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ステファニー・ケルトン「MMTの『レンズ』が映し出す下院議員たちの誤り」(2021年8月9日)

Stephanie Kelton, “House Members’ Letter to Pelosi Mostly Barking Up the Wrong Tree”, The Lens, Aug 9, 2021

CNNの主任議会特派員マヌ・ラジューは昨日、下院議員が共同で作成している書簡の草稿を紹介した。草稿の作成には、ジョシュ・ゴットハイマー(ニュージャージー州選出)、ジャレド・ゴールデン(メーン州)、カート・シュレーダー(メーン州)、ヴィンセンテ・ゴンザレス(テキサス州)、エド・ケース(ハワイ州)、フィーレマン・ヴェラ(テキサス州)などの民主党下院議員が携わっている。 [Read more…]

ビル・ミッチェル「MMTと『力関係』について- Part 1」(2021年5月6日)

Bill Mitchell, “MMT and Power – Part 1”, Bill Mitchell – Modern Monetary Theory, May 6, 2021

「現代貨幣理論(MMT)には、〔制度的な〕力関係(power relations1 )の理論がないので欠陥がある」という言説をよく目にする。批判者の中には、このことを、「MMTにはインフレの理論もない」という主張に結びつけて語る人もいる。

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  1. このエントリで頻繁に出てくるpowerを「権力」と訳すと「政権」の意味でも取れてしまうので、一方が他方に行使する支配的な影響として純粋に「力」と訳している。power reationsも同様に「権力関係」とするとやはり語弊があるので「力関係」に。 []

ビル・ミッチェル「グレッグ・マンキューへの返答 – Part 3」(2019年12月31日)

Bill Mitchell, “A response to Greg Mankiw – Part 3”, Bill Mitchell – Modern Monetary Theory, December 31, 2019

クリスマス前に、グレゴリー・マンキューの現代通貨理論(MMT)に関する論文「A Skeptic’s Guide to Modern Monetary Theory」(2019年12月12日)への回答を2回に分けて発表した。休み前に回答を仕上げようとしたのだが、第2部はすでに長くなりすぎてしまった。クリスマス休暇が明けてブログを再開したら短めの第三部を書こうと思ったので、問題をひとつ取り上げずに残しておくことにした。この部分は、公の記録に残す必要があると思う。この論点は、評論家は、MMTが何であるかを実際に理解するために、いかにさらなる努力が必要かを例示している。彼らは、MMTが不透明で理解するのが難しいと主張し、私たちの仕事に対する彼らの誤った解釈の責任を我々に押し付けようとしているが、私が今日議論する問題は、非常に簡単に理解できるものだ。この問題は前面かつ中核に出ており、多くの学術論文やその他の記事が書かれている。もちろん、私が言及しているのは、主流のフィリップス曲線に対するMMTの対応策としてのジョブ・ギャランティだ。この問題がMMTの枠組みの中でどのように位置づけられるかを理解していないのは、主流派の経済学者に限ったことではない。しかし、主流派はフィリップス曲線の文献と、フィリップス曲線が彼らのマクロ経済学の中でどのような位置を占めているかを全て理解している。故に、バッファー・ストックの枠組みの中でジョブ・ギャランティを理解し、MMTがそれにどのように対応するかを理解していないという言い訳は通用しない。

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ビル・ミッチェル「グレッグ・マンキューへの返答 – Part 2」(2019年12月24日)

Bill Mitchell, “A response to Greg Mankiw – Part 2”, Bill Mitchell – Modern Monetary Theory, December 24, 2019

A response to Greg Mankiw – Part 1 ビル・ミッチェル「グレッグ・マンキューへの返答 – Part 1」)(2019年12月23日) では、グレッグ・マンキューによるA Skeptic’s Guide to Modern Monetary Theory(懐疑論者のための現代貨幣理論への手引き)(2019年12月12日)の発表に先立って行われたメールでのやり取りを公表した。今回のブログ記事では、その論文で論じられた具体的なポイントへの返答を提示した上で、もし当該論文が(批判的な観点からとはいえ)MMTへのフェアな「ガイド」であることを目指しているのであれば、それはひどく失敗してしまっていると結論付ける。では、なぜ私がそう結論付けたかを説明していくとしよう。今日の投稿は長いので、少し読むのに時間がかかるだろう。極めて長くなるかもしれない。しかし、来週までブログの執筆をお休みするつもりなので(クイズはいつものようにする予定)、いつもの記事より長いものの、読者にはこの記事を読む時間が十分にある。いつもなら3部か4部に分けるところなのだが。

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ノア・スミス「政府負債の危険なんて、誰もわかっちゃいない」(2021年1月22日)

(ツイッター上でのアドバイスを受けて一部訳を変更しました)

たぶん、経済学者はこの面白そうな問題を考えるべきなんだろう。

Noah Smith
No one knows how much the government can borrow

マクロ経済学で最も重要な疑問の1つ、それは変な話だけど経済学者が研究しない事を選んでいる疑問だ。その疑問とは、「政府はどれだけ安全に借りることができるか」。

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エグザビア・ヴァイヴス 「スーパースター企業の登場:マクロ経済学において寡占を真剣に考える」(2021年1月20日)

(訳者注:コメントでの指摘を受けて、タイポを修正しました。)

Xavier Vives 2021年1月20日

Rise of the Superstar firms: Taking oligopoly seriously in macroeconomics

ビッグテック、そしてその他の「スーパースター企業」の支配によって、市場支配力が研究の分野においてもだけでなく、政治家達の問題としても戻ってきた。しかし、寡占市場はマクロ経済学や貿易モデルに導入されてはいるものの、それは主に産業分野の大きな「連続体」の中において、一企業が自身の分野においては市場支配力を持つが経済全体には影響を及ぼさないという設定によってである。このコラムは寡占がマクロ経済学のツールボックスに完全に組み込まれて然るべき時が来ていることを主張する。

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ノア・スミス「MMTとマクロのミーム化~モデルよさらば、ミームよこんにちは~」(2020年11月28日)

[Noah Smith, “MMT and the meme-ification of macro“, Noahpinion, November 28, 2020 ]

MMT(訳注:現代金融理論)と関わり合うとやっかいなのは、この理論が実際に何を言ってるのかをはっきりさせるのが難しいからだ。それをやろうとすると、曖昧で大仰な論法をひたすら繰り返す似たようなMMT論文の果てしない山の中を彷徨うか、もしくは、公式見解がときとして互いに矛盾する(でも、あなたが軽蔑すべき愚か者であるという基本的事実に関する見解は常に一致しているように見える)怒りっぽいMMT教祖たちと問答する羽目になりがちだ。MMT論者がたまに実際に定量的モデルを書くと、その結果は…ちょっと問題だリンク先の和訳)。

だから、実際に「Macroeconomics」(マクロ経済学)というMMTの教科書がウィリアム・ミッチェル、ランダル・レイ、マーティン・ワッツによって出版されたことは僥倖だ。筆者はまだ読んでいないが、スコット・サムナー(マーケイトス・センターおよびベントレー大学所属)はこの教科書を精査中で、MMTやマクロ経済学の議論一般に光を当てるような論点もすでにいくつか浮かび上がってきている。

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ビル・ミッチェル「MMTと対外部門 — 再訪」(2018年9月26日)

Bill Mitchell, “MMT and the external sector – redux“, Bill Mitchell – Modern Monetary Theory, September 26, 2018.

このエントリは、2018年10月13日土曜日にドイツで参加する予定のワークショップのために書いている。私が参加するパネルは、対外貿易と通貨の問題に焦点を当てている。この投稿では、提示する予定の基本的な議論をまとめる。現代金融理論(現代貨幣理論、MMT)に関連してしばしば提起される問題の1つは、外国為替市場と国の対外勘定(特に経常収支)に関するものだ。経常収支が黒字であるべきか赤字であるべきか、そして仮に経常収支が赤字の場合に通貨発行権を持つ政府が完全雇用を維持するための財政政策手段(支出と租税)の利用能力に何かしらの制限が生じるかどうか、という点については進歩主義志向の経済学者でさえ袋小路に陥っているように見える。この投稿では、これらの問題を取り上げ、対外部門に関するMMT的観点の意義について説明する。

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ビル・ミッチェル「日本式Q&A – Part 5b」(2019年12月5日)

Bill Mitchell, “Q&A Japan style – Part 5b“,  Bill Mitchell – Modern Monetary Theory, December 5, 2019

Part 1 Part 2 Part 3 Part 4 Part 5a

これは通貨発行権のある政府による様々な債券発行オプションの帰結に関しての、2部構成の議論の最終パートである。基本的な現代金融理論(現代貨幣理論、MMT)の立場は、通貨発行権のある政府における不必要な債務発行の慣行(これは固定為替レート、金本位制の日々からの残滓[hangover]である)の放棄だ。通貨発行権のある政府は、その能力を利用して全般的な幸福を促進するべきであり、金融市場における投機的行為のリスクを下支えして軽減することで企業の福祉に寄与することには何の正当な理由もない。ただし、現実世界の層(政治など)を導入すると、一部の純粋なMMTタイプのオプションが使用できないことが分かる。以下の質問はまさに日本におけるそうしたケースを紹介したものである。政治的制約を考えると、政府が債務を発行する場合、中央銀行の行動には次の2つのオプションのいずれかを選択する必要がある。(A)流通市場(既発債券市場)ですべて購入する。 (B)債務を非政府部門に残す。この最終パートでは、その選択に影響し得る考慮事項をいくつか論ずる。

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ビル・ミッチェル「日本式Q&A – Part 5a」(2019年12月3日)

Bill Mitchell, “Q&A Japan style – Part 5a“,  Bill Mitchell – Modern Monetary Theory, December 3, 2019 

Part 1 Part 2 Part 3 Part 4

これは、現代金融理論(現代貨幣理論、MMT)と、日本やオーストラリアなどの通貨発行を持つ政府の国債発行オプションに関する議論だ。こうした政府が持つ3つのオプションを検討し、MMTの観点からそれぞれを検討する。 MMTの理解によって、各オプションの結果を完全に理解できるようになる。我々が到達した結論は、主流派マクロ経済学で提示された結論とはまったく異なる。これは主に我々が、税収を超える政府支出を賄うにあたって国債発行が必要とは考えず、中央銀行と商業銀行のオペレーションを(主流派の架空の世界のやり方ではなく)現実のやり方に一致するよう構成するためである。今回の議論はまた、MMTで我々がしばしば検討する技術的な方法よりも、政府の政治的側面を明らかにもする。これは木曜日に締めくくる2部構成の回答の第1部である。今回我々は、日本経済を悩ませていた「大停滞」の解決策として大規模で非標準的な金融政策を1990年代後半に提唱したいわゆる「リフレ派」(’reflationists’)の日本での出現について考察する。

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