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ジョセフ・ヒース「人種差別を再定義する:伝統的人種差別と制度的人種差別」(2018年3月6日)

Redefining racism
Posted by Joseph Heath on March 6, 2018 | Ontario, race

最近世間でちょっとした意味論的〔言葉の定義使った〕お遊戯がよく行われているが、そういったお遊戯は分析する価値があるように思われる。(哲学者は「意味論的な問題」に拘ってよく批判を行うのだが、哲学者の誰かがそういった批判をこのお遊戯に対して行ったら良いんじゃないか? と) カナダ社会をあらゆる社会制度と十把一絡げにして、全面的かつ体系的に人種差別主義的である、と糾弾するのが、いたる所で非常にスタンダードになってきている。しかしながら、「人種差別」という言葉の使われ方には、重要な曖昧さがあるのだ。人種差別を批判する人達はしばしば、「人種差別」という言葉の2つの全く異なる意味をふらふらと言ったり来たりして使うことで、ある意味で批判の効力を弱めてしまっている。

ほとんどの人は「人種差別」という単語を耳にしたら、1960年代の公民権運動からお馴染みの意味で理解している。このタイプの「人種差別」は、何よりもまず、特定個人への侮蔑的な態度であり、その態度が他者への差別的な言動の実行に至っているもの――人種的特徴に基づいて一部の人を他者より優遇する行為――として解釈されている。こういった態度は、意識的かもしれないし、無意識的かもしれないし、あるいは人種差別的にあからさまかもしれないし、微妙かもしれないし、隠蔽されているかもしれない。重要なのは、(伝統的な理解における)人種差別とは、侮蔑的な態度として表明されたものであり、そうして表明されたことで人間関係の相互作用に体系的影響を及ぼすものである。 [Read more…]