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タイラー・コーエン「都市の分布、今昔」

[Tyler Cowen, “The distribution of cities, then and now,” Marginal Revolution, February 12, 2018]

今日の先進国では、こうして都市は歴史的に重要だった農業地域に散在している。この結果、こうした国々の内部では、リソースの地理的な分布の平等度合いが比較的に高くなっている。これと対照的に、今日の発展途上国では、都市はもっと沿岸部に集中している。沿岸部は、農業適正に比べて輸出条件がもっと優れている。

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タイラー・コーエン「ポルノを検閲すべき?」

[Tyler Cowen, “Should we censor porn?Marginal Revolution, February 12, 2018]

1971年に、アーヴィン・クリストル〔ネオコンの元祖みたいな人〕は「すべき」と言った。今日では、ロス・ダウサット〔ニューヨークタイムズのコラムニスト〕が「すべき」と言っている。「一目見ればそれとわかる」〔という直感だのみの〕定義でのポルノが社会にとってプラスマイナス差し引きした正味でマイナスになるという考え方にはぼくも共感を覚える(アレックスはちがう)。ポルノのおかげで性生活がたのしくなるひとたちがいるとしてもだ。とはいえ、ポルノを検閲する魅力的な方法は思いつかない。
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タイラー・コーエン「科学・技術・工学・数学教育における男女平等の逆説」

[Tyler Cowen, “The Gender-Equality Paradox in Science, Technology, Engineering, and Mathematics Education,” Marginal Revolution, February 16, 2018]

――というのが Gjisbert Shoet & David C. Geary の新論文だ。アブストラクトは以下のとおり。最後の一文がたぶん最重要だろう:
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アセモグル & レストレポ「ロボットと雇用:アメリカからの証拠」

[Daron Acemoglu & Pascual Restrepo, “Robots and jobs: Evidence from the US,” VoxEU, April 10, 2017]

ロボットをはじめとするコンピュータに支援された技術によって、これまで人間の労働によって行われてきたタスクがかわりに担われるようになるにつれて、雇用と賃金の未来についてますます懸念が高まっている。このコラムでは、1990年から2007年にかけて産業ロボットによって雇用と賃金が減少した証拠を論じる。推計からは、労働者1000人あたり1台ロボットを増やすと、人口あたりの雇用率が 0.18〜0.34パーセントポイント減少し、賃金は 0.25〜0.5パーセント減少するらしいことがうかがえる。この効果は、輸入やルーチン作業の減少やオフショアリング、ロボット以外のさまざまな IT 資本、あるいは総資本ストックがおよぼす影響とは別物だ。
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アレックス・タバロック「Uber運転手報酬の男女差」

[Alex Tabarrok, “The Uber Pay Gap,” Marginal Revolution, February 7, 2018]

Cody Cook, Rebecca Diamond, Jonathan Hall, John A. List, & Paul Oyer の論文では、100万人以上の Uber 運転手と何百万件もの走行にもとづくデータを使って、女性の Uber 運転手の方が男性運転手に比べて報酬が 7% 少ないことを明らかにしている。ただ、この論文の新しいところは、Uber の大量データのおかげで、報酬の落差が存在する理由について非常に詳しく理解できるようになっている点だ。差別ではないんだよ:
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タイラー・コーエン「自動運転トラックでトラック運転手の需要が増加する?」

[Tyler Cowen, “Will self-driving trucks increase the demand for truck drivers?” Marginal Revolution, February 2, 2018]

(…)そういう理由から、Uber バージョンの自動運転トラックは人間を補完するものであって置き換えるものではないと見ているのだとウッドロウは言う。みずからの主張を裏付けるべく、Uber は労働統計局のデータにもとづいて自産業の労働市場のモデルをつくりだした。次に、Uber は何通りものシナリオをつくった。それぞれのシナリオでは、自動運転トラック採用率をさまざまに変えたり、人間が運転する車両に比べてそうした自律型トラックがどれくらい頻繁に路上に出るかを変えたりしている。

自律型トラック採用に関わるこうした数字はあえて非常に強気にしてあるのだとウッドロウは言う。今日のトラックのうち自動運転に変わる率を25, 50, 70パーセントにしてある。こうした数字は、「2028年までに50万台から150万台の自動運転トラックが路上を走るようになる」という Uber の予測を反映してはいない。そうではなく、採用が広範にわたったときに生じうる労働市場のダイナミックスをモデルが示せるようにこうしているのだ。「想像してみてください。自動運転トラックがすばらしい成功をおさめて多大な影響を及ぼすようになったときのことを」とウッドロウはいう。「そしたら、どうなります?」

モデルにはもう1セットの数字がある――自動運転トラックの利用率だ。こちらの要素は、自動運転トラックがトラック運転手にもたらす影響について Uberを〔運転手の需要がなくなるという分析とは〕異なる分析に導いた要素だ。基本的にはこういう分析だ。もし自動運転トラックがはるかに効率よく利用された場合、貨物輸送コストを押し下げることになる。すると、それによって需要が刺激され、さらなるビジネスにつながる。そして、輸送される貨物量が増えれば、トラック運転手の必要は減るどころか逆に増える。

上記は『アトランティック』誌の Alexis c. Madrigal からの抜粋。

サイモン・レン=ルイス「ネオリベラリズムの致命的不整合」

[Simon Wren-Lewis, “The fatal inconsistency within neoliberalism,” Mainly Macro, January 25, 2018]

カリリオン〔イギリスの建設会社〕の破綻〔1月15日〕は,ここで論じたように公共部門アウトソーシングについていくつか重要な含意がある.ただ,真の教訓はべつのところにあるという Will Hutton に賛同したいところもある.彼によれば――
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ジョセフ・ヒース「『批判的』研究の問題」

[Joseph Heath, “The problem with “critical” studies,” In Due Course, January 26, 2018]

学部生だった頃,こんな風に思っていた――《「客観的」「価値自由」なやり方で社会現象を研究する実証主義が社会科学で蔓延しているのは世界の災厄だ.そんなものは幻想だ,というか有害な幻想だ.だって,客観性をよそおいつつ,その裏には隠れた目標があるんだから.つまり,支配しようという利害関心をもってるんだ.人々を主体ではなく研究の対象として扱うなんて政治的に中立じゃない,だってそうやってうみだされる知識ってのは,どういうわけかうまいぐあいに,まさに人々を操作し管理するために必要とされるたぐいの知識になってるもの.つまり,「客観的な」社会科学はちっとも価値自由なんかじゃない,むしろ抑圧の道具になってるじゃないか.》
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アレックス・タバロック「多様性 vs. 平等: 女性への厚遇差別」

[Alex Tabarrok, “Diversity versus Equality,” Marginal Revolution, January 28, 2018]

「オーストラリア行動経済学チーム」が,雇用に関する無作為化実験をしている (pdf).実験では,オーストラリア行政府の上級職応募者が調査され,ランクをつけられた.性別・マイノリティ地位・先住民地位が推測できる場合の扱いと応募者の素性が伏せられた場合の扱いを比較することで,研究チームは素性を伏せることの効果と偏見を検証できた.
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アレックス・タバロック「カナダさん、有償の血漿を禁止しない方がいいよ」

[Alex Tabarrok, “Dear Canada: Don’t Ban Paid Blood Plasma Donation,” Marginal Revolution, on January 17, 2018]

アメリカは、血漿の OPEC と呼ばれている。何億ドル相当もの血漿を他国に輸出しているからだ。どうして血漿業界でアメリカがこれほど独占的になっているんだろう? なぜなら、アメリカではドナーにお金を払うのが合法だからだ。対価を払えば、ドナーからの供給は増える。カナダだと、州によって有償での献血が許されているところもあるけれど、カナダ人が利用する血漿の8割はアメリカからの輸入ものだし、さらに悪いことに、州によっては有償での献血を禁止していたり、これから禁止しようか検討中だったりする。こうした禁止に反対するすばらしい書簡が公開されている:
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