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ジョセフ・ヒース

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トロント大学哲学教授。哲学部および公共政策学部で教鞭をとる。批判理論 (critical social theory) を軸に商道徳(あるいは商業倫理、企業倫理)や合理的選択など関心領域は多岐にわたる。
マギル大でチャールズ・テイラーに、ノースウェスタン大でユルゲン・ハーバーマスの下で学ぶ。
著作は『資本主義が嫌いな人のための経済学』、『ルールに従う』、『反逆の神話』(アンドルー・ポターとの共著)、『啓蒙思想2.0』が邦訳されている。
マギル大学よりBA(哲学)、ノースウェスタン大学よりPh. D.(哲学)取得。

ジョセフ・ヒース「BIPOCは抑圧度のヒエラルキーを示す語ではない:アミラ・エルガワビーのツイートについて」(2023年1月31日)

BIPOCという頭字語を使っている人のほとんどは、犠牲を強いられた度合いの強い順にマイノリティ集団が並べられていると考えている。〔…〕これは結果的に、頭字語の並びをステータス・ヒエラルキーにしてしまう。

ジョセフ・ヒース「オープンレターによる私へのキャンセル・カルチャーについて:アメリカ発の頭文字を使った文化政治の問題の詳細」(2021年6月10日)

多くの研究者が、批判的思考を、最新の社会科学で正当とされていることを機械的に反復することだと勘違いしている。批判的に考えられる人になるには、自分のアタマで考えないといけない。誰かにオープンレターへのサインを頼まれたら、それを注意深く読み、知的な精確さと完全性を満たしているのかを自分で判断しなければならない。このオープンレターの署名者について言えるとすれば、彼・彼女らはおそらく自分のアタマで考えなかったということだ。

ジョセフ・ヒース「“BIPOC”なる言葉は、カナダにおける人種問題にまったく相応しくない言葉である:アメリカ発の文化政治的社会改良運動を輸入すべきでない理由」(2021年5月28日)

自国の人種関係や多文化主義の現実を反映した独自の頭字語を作らずに、アメリカの用語をそっくり流用するのを選んでいる人があまりに多い。このような、アメリカの社会正義言説への“認識的逃避”は、いろんな意味で、右派によるMAGA〔アメリカ国外でのトランプ支持〕の左派版でしかない。

ジョセフ・ヒース「社会は、“正常”な犯罪発生率を維持しようとする」(2015年7月31日)

犯罪率が低下しているにも関わらず、〔保守〕政権が犯罪に対してヒステリーを起こし、90件もの刑事司法関連法案を可決するのを、奇妙に思う人は多いだろう。しかし、このデュルケーム的な見解に立てば、完全に理解できる。