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タイラー・コーエン「1万語あたりに -ly 副詞がでてくる回数」

[Tyler Cowen, “Number of -ly adverbs per 10,000 words,” Marginal Revolution, May 17, 2017]

ヘミングウェイ: 80回
トウェイン: 81回
メルヴィル: 126回
オースティン: 128回
J.K.ローリング: 140回
E.L.ジェイムズ: 155回

ネタ元は,ベン・ブラットのおもしろい新著『ナボコフのお気に入り単語は「藤色」』.ヘミングウェイ作品で -ly で終わる副詞の生起率がいちばん高いのは死後出版となったTrue at Fist Light で,ヘミングウェイ作品で最低の駄作と考えられている.同じパターンはフォークナーやスタインベックにも見られる.つまり,いちばん評価の高い作品は -ly 副詞の生起率が相対的に低い.調査された著名作家たちのなかでは,D.H.ロレンスがこの規則性のいちばん明白な例外となっているようだ.
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タイラー・コーエン「イギリスで産業革命が起きなかったとしたら他の産業革命までどれくらいかかっただろう?」

[Tyler Cowen, “How long until another Industrial Revolution would have taken place?” Marginal Revolution, May 9, 2017]

こう仮定してみよう.どういうわけか,イギリスが産業革命の好機をのがしたか(しなくていい戦争で負けたとか),あるいはそもそも産業革命を起こす状況にいたらなかったとする(メキシコ湾流がなかったとか).その世界では,いったいいつ産業革命が起きただろうか? お忘れなきように――中国の宋はなんらかの突破口を開くのに比較的に近いところまで行ったけれど,産業革命を起こすにはいたらなかった.ローマ帝国についても同じことを言う評論家たちがいる.
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ノア・スミス「同質性にいざなうセイレーンの歌」(#8/完結)

[Noah Smith, “The siren song of homogeneity,” Noahpinion, April 30, 2017]

〔数回にわけて掲載しています.前回はこちら

白人国家の夢
The dream of a white nation

でも,そんなものをのぞんでいない人たちはどうだろう? オルト右翼や旅行者たちみたいに,べつにアメリカのいろんな人種がひとつにまとまろうと意を決するのを待ち望んでなんかいない人たちは? 多くの人たちは,同質な社会にいたる近道を行きたがっている――彼らが暮らしたいとのぞんでいる場所は,白人だけが住むのをゆるされた場所だ.彼らがのぞんでいるのは,半分記憶・半分空想の社会,1950年代の南カリフォルニアだ――通りは清潔で,きれいな芝生が広がり,信頼できる白人の隣人たちは通りすがりに帽子をかたむけて「やあ」と声をかけてくれる,そんな社会が彼らののぞみだ.そして,なんと,彼らはいまそんな社会になってほしいと思っている.
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ノア・スミス「同質性にいざなうセイレーンの歌」(#7)

[Noah Smith, “The siren song of homogeneity,” Noahpinion, April 30, 2017]

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代替理論: 「戦争 + 近接性 = 多様性」

でも,ひっきりなしに戦争が起きてるのはどういうことだろう? 大きな戦争が起きたときには,ほぼ決まって,少なくともそこそこの民族的なちがいが戦争当事者たちに見られる――イギリス vs. フランス,ドイツ vs. ロシア,フツ族 vs. ツチ族,日本 vs. 朝鮮.こうした小さなちがいがこれほどの信じがたい流血沙汰を引き起こしうるのだとしたら,アフリカ人とヨーロッパ人みたいにかけ離れた集団どうしだったらいったいどれほどの大惨事が引き起こされうるだろう!
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ノア・スミス「同質性にいざなうセイレーンの歌」(#6)

[Noah Smith, “The siren song of homogeneity,” Noahpinion, April 30, 2017]

〔数回にわけて掲載しています.前回はこちら

代替理論: 信頼が同質性を生じさせる

再定義や人種間・民族間の婚姻をとおして同質性はうみだせるのだと認識すると,同質性と信頼の相関が現れうる理由について,すぐさま代替理論が思い浮かぶ:信頼が高いところほど,時がたつにつれて同質的になっていくんじゃないか.
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ノア・スミス「同質性にいざなうセイレーンの歌」(#5)

[Noah Smith, “The siren song of homogeneity,” Noahpinion, April 30, 2017]

〔数回にわけて掲載しています.前回はこちら

同質性はどれくらい人種の問題なんだろう?

だが,ここでひとひねりが加わる.それが次の論点につながる.日本人はみんな同じ人種なんだろうか? もしかしたらちがうかも.日本は2つの集団が混合して形成された.縄文人(異例なほど人口密度の高かった狩猟採集民)と弥生人(稲作民)の2つだ.この両者が遺伝的に交わっていることは,いまでも遺伝データにごくはっきりと見てとれる.そして,おそらくはこの結果として,日本人の特徴はかなり幅広い多様性が見てとれる.たとえば,この2人は日本人なんだけど――
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ノア・スミス「同質性にいざなうセイレーンの歌」(#4)

[Noah Smith, “The siren song of homogeneity,” Noahpinion, April 30, 2017]

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同質的な社会に暮らしてみたぼくの経験

いつもこのブログを読んでくれてる人なら知ってるとおり,ぼくは日本に暮らしたことがある(合計で3年半くらい).もちろんぼくは日本人じゃないけれど,日本暮らしの経験で,日本の人たちがどんな風に暮らしてどんな風に考えるのかずいぶんわかった.おかげで,間近で見た同質的な社会のいい具体例を少なくとも1つは観察できたわけだ.
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ノア・スミス「同質性にいざなうセイレーンの歌」(#3)

[Noah Smith, “The siren song of homogeneity,” Noahpinion, April 30, 2017]

〔数回にわけて掲載しています.前回はこちら

データに基づいて同質性を支持する議論の注意点

Roissy は論争的なブロガーだ.彼がやろうとしているのは自説の主張であって,教育ではない.同質性を支持する学術的な主張は,Roissy が提示する論ほど明快ではない.
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ノア・スミス「同質性にいざなうセイレーンの歌」(#2)

[Noah Smith, “The siren song of homogeneity,” Noahpinion, April 30, 2017]

〔数回にわけて掲載しています.前回はこちら

オルト右翼は本当に同質性支持の運動なんだろうか? トランプ支持運動は?

どんな運動も…まあ,異質だ.オルト右翼は同質性についてよく語るけれど,同質性の話ばかりしてるわけではないだろうしし,運動をやってる理由も同質性を求めるからというだけじゃないはずだ.なかには,社会正義運動がこわくてオルト右翼に加わった人たちだっているかもしれない――結束して相互防衛しようというわけだ.あるいは,とにかくしかじかの移民集団に反対して加わっている人たちもいるかもしれない――キューバ系の隣人はかまわないけれどシリア系の隣人はこわくてたまらないという人たちも,オルト右翼に参加しているかもしれない.あるいは,キリスト教右派が崩壊したあとに安住できる集団を探し求めている宗教的伝統主義者かもしれないし,古き南部らしいスタイルの人種主義政治で結集したネオ南部連合主義者かもしれないし,参加できるイケてるクラブを探してるただのトランプ・ファンかもしれない.人によっては,「同質性」なんてたんにこの国からけしからん連中を追い払うために連呼しやすい言葉でしかないかもしれないし,あるいはみずから選び取った価値観の基礎となっているかもしれない.トランプ支持運動について言えば,ほぼ間違いなく複数の理念がある――大統領選に勝つという大同団結の目標を掲げるものなら,かならず複数の理念があるものだ.
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ノア・スミス「同質性にいざなうセイレーンの歌」(#1)

[Noah Smith, “The siren song of homogeneity,” Noahpinion, April 30, 2017]

〔註:長文のため,数回にわけて掲載します〕

socal

アメリカとヨーロッパは,政治が大変動する時代を迎えている.とはいえ,政策は大して変わっていない.この2~3年ほどで急激に様変わりしたのは,いろんな大衆運動や政治活動の原動力となる思想や公共の論議だ.ぼくがいちばんよく知っているアメリカでは,左派が新たに大きなうねりを起こしている――とりわけ目立つのが,社会主義運動の復興と社会正義運動だ.ただ,ぼくが知るかぎりでは,新しい動きでなにより大きいのはオルト右翼だ.ざっくり言えば(日が暮れるまで定義を論じ続けることもできるし,なかにはそうしたい向きがいるのもわかってる),オルト右翼がのぞんでいるのはアメリカ社会を同質にすることだ.とりわけ熱狂が見られるのは人種的な同質性を求める動きだけど,宗教も一枚かんでいるように見える.
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