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マーク・ソーマ 「至福点との向き合い方」(2005年12月25日)

●Mark Thoma, “Dealing with Bliss Points”(Economist’s View, December 25, 2005)1


親戚一同が集まってクリスマスディナーをいただく機会があると、大叔父の一人が「食事の前にデザートをくれないか。それもたんまりとだ」と主張して譲らないのがお決まりになっている。食事の後にデザートが出るという通常の順番だと食事を全部平らげた後に果たしてあとどのくらいお腹の中にデザートを入れる余裕がありそうか事前には予測が付かない。そのような不確実性を考慮すると、その大叔父の主張は私には「合理的な」意見であるように思われるものだ。何と言ってもデザートはクリスマスディナーの中でも最も高い効用(満足)をもたらしてくれる花形であり、食事をついつい食べ過ぎてしまって(満腹のために)折角のデザートを見送らざるを得なくなるなんて事態はできれば避けたいところだ。しかしながら、他の親戚の面々は大叔父の主張を「合理的な」意見だとは見なしてはいないようだ。さて、その大叔父はと言うと、大量のデザートを無事平らげた後に食事に取り掛かり、文字通りもう限界というところまでお腹を満たした末にソファーに倒れ込む(そしてやがて寝息を立てる)というのがお決まりのパターンになっている。その様子を目にするたびに私の脳裏には(モンティ・パイソン/人生狂騒曲の)あの場面が思い出されるものだ。

ウェイター:お客様。最後のメニューになります。ミント・ウエハースでございます。

クレオソート氏:もう結構。

ウェイター:左様でございますか。こんなに薄いウエハース一枚なんでございますが。

クレオソート氏:いらん・・・。腹いっぱいだ・・・。

ウェイター:左様でございますか・・・。この薄いウエハース一枚だけなんでございますが。

クレオソート氏:見てわからんのか。もう何も入らんのだ。腹十分目なんだよ。

ウェイター:左様ですか。・・・たったこれだけ、たったこれっぽっちでございます。

クレオソート氏:わかった、わかった。 それだけだぞ。

動画はこちらだ(特に食事中の視聴には要注意)。

  1. 訳注;至福点(Bliss point)というのは効用の上限をもたらす消費の組み合わせを指しており、そこからさらに消費の量を増やすと効用は低下することになる。満腹でもう何も食べたくないという状態はその一例。 []

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