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ブラッド・デロング 「星条旗の色ってこないでしたっけ? ~星条旗の塗り絵でポカをやらかしたトランプ大統領~」(2018年8月26日)

●Brad DeLong, “How Much Is Left of Donald Trump’s Brain? The Level of Cognitive Decline Here is Close to Being Absolute…”(Grasping Reality with at Least Three Hands, August 26, 2018)


(星条旗の色を塗り間違える大統領。

こちらからは以上です。)

続けてロブ・ベスキッツァ(Rob Beschizza)の記事より。

President Trump colors U.S. flag wrongly in classroom photo op”(「塗り絵の授業で星条旗の色を間違って塗るトランプ大統領。その様子を写真に収められる」);トランプ大統領は星条旗の前でしばらく跪く時間を持つべきなのかもしれない。そうすれば星条旗がどんな見た目かわかるだろうから。以下に「トランパメリカ」国旗を再現したのでご堪能あれ。

タイラー・コーエン 「至る所に市場あり ~寿命が1時間の製品~」(2012年7月17日)/「至る所に市場あり ~あの旗も中国製~」(2008年4月29日)

●Tyler Cowen, “Optimal product durability (Pakistani markets in everything)”(Marginal Revolution, July 17, 2012)


・・・(略)・・・宗教団体が主導する(反米を掲げる)抗議デモの多くはどれもこれも同じパフォーマンスでもってお開きとなる。(アメリカの国旗である)星条旗を燃やして終わるのだ。

・・・(略)・・・宗教団体向けに星条旗を売りつけるサプライチェーンの過半を牛耳っている人物がいる。マムーン・ウル・ラシード氏。30歳。1998年にパキスタンが核実験を行ったことを受けてクリントン政権が経済制裁を発動。学生だったラシード氏はそのことに激怒。それ以来、反米のメッセージが刻まれたプラカードや自家製の星条旗を作るようになったという。昔に比べると比較的冷静な気持ちで星条旗作りに励んでいるとのこと。可燃性の自社製品の寿命の短さについても冷静に受け止めているという。

「丹精を込めて製品を作らせてもらっています。わざわざお買い上げいただくわけですからね」とラシード氏。オフィスはカラチ市でも古くから労働者階級が多く住む地域の一つとして知られているグルシャン・エ・イクバールに構えられている。8フィート×6フィートの間取りの部屋の大部分を占めるデスク。その背後にある椅子に腰掛けて取材に応じるラシード氏。頭には迷彩柄のベースボールキャップを被っている。

「燃やされてしまうことについてどう思うかですって? 我が社の使命は寿命が1時間の(少なくとも1時間は持つ)国旗(星条旗)を作ることにあります。残念な話ではありますが、『買ってから1時間。それだけ持ってくれればいい』というのがお客様の要望であれば我々としてはその声に従うまでです」とラシード氏。

詳しくはこちらを参照されたい。情報を寄せてくれたJake McGuireに感謝。

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●Tyler Cowen, “Markets in everything, China fact of the day edition”(Marginal Revolution, April 29, 2008)


香港メディアの報道によると、中国の南部にある工場がチベットの旗を製造していたために警察の調べを受けたという。広東省にある工場に海外(中国国外)から旗の製作を依頼する注文が入ったのだが、その旗というのがチベット亡命政府の旗だったというのだ。

リンクはこちら。情報を寄せてくれたChristopher Hayesに感謝。

タイラー・コーエン 「国旗のデザインランキング」(2008年1月14日)

●Tyler Cowen, “Which countries have the best and worst flags?”(Marginal Revolution, January 14, 2008)


バージニア・ポストレル(Virginia Postrel)が紹介していて知ったのだが、世界各国の国旗をデザインの良し悪しに応じてランク付けしている試みがあるようだ。どの国の国旗がデザイン面で優れているか(あるいは劣っているか)という問いは思いのほか啓発されるところの多い問いだ。詳細はこちらのページをご覧あれ。ガンビアの国旗第一位に輝いているようだが解せないね。個人的に一番のお気に入りはずっと変わらずブラジルの国旗だ(ブラジルに行ったことがないと気付かないかもしれないが、国旗の中央には「秩序と進歩」という言葉がポルトガル語で記されている)。あとはハイチの国旗もお気に入りだが、その理由の一部は国旗の背後にある歴史――宗主国だったフランスに抗して蜂起するのにあわせてフランス国旗(トリコロール)の白色の部分を取り除いて出来たのがはじまり――にある。日本やスイスの国旗もいいね(記号っぽいという意見もあるだろうけれど)1。月と星が描かれているトルコの国旗なんかはクールなデザインだなあと昔から感じているものだ。

敗者(ランキング下位の国)の一覧はこちらだが、見ていて一番面白いのはこっちだね。AK-47(カラシニコフ銃)が描かれているモザンビークの国旗は最下位争いをしているようだ。フォークランド諸島の旗も「欠陥品」との評価を頂戴しているようだね。

件のランキングを作成しているのはオタゴ大学に籍を置く研究者2。彼がこれまでに公けにした論文の一覧はこちら。ランキングの作成手法の詳細についてはこちらを参照のこと。

  1. 訳注;ちなみに、件のランキングでは日本の国旗は第三位という評価になっている。 []
  2. 訳注;ランキングの作成者であるジョシュ・パーソンズ(Josh Parsons)氏は2017年に44歳の若さで亡くなっているようだ。 []

タイラー・コーエン 「一国の通貨にはいかなる特徴を備えた図柄を描き込むべきか?」(2005年12月17日)

●Tyler Cowen, “What is currency good for?”(Marginal Revolution, December 17, 2005)


素敵なレストランで友人とディナー。楽しいひと時を終えて勘定を払いにレジへと向かう。財布から200フラン紙幣を取り出すとそこにはエイズウイルスが描かれている。

・・・てな事態がスイスで現実のものとなるやもしれない1。とは言え、中央銀行には拒否権があるとのことなのでどうなるかはまだわからない。詳しくはこちらを参照されたい(フラン紙幣の新デザイン案の画像もいくつか紹介されている)。ところで、スイスの通貨は昔からお気に入りの一つだ。中でも一番のお気に入りはオイラー紙幣(数学者のレオンハルト・オイラーの肖像が描かれた旧10フラン紙幣)。物理学者や数学者の肖像が描かれている紙幣の例についてはこちらを参照のこと。

ついでにもう少し一般性のある問いについても検討してみるとしようか。一国の通貨に描かれる図柄はどんな特徴を備えている(どんな役割を担う)べきだろうか? 考え得る候補をいくつか列挙するとしよう。 [Read more…]

  1. 訳注;2005年にスイスで新紙幣の導入にあわせてデザインコンぺが開催され、紙幣の図柄としては一風変わったデザインの作品がグランプリを獲得したことがある。この話題については本サイトで訳出されている次の記事も参照されたい。 ●マーク・ソーマ 「アートとしてのお金」(2018年11月25日) []

タイラー・コーエン 「紙幣の肖像として一番出番が多い人物は誰?」(2004年6月22日)

●Tyler Cowen, “Whose face appears on the most banknotes?”(Marginal Revolution, June 22, 2004)


答えはエリザベス女王(エリザベス2世)。合計で32カ国の紙幣にその肖像が描かれた経験ありとのことだ。2位以下は誰だかわかるだろうか? 結果は以下の通り。

2. クリストファー・コロンブス(12カ国の紙幣に登場)
3. シモン・ボリバル(4カ国の紙幣に登場)
4. ジョージ・ワシントン(4カ国の紙幣に登場)
5. ウラジミール・レーニン(2カ国の紙幣に登場)

データの出所はフォーリン・ポリシー誌2004年7・8月号の31ページだ。

——————————————————————————————————-【訳者による補足】エリザベス女王の肖像が描かれた紙幣の情報についてはこちらのページ(英語)に詳しくまとめられている。折角なので数ある中からほんの一例として以下に二枚ほど画像を紹介しておくとしよう。一枚目に描かれているのは8歳時のエリザベス2世(王女)、二枚目に描かれているのは85歳時のエリザベス2世(女王)。いずれもカナダの20ドル紙幣。

タイラー・コーエン 「紙幣の中から橋を出してみせよう」(2014年12月18日)/ アレックス・タバロック 「紙幣の中から姿を消した『彼』」(2008年7月7日)

●Tyler Cowen, “The culture that is Dutch”(Marginal Revolution, December 18, 2014)


笑いすぎてお腹が痛いとはこのことだ。

全部で7種類あるユーロ紙幣にはそれぞれに異なる建築様式――ルネサンス様式やバロック様式といったヨーロッパを代表する建築様式――の橋が描かれているが、いずれも抽象例であり架空の橋だ。実在する橋ではなく架空の橋が描かれている理由はEUに加盟するいずれかの国に存在する橋を描いてしまうと他の加盟国からやっかみの声があがる可能性があったためである。「欧州中央銀行は実在する橋を紙幣の図柄に使いたくなかったようですが、紙幣の中から橋を引っ張り出してきて実在の橋にしちゃえば(実際に作ってしまえば)どうだろう? 面白いんじゃなかろうか? そう思ったんです」。(橋の設計を請け負った)ロビン・スタム(Robin Stam)氏は本紙の取材に対してそのように答えた。

記事の全文はこちら。ちなみに、見出しは「ユーロ紙幣に描かれている架空の橋がオランダにて建設される運びに」となっている。ユーロ圏を立ち行かせるための大まかでいわく言い難いメタファーにでもなるんじゃないかね。

情報を寄せてくれたJoel Cazaresに感謝。

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● Alex Tabarrok, “Evidence of Absence”(Marginal Revolution, July 7, 2008)


この度中国で(北京オリンピックの開催を記念して)額面が10元の記念紙幣が発行されることになった(Metafilter経由で知った情報)。何かが足りないのだがおわかりになるだろうか?1 裏返してもやはり「彼」はいない(描かれていない)らしいよ。

  1. 訳注:答えは毛沢東の肖像画。中国の紙幣は1元札、5元札、10元札、20元札、50元札、100元札の計6種類あるが、すべてに毛沢東の肖像が描かれている。 []

タイラー・コーエン 「カナダにおける通貨イノベーション ~通貨の刷新に明け暮れるカナダの造幣局~」(2012年4月11日)/ アレックス・タバロック「カナダの通貨にゃ敵わない」(2017年7月8日)

●Tyler Cowen, “The continuing course of Canadian monetary innovation”(Marginal Revolution, April 11, 2012)


カナダの通貨当局(造幣局)はじっとしていられないようだ。まるで落ち着きのない子供のように、通貨の刷新に明け暮れているのだ。プラスチック製の紙幣(ポリマー紙幣)の導入に踏み切ったかと思うと、ペニー硬貨(1セント硬貨)の製造中止を決定。そして今度は暗闇で光る25セント硬貨でお楽しみあれときた。

今回新たに発行される記念硬貨には恐竜の姿が描かれている。暗闇に置くと鱗に覆われた肌の下に隠れている骨格が光って浮かび上がってくる仕組みになっている。

片面に二種類の図柄が描かれている世界初の硬貨と言えそうだ。ちなみに、もう片方の面にはエリザベス女王の姿が描かれているが、女王陛下は暗闇に置いても光りはしないとのことだ。

素材は白銅。市中に流通している25セント硬貨よりもかなり大きめのサイズとのことだ。

記事の全文はこちら。情報を寄せてくれたEva Vivaltに感謝。

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●Alex Tabarrok, “Canadian Money is Better than US Money”(Marginal Revolution, July 8, 2017)


カナダの通貨はアメリカの通貨よりも優れている。まず紙幣。カラフルで水を通さず透明な箇所もあってホログラム入り。すごいよね。次に硬貨。(スターリングシルバーとニオブを素材とする)ニオブ銀貨の(月夜に吠えるオオカミの姿が描かれている)「ウルフムーン」硬貨。誰だって欲しくなろうというものだ。「いや、まだ足りない」とばかりにこの度カナダ王立造幣局はカナダの建国150周年を記念して暗闇で光る硬貨の発行を決めたようだ。まあ、2012年に発行された(暗闇に置くと骨格が光って浮かび上がってくる)かの恐竜硬貨は越えられないけどね。

マーク・ソーマ 「アートとしてのお金」(2005年12月8日)

●Mark Thoma, “Money as Art”(Economist’s View, December 08, 2005)


秀でた交換手段たるためにはいくつかの原理(条件)を満たさねばならない。標準化が容易である(品質にバラツキがない)こと、その価値を計測するのが容易であること、一般受容性を備えている(誰からも広く受け入れられる)こと、持ち運びが容易であること、貯蔵可能であること、耐久性を備えていること、分割可能であること、その数量を容易にコントロールできること。スイス紙幣(フラン紙幣)の新デザイン案は「一般受容性」の原理に抵触する可能性がある。

Swiss distressed over currency redesign”, Bloomberg News:

スイス中が騒然としている。新たに導入される予定の紙幣に胎芽や赤血球が描かれる可能性があるためだ。新紙幣のデザイン案は「ぞっとするばかりです」と語るのはヴェレーナ・グラフ氏。今はもう引退しているが、かつて銀行で文書管理を担当していた人物だ。・・・(略)・・・「私なら人間が描かれている旧紙幣を使い続けるでしょうね」。新紙幣のデザイン案は今年(2005年)の11月に・・・(略)・・・中央銀行(スイス国立銀行)主催のデザインコンペでグランプリを獲得したものだ。・・・(略)・・・「紙幣はスイスという国の名刺に他なりません」。そう語るのはジャン=クリストフ・アマン(Jean-Christophe Ammann)氏(66歳)。フランクフルトモダンアート美術館の前館長であり、デザインコンペの審査委員長を務めた人物だ。・・・(略)・・・しかしながら、審査委員会が下した判断は国民の意見を代弁したものとは限らない。スイスで銀行員として働くビジネスマンの必読紙となっているノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥング紙は・・・(略)・・・新紙幣のデザイン案には「お金が備えるべきエロティシズム」が欠けていると断じている。・・・(略)・・・審査委員会は(チューリッヒ在住のアーティストである)マヌエル・クレブス(Manuel Krebs)氏の案に軍配を上げたが、クレブス氏の案が新紙幣のデザインとして採用されるかどうかはまだ決まっていない1。1991年にも新紙幣の導入に伴ってデザインコンペが開催されているが、その際は三等賞のデザインが新紙幣のデザインとして採用されるに至っている。・・・(略)・・・「原則としては紙幣にはスイスの国柄を象徴する何かが描かれるべきでしょうね。その『何か』として人間(スイスを代表する歴史上の人物)を描いてはダメということになれば代わりに何を描けばいいでしょうか? 山だとかチーズだとかでしょうか?」と語るのはチューリッヒ在住のコンピュータープログラマーであるトマス・ブルウィーラー氏。・・・(略)・・・(デザインコンペでグランプリを獲得したクレブス氏による)10フラン紙幣のデザイン案では表面に球形の惑星が描かれており、裏返すと同じく球形の赤血球が描かれている。(クレブス氏による) 100フラン紙幣のデザイン案では表面に胎芽、裏面に世界地図がそれぞれ描かれており、脳の図柄の透かしも入っている。(デザインコンペの審査委員長を務めた)アマン氏は語る。「スイスではお金に特別な地位が付与されています。数字と署名入りのグラフィックアートという地位です」。・・・(略)・・・

  1. 訳注;最終的にクレブス氏の案は却下され、新紙幣のデザインには次点の案が採用されることになった。 []

タイラー・コーエン 「2万ドル=2万1350ドル ~『一物一価の法則』の例外?~」(2011年9月1日)/「10万枚のペニー硬貨がばら撒かれた噴水 ~ケンブリッジの道端にお金が落ちていたらしいよ。・・・もう持ち去られちゃったけど。~」(2018年9月17日)

●Tyler Cowen, “Markets in everything the law of one price?”(Marginal Revolution, September 1, 2011)


現金に投資するというのは資産運用の方法としては保守的だと見なされているが、今夜メルボルンで開催されたばかりのオークションでそのような見方に異議が差し挟まれた。アートとしての現金は銀行に預けられた現金よりも時として高い価値を備えている。そんな一か八かの賭けに出た強気の買い手が現れたのだ。

ドイッチャー&ハケット社が手掛けるオークションで一発目の品として登場したのは合計2万ドルの札束。『Currency』(「カレンシー(通貨、お金)」)と命名されたアート作品だ。最終的に1万7500ドルで落札。落札者は落札価格の22%の手数料も負担する必要があるため、合計で2万1350ドルの支払いということになる。

新札の100ドル札を100枚積み重ねた札束が二つ。それが『Currency』だ。本作品の制作を手掛けたのはシドニー在住のアーティストであるデニス・ボーボア(Denis Beaubois)氏。オーストラリア・カウンシルから受け取った助成金2万ドルが原資となっている。

落札価格は1万5000ドル~2万5000ドルの範囲に収まるのではないか。ドイッチャー&ハケット社は事前にそのように予測していたというが、本作品に備わる価値を測りかねていたらしいことが伝わってくる。作者であるボーボア氏によると、本作品は法貨(現金)としても使えるとのことだ。

落札者はスイス銀行じゃないみたいだね。記事の全文はこちら。情報を寄せてくれたZac Grossに感謝。

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●Tyler Cowen, “Ain’t no $20 bills on this Cambridge sidewalk…not any more…”(Marginal Revolution, September 17, 2018)


今はもう使われていない噴水に大量にばら撒かれたペニー硬貨。その額はしめて1000ポンド。れっきとしたアート作品だが、その寿命はわずか1日で尽きてしまった。

10万枚のペニー硬貨1が(イギリスの)ケンブリッジのキーサイドにある噴水にばら撒かれたのは土曜日の午前8時(夏時間)のこと。48時間はそのまま放置される予定となっていた。

しかしながら、翌日(日曜日)の午前9時(夏時間)までにペニー硬貨は一枚残らず持ち去られてしまった。ところが、今回のアートプロジェクトを手掛けた「In Your Way」によると窃盗事件扱いはしないとのことだ。

「実に挑発的な結果となりました」と語るのはアート・ディレクターを務めるダニエル・ピット(Daniel Pitt)氏。

噴水にばら撒かれた10万枚のペニー硬貨は(芸術支援団体である)「アーツ・カウンシル・イングランド(ACE)」による(宝くじの収益金を原資とする)助成を通じて調達されたもの。本作品を含めて計5つの作品が週末に市内各地に展示されたという。

「1000ポンド噴水」の制作を担当したのはケンブリッジを拠点に活動するアーティストのアンナ・ブラウンステッド(Anna Brownsted)氏。「本作品の目的は鑑賞者から反応を引き出すことにありました。一種の挑発ですね」とはブラウンステッド氏の言だ。

記事の全文はこちら。Adam, S. Kazan経由で知ったものだ。

  1. 訳注;「1ポンド=100ペンス」なので10万枚のペニー硬貨の総額は1000ポンドということになる。 []

タイラー・コーエン 「不滅の詩」(2009年9月5日)/「所有からの逃走? ~落札されてもeBayに出品され続ける黒い箱~」(2010年1月20日)

●Tyler Cowen, “How to achieve artistic immortality”(Marginal Revolution, September 5, 2009)


・・・(略)・・・科学の力を借りて「不滅」の詩の制作を志すカナダ出身の作家がいる。

その作家の名はクリスチャン・ボック(Christian Bök)。カルガリー大学の英語学科の准教授にして実験詩人。ボックの計画は暗号化した自作の詩を人類が生息できない環境でも生き抜けるだけのタフさを備えた「極限環境微生物」のDNAに埋め込むというもの。

細菌のDNAに暗号化されたテキスト(例えば、『イッツ・ア・スモールワールド』の歌詞)を埋め込む試みは他で既にやられているという。しかしながら、ボックの詩には(テキストを埋め込む対象となる微生物の体内において)タンパク質(ボックの表現では「第二の詩」)を作り出す設計図も含まれており、その点で前例のない試みだという。

(カナダ最大の日刊紙である)グローブ・アンド・メール紙に掲載された記事より。全文はこちら。執筆者はアン・マキロイ(Anne McIlroy)。「アミノ酸配列を決める塩基配列ごとに一文字のアルファベットを割り当てる」ため、語彙の数はかなり制約されるとのこと。「不滅の語」に値する50程度の単語を選び出すのに難儀しているらしい。ボックの略歴についてはこちらを参照されたい。ツイッターもやってるようだよ。

ところで、あちこちのブログを見て回っての大まかな印象だが、カナダの新聞記事を取り上げている例はまだまだ少ないようだね。

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●Tyler Cowen, “Markets in everything: the uncollectible artwork”(Marginal Revolution, January 20, 2010)


フェリックス・サルモン(Felix Salmon)が報じている

『A Tool to Deceive and Slaughter』(『欺瞞と虐殺のためのツール』)はカレブ・ラーセン(Caleb Larsen)の手になるアート作品であり、ただ今eBayにて出品中だ。数日中に落札されないようであれば――最低落札価格は2500ドル――、すぐにもeBayに再出品される。無事落札されたらどうなるかというと、やはり再びeBayに出品される。嘘じゃないよ。売買契約書にもはっきりと次のように記載されている。

【本作品の名前は『A Tool to Deceive and Slaughter』(2009年制作)。7日ごとにオークションサイトであるeBayに自ら出品を繰り返す黒い箱。eBayに自動的に接続する装置が内蔵された黒い箱(黒い立方体)と「作品が1週間ごとに自分で自分を売りに出す」というコンセプトが組み合わさった作品。】