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タイラー・コーエン「絵画売却額における性別差」(2014年11月22日)

Tyler Cowen, “The art sale gender pay gap“(Marginal Revolution, November 22, 2014)

ジョージア・オキーフの絵画が4400万米ドルで落札され、女性画家としての最高額を更新した。それまではジョアン・ミッチェルの絵画で、1190万米ドルだった。フランシス・ベーコンは1億4240万米ドルで落札されたことがある。なので、

オキーフ絵画の高額売却にもかかわらず、男性画家と女性画家の価格差は大きいままだ。〔絵画における〕価格の男女差は、だいたい男性1ドルに対して女性84セントだ。絵画の「最高売却額の差」は現在は男性1ドルに対して女性31セントである。オキーフの絵画が落札されるまでは、男性1ドルに対して女性8セントであった。

オリバー・ローダー氏の記事から。

タイラー・コーエン 「正しいキャリアに踏み止まる術」(2014年9月3日)/「タトゥーがあると職探しに不利に働く?」(2014年9月3日)

●Tyler Cowen, “How to stay on the right career path”(Marginal Revolution, September 3, 2014)


「労働市場におけるコミットメントデバイス」とも言う。

(アメフトのプロリーグであるNFLのチームの一つである)セントルイス・ラムズの選手登録枠(ロースター)の一番最後(53人目)の枠に新人のイーサン・ウェストブルックス(Ethan Westbrooks)が滑り込むことになった。マイケル・サム(Michael Sam)に競り勝ってディフェンスラインのポジションを手に入れた格好になる。

ウェストブルックスの経歴は注目に値する。今から3年前の2011年当時、サクラメント・シティ・カレッジでアメフト選手としてプレーしながらあの「トイザらス」でも働いていたというのだ。そして今年(2014年)に入ってNFLの門をくぐることになったというわけだ。ウェストブルックス本人の言によると、今回めでたく一番最後の選手登録枠に滑り込むことができたのは「やる気を鼓舞する一風変わったツール」のおかげでもあるとのこと。「顔に入れたタトゥー」のおかげでもあるというのだ。

ウェストブルックスが目の下にタトゥーを入れたのは2011年のことだが、もう二度と普通の仕事なんかしたくないと思ってそうしたとESPN社のリポーターであるニック・ワゴナー(Nick Wagoner)の取材に対して答えている。「顔にタトゥーの入った求職者」にならないためにはNFLで結果を残す(アメフトのプロ選手として成功する)しかない〔そのように自分を追い込んだ〕、というわけだ。

記事の全文はこちら(ウェストブルックスの顔写真付き)。G. Patrick Lynch経由で知ったネタだ。

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●Tyler Cowen, “What does a tattoo signal?”(Marginal Revolution, September 3, 2014)


タトゥーが入っていると就職に不利に働くかどうかという話題については少し前に取り上げたばかりだが、さらにもう一歩踏み込んだ研究がお出ましだ。ウェストバージニア大学で博士号を取得したばかりのケイトリン・ハーガー(Kaitlyn Harger)女史の手になる論文がそれだ。ハーガーの論文ではフロリダ州の囚人のデータを対象に出所後の元囚人のその後が追われているが、ハーガーが手元に集めたデータは一味違っている。タトゥー入りの囚人とそうじゃない囚人とが区分けされているのだ。

どうやら多くの企業(雇い主)はタトゥーの入った求職者の採用には乗り気ではないようだ。例えば、アメリカ陸軍なんかも「ボディアート」(タトゥー)に関する内規を見直して禁止事項を増やしたばかりだ。ハーガーの論文によると、タトゥーの入った元囚人はタトゥーの入っていない元囚人よりも合法の職にありつくのが難しくて食い扶持(ぶち)を稼ぐために再び犯罪に手を染める傾向が高い――再犯率が高い――との結果が示唆されている。

ハーガーの論文では次のような注目すべき結果が報告されている。囚人全体の平均だと出所してから5000日(およそ14年)もすると再び刑務所に逆戻りしてくる傾向にあるが、タトゥー入りの囚人全体の平均だとその半分の日数(およそ7年)で刑務所に逆戻りしてくる傾向にあるというのだ。

Free Exchangeブログより。全文はこちら

タイラー・コーエン 「ポートランドの商人? ~タトゥーの著作権侵害で提訴~」(2005年2月17日)

●Tyler Cowen, “The Merchant of Portland?” (Marginal Revolution, February 17, 2005)


(オレゴン州にある)ポートランド在住のアーティストが(全米男子プロバスケットボールリーグである)NBAのデトロイト・ピストンズでフォワードを務めるラシード・ウォーレス(Rasheed Wallace)を相手に訴訟を起こした。提訴したのはウォーレスの右腕に「エジプト風のタトゥー」を彫った人物(提訴理由は著作権侵害)。NIKE(ナイキ)のバスケットシューズのCM(テレビコマーシャル)でウォーレスの右腕にある「作品」を映すのをやめてほしいとのこと。CMの放映中止と損害賠償の支払いを求めているが、(著作権を侵害したとの理由で)「肉1ポンド」(違約金)が支払われればそれで納得するとのことだ。

記事の全文はこちら1。ウォーレスの右腕に彫られたタトゥーの画像集はこちら

  1. 訳注;リンク切れ。代わりに例えばこちらの記事(英語)を参照されたい。 []

タイラー・コーエン 「タトゥーを彫るとしたらデザインはどうする?」(2010年11月13日)

●Tyler Cowen, “A theory of optimal tattoos”(Marginal Revolution, November 13, 2010)


本ブログの熱心な読者の一人であるDavid Stearnsから次のような質問を頂戴した。

体のどこかにタトゥーを彫るとしたらデザイン選びはどうしますか? 「未来の自分」も喜んでくれるに違いないようにするにはどんなタトゥーを入れたらいいでしょう? 好きなアート作品を模写します? それともピーター・リーソンに倣って1経済学絡みのタトゥーを入れます? 家族の名前を彫るだとか「誰にも見られないように脇の下とかに小さな点のタトゥーを入れる」とかいう回答は無しの方向でお願いします。

彫るとすればお気に入りの旅行先である国の地形を象(かたど)ったタトゥーにするだろうね。私の場合はメキシコとかブラジルとかになるだろうが、どちらの国も一目でわかる形をしてもいる。お気に入りの旅行先のタトゥーを入れていたら誰かに旅行の思い出話を聞いてもらういい口実になってくれるだろうし、国のかたちのタトゥーを目にしても(タトゥーそのものへの嫌悪感を別にすれば)不快な思いをする人なんてそんなに多くないだろうしね。タトゥーで既存のアート作品を再現しても低俗に見えちゃうだろうね。ケルト模様(幾何学模様)のタトゥーもありだろう。他には犯罪者っぽく見えるタトゥーを入れるという選択肢もある。少なくとも私に関しては思い描く人生設計とうまく調和しそうにないが、犯罪者っぽく見えるタトゥーのおかげで得をする人も中にはいることだろう。

ダン・アリエリー(Dan Ariely)によるタトゥー論(こちら)もあわせて参照あれ。

  1. 訳注;「経済学への関心は海賊への興味とほぼ同じくらい古いものだし、しかもずっと深い。右腕には、需要供給曲線の刺青をしているのだ(17歳のときに入れた)。」(ピーター・T・リーソン(著)/山形浩生(訳)『海賊の経済学』, pp. 2) []

タイラー・コーエン 「私の背中売ります ~キャンバスとしての背中~」(2017年2月2日)

●Tyler Cowen, “Back markets in everything those new service sector jobs”(Marginal Revolution, February 2, 2017)


ティム・シュタイナー(Tim Steiner)氏の背中に彫られた見事なタトゥー。そのデザインを請け負ったのはとある著名なアーティスト。その所有者は(シュタイナー氏ではなく)ドイツ人のアートコレクター。シュタイナー氏が亡くなると、タトゥーが彫られた部位(皮膚)が剥がされて額に入れて飾られる決まりになっている。存命中は(背中のタトゥーが見えるように)シャツを脱いだ状態であちこちのギャラリーで座って過ごすことになるという。

「アート作品を背中に背負っているんです。私はその作品の運搬人なんです」とシュタイナー氏。現在40歳。(スイスの)チューリッヒ出身で前職はタトゥーパーラーのマネージャー。

話は10年前に遡る。シュタイナー氏がその当時付き合っていた恋人がベルギー出身のアーティストに出会ったのが事の始まり。そのアーティストの名はヴィム・デルボア(Wim Delvoye)。豚にタトゥーを入れた作品で物議を醸し名を売ることにもなったアーティストだ。

その恋人はデルボアから「新作を描くための『人間キャンバス』になってもいいという人物を探している」と伝えられたという。誰か興味を持ってくれそうな人を知らないかと尋ねられたというのだ。

・・・(略)・・・シュタイナー氏の背中に彫られたタトゥーの作品名は『TIM』。2008年にドイツ人のアートコレクターであるリク・ラインキング(Rik Reinking)氏が15万ユーロ(13万ポンド)で買い取った。シュタイナー氏は15万ユーロの3分の1にあたる5万ユーロを受け取ったという。

「私の皮膚はあれ以来リク・ラインキング氏のものなんです」とシュタイナー氏。「私の背中はキャンバスなんです。私という人間は背中に背負った作品を一時的に収めておく額なんです」。

シュタイナー氏が亡くなるとタトゥーが彫られた背中の部位(皮膚)を剥がした上でその箇所を額に収めてラインキング氏のプライベート用のアートコレクションに加えられる契約内容になっているという。

そんなのゾッとするばかりじゃないかという声に対してシュタイナー氏は次のように応じている。「ゾッとするという感覚は相対的なものなんですよ」。

記事の全文はこちら。相変わらずキレキレのティム・ハーフォード(Tim Harford)――快著である『Messy』(邦訳『ひらめきを生み出すカオスの法則』)の著者――経由で知ったものだ。

タイラー・コーエン「チェスでは人間-機械の協力の時代が終わってしまった?」(2018年12月7日)

[Tyler Cowen, “Is the age of man-machine cooperation over in chess?,” Marginal Revolution, December 7, 2018]

AlphaZero がめざましい戦績を見せているさらなるデータを考えると,そう考えるべきなんじゃないかと Charles Murray が Twitter でぼくにそう訊ねてくれた.いまのところ,答えはもちろん「イエス」のようだ:AlphaZero に好きにやらせて人間から手出しをさせないでおけばいい.工場ネタのジョークみたいなところが少しある:「あそこに犬がいるのは人間を機械から遠ざけておくためだよ.そんで,人間は犬を守ってるわけ.」(というか逆かな?)
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タイラー・コーエン 「『穏健な抗議行動』と『暴力的な抗議行動』とではどちらがより効果的?」(2018年11月2日)

●Tyler Cowen, “Are peaceful or violent protests more effective?”(Marginal Revolution, November 2, 2018)


政策変更を促す上で「穏健な(暴力に頼らない)抗議行動」と「暴力的な抗議行動」とではどちらがより効果的なのだろうか? 本論文では公民権運動の一環として繰り広げられた(市民による)抗議行動が米下院における議員の投票行動にいかなる効果を及ぼしたかを検証する。具体的には、固定効果モデルを用いて出身選挙区別に議員の投票行動が抗議行動を受けて時とともに(1960年~1972年の間に)どのような変化を辿ったかを探る。本論文で得られた検証結果によると、「穏健な抗議行動」は(下院における法案の審議で)議員からリベラル寄りの――公民権運動の目的に沿う――投票を引き出す傾向にある一方で、「暴力的な抗議行動」は裏目に出てしまう――議員から保守寄りの投票を引き出す――傾向にあることが見出された。さらには、「穏健な抗議行動」のリベラル化効果(議員からリベラル寄りの投票を引き出す効果)が及ぶ範囲は公民権関連の審議に限定される一方で、「暴力的な抗議行動」の保守化効果(議員から保守寄りの投票を引き出す効果)が及ぶ範囲は福祉関連の審議にまで波及することも見出された。議員の投票行動の変化を説明し得るその他の代替的な仮説についても検討を加えて本論文の結論が頑健である(覆されない)ことも示す。「穏健な抗議行動」のリベラル化効果は議員の入れ替えが起きた(現職が選挙で敗れた)選挙区や白人比率の高い選挙区ほど大きい傾向にある。以上の結果は「抗議行動のシグナリングモデル」と整合的であり、抗議行動は(黒人ではなく)白人の有権者に対して新しい(よく知れ渡っていない)情報を伝える役目を担った可能性があることを示唆している。

以上、デューク大学の博士課程で学ぶガボール・ニェキ(Gábor Nyéki)ジョブ・マーケット・ペーパー(pdf)のアブストラクト(要旨)より。

タイラー・コーエン「市場を嫌う大学人はなんでこんなに多いんだろう?」(2018年11月27日)

[Tyler Cowen, “Why do so many academics dislike the market?” Marginal Revolution, November 27, 2018]

どうやら結局ノージックは正しかったらしい.Raul Magni-Berton と Diego Rios の論文から抜粋:
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タイラー・コーエン 「『リパブリカン・クラブ』 ~この絵から何が読み取れる?~」(2018年11月23日)

●Tyler Cowen, “The Republican Club — why is this painting interesting?”(Marginal Revolution, November 23, 2018)


『リパブリカン・クラブ』と題された上の絵はホワイトハウスの壁にかけられていてトランプ大統領もお気に入りらしい。何か目に付くところがあるだろうか? 私なりに思うところをいくつか列挙してみるとしよう。 [Read more…]

タイラー・コーエン 「至る所に市場あり ~寿命が1時間の製品~」(2012年7月17日)/「至る所に市場あり ~あの旗も中国製~」(2008年4月29日)

●Tyler Cowen, “Optimal product durability (Pakistani markets in everything)”(Marginal Revolution, July 17, 2012)


・・・(略)・・・宗教団体が主導する(反米を掲げる)抗議デモの多くはどれもこれも同じパフォーマンスでもってお開きとなる。(アメリカの国旗である)星条旗を燃やして終わるのだ。

・・・(略)・・・宗教団体向けに星条旗を売りつけるサプライチェーンの過半を牛耳っている人物がいる。マムーン・ウル・ラシード氏。30歳。1998年にパキスタンが核実験を行ったことを受けてクリントン政権が経済制裁を発動。学生だったラシード氏はそのことに激怒。それ以来、反米のメッセージが刻まれたプラカードや自家製の星条旗を作るようになったという。昔に比べると比較的冷静な気持ちで星条旗作りに励んでいるとのこと。可燃性の自社製品の寿命の短さについても冷静に受け止めているという。

「丹精を込めて製品を作らせてもらっています。わざわざお買い上げいただくわけですからね」とラシード氏。オフィスはカラチ市でも古くから労働者階級が多く住む地域の一つとして知られているグルシャン・エ・イクバールに構えられている。8フィート×6フィートの間取りの部屋の大部分を占めるデスク。その背後にある椅子に腰掛けて取材に応じるラシード氏。頭には迷彩柄のベースボールキャップを被っている。

「燃やされてしまうことについてどう思うかですって? 我が社の使命は寿命が1時間の(少なくとも1時間は持つ)国旗(星条旗)を作ることにあります。残念な話ではありますが、『買ってから1時間。それだけ持ってくれればいい』というのがお客様の要望であれば我々としてはその声に従うまでです」とラシード氏。

詳しくはこちらを参照されたい。情報を寄せてくれたJake McGuireに感謝。

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●Tyler Cowen, “Markets in everything, China fact of the day edition”(Marginal Revolution, April 29, 2008)


香港メディアの報道によると、中国の南部にある工場がチベットの旗を製造していたために警察の調べを受けたという。広東省にある工場に海外(中国国外)から旗の製作を依頼する注文が入ったのだが、その旗というのがチベット亡命政府の旗だったというのだ。

リンクはこちら。情報を寄せてくれたChristopher Hayesに感謝。