同書『政治経済学原理,および道徳哲学へのその応用』(1848年)では,1730年~1870年のイギリス産業革命時代に十分な紙幅を割いている.同書にかぎらず,ミルは産業革命に相応の関心を向けていた.だが,1870年,貧しく惨めだと彼には思えた世界の一隅にミルは目を向ける.その貧しく惨めな地域と当時の大ブリテン島とアイルランドに目を向けつつ,ミルはこう記している:
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