ブラッドフォード・デロング「ネオリベラルの時代は終わった見込みが大きそうだ」(2021年3月22日)

[Bradford Delong, “It Seems Plausible Þt þe Neoliberal Era Is Over…,” Grasping Reality, March 22, 2021]

「見込みが大きい」とは言わずに「ありうる」と言っておけばよかった.ともあれ,賽は投げられた.

ベンジャミン・ウォレス=ウェルズ「ラリー・サマーズ vs. バイデン政権コロナウイルス刺激プラン」から抜粋:

「ネオリベラルの時代は終わった――その見込みは大きそうだ」.バークレー校の経済史家でクリントン政権の財務省副次官補をつとめたブラッド・デロングは言う.[デロングの]推測では,この[経済学者たちの]世界におきた左傾化のだいたい半分は,「市場がみずから回復する能力への信頼がかつてより段違いに弱まった」からだという.(…)デロングによれば,残り半分は,サマーズを孤立させがちな部分だという.デロングはこれを政治状況と世間の感覚に起因するものとみている(「私の考えでは,27年遅きに失したね」).つまり,「共和党は拡張的経済介入についてけっして前向きなパートナーにはなろうとしない」という政治状況と感覚が要因だと彼は見ている.

リベラル系経済学者たちのあいだでは,バイデン政権が理想的な世界でお金をどう使うべきかについて,ほぼ見解の相違がなかった点をデロングは強調する:「私たちの大半は,小切手を渡すよりも〔国民にもれなく給付金を振り込むよりも〕,インフラ投資すべきだと言うだろうね――かりにその選択肢があったとしたら.そして,そんな選択肢が現実にあると思っているのは,ラリーただひとりなんだよ.」 デロング本人の見解では,かりにバイデン政権がインフラをめぐって超党派の合意を形成できるのを期待して刺激策の規模を小さくする譲歩に出ていたら,そんな合意なんて存在しないのを見出していただろう,と考えている.「共和党に交渉パートナーがいない状況では,中道左派の民主党議員たちは左派に目を向けるしかない」とデロングは言う.「これが,実際に起きたことの一例だ.」

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