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サイモン・レン=ルイス「専門家とエリート」(2018年12月2日)

[Simon Wren-Lewis, “Experts and Elites,” Mainly Macro, December 2, 2018]

まるで2016年をそっくり再演しているかのようだ.前回の事例が多少でも基準になるとすれば,EU離脱シナリオのもとでイギリスがいまよりどれほど貧しくなるかに関する多くの予測は,イギリス国民のおよそ半数によって無視または等閑視されるだろう.おそらく,いったいどんな事態が進行中なのかを我らがイギリスの国会議員たちが理解できるようになるまで,専門家たちによる発言は完全かつ総体として閉ざしてしまうよう訴えた方がいいのかもしれない.
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タイラー・コーエン「市場を嫌う大学人はなんでこんなに多いんだろう?」(2018年11月27日)

[Tyler Cowen, “Why do so many academics dislike the market?” Marginal Revolution, November 27, 2018]

どうやら結局ノージックは正しかったらしい.Raul Magni-Berton と Diego Rios の論文から抜粋:
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サイモン・レン=ルイス「メディアマクロなお健在:それが暗示する根深い問題」

[Simon Wren-Lewis, “Mediamacro is in rude health, and is also indicative of a deeper failure,” Mainly Macro, November 2, 2018]

今度出版された拙著 [AA] で大きく取り上げている問題に,メディアマクロがある.メディアマクロとは,あたかも政府が家計と同じであるかのように財政政策がメディアで扱われている有様のことだ.メディアでは,まるでケインズなんていなかったかのようだ――学術分野としてのマクロ経済学のはじまりとなった『一般理論』が存在しなかったかのような状況になっている.大学1年生向けの経済学教科書では,かならず「政府は家計とはちがう」と解説しているにもかかわらずだ.
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サイモン・レン=ルイス「医療支出の推移」(2018年11月5日)

[Simon Wren-Lewis, “Health spending over time,” Mainly Macro, November 5, 2018]

NHS への支出が近年増加したことでイギリスの国家支出に医療予算の占める割合が伸びてきているという事実について論評が多少なされている.しばらく Flip Chart Fairy Tales(ブログ)の投稿がなくて物寂しいところでもあるし,今回はグラフ満載で記事を書いてみよう,政治報道で歯がゆいほどに伝えられていない明白な論点を1つ2つばかり指摘したい.
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アレックス・タバロック「有料トイレを合法化せよ!」(2018年11月27日)

[Alex Tabarrok, “Legalize Pay Toilets!” Marginal Revolution, November 27, 2018]

有料トイレはヨーロッパではありふれているけれど,アメリカではめったにみない.そのワケを City Lab でソフィー・ハウスが書いている.アメリカでは,多くの地域で有料トイレが1970年代に違法になったんだそうだ:
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サイモン・レン=ルイス「政府予算と医療」(2017年2月28日)

[Simon Wren-Lewis, “The Budget and Health Care,” Mainly Macro, February 28, 2017]

国民医療制度 (NHS) と社会的ケアへの現在の支出を大幅に増やすべき理由は明白だ.いくつかデータを示そう.1つ目は,イギリスの医療支出が GDP に占める割合が長期間にどう変わってきたのかを示す OECD のデータだ(出典).
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サイモン・レン=ルイス「イギリスの貧困:根っこからの社会変革が進められつつある」(2018年11月19日)

[Simon Wren-Lewis, “Poverty in the UK: radical social re-engineering,” Mainly Macro, November 19, 2018]

英チャンネル4の番組で,国連特別報告者がイギリスの貧困について報告した件を報道したのに続いて,クリシュナン・グル=マーシー〔チャンネル4のジャーナリスト〕と財務相のあいだで議論が交わされた.財務相が貧困と格差の傾向に関するお決まりのあれこれの統計を繰り返し持ち出して説明すると,グル=マーシーがだいたいこんなことを言った――今回の報告書では政府が貧困を認めようとしていないと言っているわけで,いまあなたは報告書が正しいと図らずも証明したわけですね.とはいえ,財務相の言い分には正しいところもある:各種の貧困統計は顕著に悪化してはいないし,日付を注意深く選べばよくなってすらいる.それに,最低賃金の引き上げで貧困層は助かっている(こちらの IFS 参照).
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タイラー・コーエン「科学研究のコスパは悪くなっているのでは」

[Tyler Cowen, “Science is getting less bang for its buck,” Marginal Revolution, November 16, 2018]

『アトランティック』のパトリック・コリソンとマイケル・ニールセンによる記事
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アレックス・タバロック「テクノロジーの文化的継承:試行錯誤で学習…はしないけど改善はするみたい」

[Alex Tabarrok, “Improving But Not Learning by Doing,” Marginal Revolution, October 4, 2018]

名著『人類が成功した秘訣』で,ジョー・ヘンリックは知性がもたらしたのではない複雑な技術製品や営みの事例をいくつも挙げている.そうした製品や営みを産み出したのは,仕組みをろくに理解しないまま文化的に世代をまたいで継承されてきた無数のささやかな改善の積み重ねだ.Derex et al. は,この文化的な世代継承仮説を検証するたくみな実験を披露している.
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サイモン・レン=ルイス「左派はこうして労働者階級の政党であることをやめた」(2018年10月6日)

[Simon Wren-Lewis, “How the left stopped being a party of the working class,” Mainly Macro, October 6, 2018]

トマ・ピケティが最近出した論文について,そのうち書こう書こうと思っていた.ピケティ論文は,第二次世界大戦後のフランス・イギリス・アメリカでどんな特徴が有権者が左派または右派への投票行動に影響したのかを検討している.(サイモン・クーパーがうまいタイトルの記事〔「2つのエリート層の対立:持てる者とヨット持てる者の闘い」〕でこの研究をうまくまとめている.) 下のグラフを見てもらうと,第二次世界大戦後に教育水準の高い有権者たちが右派に投票しがちになっていたのがいまや左派に投票しがちになっている様子がわかる(所得・年齢その他で統制したあとでもこの傾向は変わらない――ボックス内を参照)
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